小説家の日常

くじら

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恋バナ ( °ω°):∵グハッ!!

ヴァンパイアの騎士と眠り姫の日常

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ある夜……



いや、この場合はと表現した方が正しいのかもしれない。

俺はーー……再び、



いつものように、窓から部屋に入る。
何度も開けた鍵は見た目は立派で頑丈そうなのに呆気なくも小さな音をたてて外れた。



……どれほど俺が……彼女に会いに来ているのかーーその年月を際立たせる。




彼女について考えていた所為か……これから彼女に会うという事実の所為か……早鐘がなり始める。



その警鐘とは少し異なり、甘ったるい音を俺は……再度……胸の奥底に沈めた。



その……警告に従ってしまえばーー……どうなってしまうのか……想像に難くないからだ。




胸の高鳴りを鎮めたあと……ゆっくりと音をたてず、気配を感じさせずに……俺はーー……へと足を踏み入れた。







「……んーー……………?」



半分、覚醒しているようなーー……焦点のあわない眼で俺の方を向く彼女。







まだ、意識が戻っていない彼女にーー……


……ランの頬に俺の利き手を添えた。



である、俺の手を気持ち良さそうに触れる……



……その彼女の反応に、忘れていた熱が再び灯る。









「おい、ラン!!!!」

「んにょー?……すやすや」


二度寝をし始めそうな……

騎士が来ても起きないアホな眠り姫に呆れつつも

今度は、両手で彼女の頬に触れた。



「……むーん?」

舌足らずな声で俺の名をランが呼ぶ。

がどれほど、俺を煽っているのか……彼女への愛しさを溢れさせるのか……

鈍感な眠り姫はーー……

自覚せずに少しうるんだ眼で俺を見る。






君への気持ちがグラスから零れ落ちそうになる瞬間


……俺は両腕に力を込めた。













「起きろって言ってんだろーが……
じゃねーと、あの机の上にある小説を読みあげr  「うわぁぁぁ!!!!起きます!!!!」……」


俺の長年鍛錬された身体から出される声の大きさか、それとも俺の言葉が意味することに気がついたのか……かなり慌てながら彼女が起きた。















「もう!!ムーンてば、毎回私を起こすためとはいえ……冗談にならないことを平気で言わないでよ!?」


僅かな光が灯る部屋で彼女は少しだけ怒気を含んだ声色で俺に告げる。彼女はーー……というと……


「うるせぇな……元を辿れば、お前が起こしてくれって頼んだんだろーが…」

「仕方ないじゃん!創作活動を親に反対されてて昼間じゃできないんだから……ムーンだって本当は、画家になりたいんでしょ?画材は私が提供してるんだからね」

「はいはい……従いますよーー……ラン姫様」




そう……彼女は、この国のお姫様……


そしてーー……

作家志望の女の子だった……






彼女と会うのは真夜中……



それが俺達の日常だった。




そう……まではーー……









「ムーン?は?」

「ああーー……まだだ」

考え事をしていたせいか反応が遅れた。


「じゃあーーーー…………どうぞ?私はさっき食べたから好きなだけ食べていいよ?」

そう告げて彼女は俺にを差し出した。

「……」

俺はをーー……食べ尽くしたい衝動にかられるが何とか理性を使う。






そしてーーーー…………




俺はーー……ランの首元に口付け、彼女の柔肌を俺のきばで傷付けた。

痛みで彼女の身体が強張るのがわかる。



鼻腔に鉄のような匂いとともに血とは異なる甘い香りが入ってくる。



ーー……




その香りをーー……


ーー……俺は吸血鬼ヴァンパイアだった。





これくらいが限界だろう……

と推測してーー……本能が満足することができるくらいの量の血をすするのをやめた。




対してランはいつものように、気を失っていた。

俺が血を吸い過ぎたのか……

それとも、眠くなったからなのか


理由はハッキリとは知らない。




でも……だからこそ、俺はーー……

彼女の意識がないと分かっている今だけは……に正直でいられる。



「……おやすみーー……ラン」




朝になったら……ただの騎士と姫になる。

ただの会えるのは夜だけ。











どうか……君が悪夢を見ませんように。


騎士は……姫にキスを1つ落とすと闇に紛れて消えていていった。


闇には、
今宵も美しい月と星が空に輝いていた。

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