私、片思いします

むひ

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直樹の章

花火のバカ野郎

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「近くにコンビニねーじゃん!」
絆創膏買うだけなのに結構歩いたな。
春子怒ってるかな。
足怪我してるのにそのままほっとけないよな、やっぱり。
理由を言えば許してくれるだろ。
帰りすがら、りんご飴が目に付いた。
「りんご飴二つ下さい。」
そう言えば春子はりんご飴が好きだって里美が言ってたな。
春子、喜ぶかな。

春子を置いてきた場所に戻るとチャラそうな男に囲まれていた。
「あのバカ!」
言うまもなく春子の元へ走った。
春子の怯えた顔。アイツら…
「その子俺の彼女なんだけど…?なんか用でもあんの?」
間に合ったようだ。
「ちぇ、男いんのかよ…いこうぜ」
と男たちは人ごみの中に散っていった。
「大丈夫か?」
「うん…少し怖かったかも…」
「ごめんな…待たせて…」
春子の足に絆創膏を張った。
「ちょっとここからはコンビニとか遠くて遅くなっちまったごめん。それとこれ」
隣に座った直樹が手にしていたのは真っ赤なリンゴ飴が二つ。
「あ、ありがとう…」
「その…里美がおまえがそれ好きだって言ってたから」
恥ずかしくて春子の顔が見れなかった。
そんな空気の中ドンッと音が鳴り響き、周りから歓声が上がった。
「おっ、始まったみたいだな。たーまやー。ハハハ」

花火で一瞬にして空気が変わった。
「お前と花火来るの初めてだよな」
よし!と自分に気合を入れる。
「俺、実はさ。〇▽×□〇△」
「ごめん、聞こえなかったからもう一度言って?」
聞こえてなかった。花火と歓声でその声はかき消された。
恥ずかしさとやり切れなさでリンゴ飴を頬張ってソッポを向いた。
「何でもねーよ」
「何よー。教えてよ」
「何でもねーって言ってんだろ!バーカ!」
ああ!もう何だよ。こんな時に俺……
今がチャンスだったのに。
いても立っても居られず走り出した。
「ちょっと待ってよ。直樹」
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