CHAIN

むひ

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CHAIN

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騒がしかった。大人が何人か入ってきてオジサンを取り押さえていた。警察だ。誰かが通報したんだ。
「未成年者略取の罪で逮捕する」
オジサンは何も言わなかった。
何でオジサンが捕まるんだ。オジサンは何も悪いことしてない。むしろ僕の世話をしてくれた。何で。何で。
「止めてよ!オジサンは悪くない!僕が家出したから悪いんだ。だからオジサンは悪くないよ!」
オジサンがニヤリと笑った。
「坊主、やっと喋ってくれたな。それがお別れとはな。かっかっか!」
「オジサン!」
「良いんだ良いんだ。生きてりゃシャバでもムショでも一緒よ。かっかっか!」
警察官が僕の正面に屈んだ。
「大人というのはね。子供を保護しなくちゃいけないんだ。保護というのは、自分の所に置いておくのではなく、親や警察に届けなければいけないんだ。このオジサンはそれに違反したんだよ。さぁお家に帰ろうね」
オジサンごめん。オジサンの言う事を聞いておけば良かった。
「やだよ!帰りたくないよ!オジサンごめんなさい!ごめんなさい」
オジサンは連れて行かれた。

警察で事情を色々と聞かれ、全部話した。お母さんの事、オジサンの事。その結果、お母さんは逮捕され、僕は施設で生活する事になった。
生きてれば良いんだ。どこにいても同じ空がある。
どこに居ようが必ず僕を縛る鎖に繋がれる。
ほどけばいいよね。オジサン。

ゆっくりと。
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