12 / 14
直樹の章
花火のバカ野郎
しおりを挟む
「近くにコンビニねーじゃん!」
絆創膏買うだけなのに結構歩いたな。
春子怒ってるかな。
足怪我してるのにそのままほっとけないよな、やっぱり。
理由を言えば許してくれるだろ。
帰りすがら、りんご飴が目に付いた。
「りんご飴二つ下さい。」
そう言えば春子はりんご飴が好きだって里美が言ってたな。
春子、喜ぶかな。
春子を置いてきた場所に戻るとチャラそうな男に囲まれていた。
「あのバカ!」
言うまもなく春子の元へ走った。
春子の怯えた顔。アイツら…
「その子俺の彼女なんだけど…?なんか用でもあんの?」
間に合ったようだ。
「ちぇ、男いんのかよ…いこうぜ」
と男たちは人ごみの中に散っていった。
「大丈夫か?」
「うん…少し怖かったかも…」
「ごめんな…待たせて…」
春子の足に絆創膏を張った。
「ちょっとここからはコンビニとか遠くて遅くなっちまったごめん。それとこれ」
隣に座った直樹が手にしていたのは真っ赤なリンゴ飴が二つ。
「あ、ありがとう…」
「その…里美がおまえがそれ好きだって言ってたから」
恥ずかしくて春子の顔が見れなかった。
そんな空気の中ドンッと音が鳴り響き、周りから歓声が上がった。
「おっ、始まったみたいだな。たーまやー。ハハハ」
花火で一瞬にして空気が変わった。
「お前と花火来るの初めてだよな」
よし!と自分に気合を入れる。
「俺、実はさ。〇▽×□〇△」
「ごめん、聞こえなかったからもう一度言って?」
聞こえてなかった。花火と歓声でその声はかき消された。
恥ずかしさとやり切れなさでリンゴ飴を頬張ってソッポを向いた。
「何でもねーよ」
「何よー。教えてよ」
「何でもねーって言ってんだろ!バーカ!」
ああ!もう何だよ。こんな時に俺……
今がチャンスだったのに。
いても立っても居られず走り出した。
「ちょっと待ってよ。直樹」
絆創膏買うだけなのに結構歩いたな。
春子怒ってるかな。
足怪我してるのにそのままほっとけないよな、やっぱり。
理由を言えば許してくれるだろ。
帰りすがら、りんご飴が目に付いた。
「りんご飴二つ下さい。」
そう言えば春子はりんご飴が好きだって里美が言ってたな。
春子、喜ぶかな。
春子を置いてきた場所に戻るとチャラそうな男に囲まれていた。
「あのバカ!」
言うまもなく春子の元へ走った。
春子の怯えた顔。アイツら…
「その子俺の彼女なんだけど…?なんか用でもあんの?」
間に合ったようだ。
「ちぇ、男いんのかよ…いこうぜ」
と男たちは人ごみの中に散っていった。
「大丈夫か?」
「うん…少し怖かったかも…」
「ごめんな…待たせて…」
春子の足に絆創膏を張った。
「ちょっとここからはコンビニとか遠くて遅くなっちまったごめん。それとこれ」
隣に座った直樹が手にしていたのは真っ赤なリンゴ飴が二つ。
「あ、ありがとう…」
「その…里美がおまえがそれ好きだって言ってたから」
恥ずかしくて春子の顔が見れなかった。
そんな空気の中ドンッと音が鳴り響き、周りから歓声が上がった。
「おっ、始まったみたいだな。たーまやー。ハハハ」
花火で一瞬にして空気が変わった。
「お前と花火来るの初めてだよな」
よし!と自分に気合を入れる。
「俺、実はさ。〇▽×□〇△」
「ごめん、聞こえなかったからもう一度言って?」
聞こえてなかった。花火と歓声でその声はかき消された。
恥ずかしさとやり切れなさでリンゴ飴を頬張ってソッポを向いた。
「何でもねーよ」
「何よー。教えてよ」
「何でもねーって言ってんだろ!バーカ!」
ああ!もう何だよ。こんな時に俺……
今がチャンスだったのに。
いても立っても居られず走り出した。
「ちょっと待ってよ。直樹」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
行き場を失った恋の終わらせ方
当麻月菜
恋愛
「君との婚約を白紙に戻してほしい」
自分の全てだったアイザックから別れを切り出されたエステルは、どうしてもこの恋を終わらすことができなかった。
避け続ける彼を求めて、復縁を願って、あの日聞けなかった答えを得るために、エステルは王城の夜会に出席する。
しかしやっと再会できた、そこには見たくない現実が待っていて……
恋の終わりを見届ける貴族青年と、行き場を失った恋の中をさ迷う令嬢の終わりと始まりの物語。
※他のサイトにも重複投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる