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第一部 第五章 女神のゆりかご
番外編 何を想い、何を願うか ≪前編≫
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聖歴二十五年 ルビー月七日。
この日は一年に一度、〝星願祭〟と名付けられた祭典がアルカディア教団で催される日だ。
人々は願いを書き記した短冊を最寄りの神殿に持ち寄り、陽が落ちた頃に聖炎へくべて焚き上げる。
短冊は塵灰となって天へ昇り、天体の星々に届くと願いが叶うと信じられていた。
起源は確か——と、シェリルは思考を巡らせる。
(……神話でしたね。一年に一度、逢瀬が許された織女と牛飼いの青年の恋物語。彼らの伝説を語る行事が転じて今の形になった、と文献で拝読した記憶があります)
愛を遵守する女神を主神に据える教団にとっては、外せない行事だ。
アルカディア教団の総本山である神聖国の首都フェレティ・オーラム神殿の大聖堂では、毎年盛大な祭典が執り行われている。
けれども今年は異例の事態が重なって、例年に類を見ない質素なものとなっていた。
(無理からぬ事です。
神の真意での決戦……世界の人々へ被害をもたらした術式改変と、同時に門が大量発生した災厄の日から、まだ六日。
教団は祭典のトリを飾るはずの教皇聖下が塞ぎ込み、不在が確定している。
次いで在位であれば〝星〟に関連する行事であるため、祭典を主導する立場にある【星】は意識不明の状態。
それに加えて、術式改変の件で各国から教団へ非難と抗議が寄せられていて——。
……正直、祭典どころではないでしょう)
シェリルは教皇ノエルの蛮行を止めるため渦中にあり、女神の使徒【剛毅】のテットと戦った。
戦いの最中、女神より祝福——【節制】の神秘を授かって使徒となり、結果的に術式改変は阻止出来たが……。
代わりに大切な人が、犠牲となった。
(イリアお義姉様……)
世界を守る為、神聖核となった彼女に想いを馳せて、シェリルは胸が締め付けられた。
一緒に過ごした時間はほんの数か月。
だが、時間の長さは関係ない。
イリアは兄ルーカスの恋人であり、姉あるいは親友と慕う、大切な人となっていた。
彼女は〝旋律の戦姫〟と呼ばれる圧倒的戦闘力を持った教団の使徒で、宿す神秘【太陽】の如き輝きを持った魅力的な女性だった。
周囲を明るく照らし、暖かく包み込む優しさがあり、無邪気で純真。
時に厳しく凛とした揺るぎない意思を見せる、容姿、内面ともに美しく強い人。
けれど、生い立ちのせいか弱みを見せる事がなく、自己犠牲の精神が強くて——。
シェリルは時折、イリアの姿勢に危うさを感じることがあった。
兄もその点を憂慮しており、いつだったか「気にかけて欲しい」と言われた覚えがある。
(でも、記憶を失っていた時期も私達に弱音を吐く事はなく、世界の真実を話してくれた後も……。
慌ただしく事態が進んでしまって、腰を据えて話す機会を持てなかったのもありますが、どれだけ問い掛けても「大丈夫」と笑うだけで。
最後まで、胸の内を吐露することはありませんでした。
……信頼、されていなかった訳ではないと、理解はしています。
世界とご自身の命を天秤にかけて、あの選択をした事も……功利主義の観点からすれば、必定でしょう。
——ですが、個人の感情としては、到底受け入れられません)
シェリルを含めイリアと交流のあった人は、突然の別れを悲しんだ。
特に世界の仕組みと神聖核の事実を知っていたメンバーは、何も出来なかった事を酷く嘆いた。
中でも顕著だったのが、兄ルーカスと、教皇ノエルの二人。
(お兄様は……心ここに在らず。各国に出現した門の粗方を一人で、寝る間もなく数日で処理し——その後、辞令を出して姿を消してしまわれた。
……行先は聞かなくてもわかります。
お義姉様の眠る場所、神の真意でしょう。
六年前、カレンお姉様を失った時も、相当に絶望したと……。それでもイリアお義姉様が支えとなって立ち直って——。
ようやく心の傷を乗り越えて、お義姉様と心を通じ合わせ、新たな幸せの一歩を踏み出したと言うのに。
何故お兄様ばかり……こんな……っ。
イリアお義姉様だって、沢山の人を救う為に力を揮い、最前線で身を削って来たのに……!
こんな結末、現実は残酷過ぎます……っ)
シェリルは目頭に込み上げる熱を堪えて、きゅっと唇を引き結んだ。
(お義姉を守りたいと行動した聖下の気持ちも、理解出来ます。
方法は決して容認して良いものではありませんが、聖下にとっては不特定多数の人々や未来よりも、ただ一人の家族、お義姉様が大切だった。……それだけのことです。
その想いを【悪魔】——女神の使徒でありながら、狡猾なる魔神の僕となった、皇女ノーチェに利用された。
人の心を弄び、踏みにじる……正に悪魔の所業です。
……もしも、私とシャノンお姉様がもっと早く神秘を授かっていたなら……。
アインの精神支配に抗う力のある私達が教団の使徒となっていれば、何かを変えられたかもしれません)
どれだけ願ったところで、過去は変えられない。
従って、考えても仕方がない事だとシェリルもわかっていた。
それでも、そう思ってしまうのはやりきれない後悔の念からだ。
(私が如何に安穏と暮らしていたのか、思い知らされました。
自分の立場に恥じる事のないよう知識を蓄積し、精神を養ったところで……大切な人を救う事が出来ないのなら、何の意味もありません。
……ですが。悔いて立ち止まるよりも、私は私に出来る事をしましょう。
まずはより広い世界へ目を向け、知見を深めなければ)
シェリルは悲しみを飲み下し、現実で前を向いた。
目の前には所狭しと本の詰め込まれた書架が広がっている。
シェリルがいるのは、ディラ・フェイユ教皇庁の敷地に建てられた大図書館の禁書庫。
教団がこれまで秘匿してきた事柄、世間から隔離された史実が集められた知の宝庫だ。
枢機卿団の管理下にあるここは一般人の立ち入りは禁止されており、信徒や女神の使徒も例外ではなかった。
シェリルは戦いの後、一旦王国に帰還したが、日を空けず姉と共に神聖国へと舞い戻った。
自分達の〝真の敵〟——。
アルカディアを脅かす、悲劇の根源である魔神を知る為に。
そうして手掛かりを求めて行き付いたのがここ。
ダメもとで許可を求め、無理ならば実力を行使してでも許可をもぎ取るつもりだったのだが——。
あっさりと許可された。
(腐敗した枢機卿が一掃された事で事情が変わったからでしょうね。
だとしても無闇に公開出来るものではありませんし、私が使徒である事実も鑑みて、だとは思いますが)
まだ一握りの書物へ目を通しただけだが、ここには多くの情報が眠っていた。
長い年月で忘れ去られたエターク王族の紅眼の意味と、兄が持つ〝破壊の力〟について記された書物や、女神の血族が生まれたきっかけである初代【法王】の神秘を宿した青年と女神の恋物語。
その他にも女神の血族の特性、二十二の神秘の詳細と使徒の物語など。
これまで知り得なかった事実が、次々と詳らかなっていき、この状況下で不謹慎ではあるが探求心が躍った。
(お姉様は一冊読んだだけで音を上げてしまいましたけど……。
代わりに持ち前の明るさと物怖じしない姿勢で、早くも敵対していた教団の方々と良好な関係を構築しています。
適材適所、ですね)
対人関係においては、自分よりも姉の方が相手の懐へ入り込むのが上手い。
不得意な分野で無理に頭を使うより、長所を活かす方が建設的だし、今後敵対する事になるであろう相手を考えれば、教団との協力は不可避。
使徒として教団へ身を置くかは別として、関係を築いておいて損はない。
かくいうシェリルも、禁書庫での調べ物を通じて話すようになった人物がいる。
この日は一年に一度、〝星願祭〟と名付けられた祭典がアルカディア教団で催される日だ。
人々は願いを書き記した短冊を最寄りの神殿に持ち寄り、陽が落ちた頃に聖炎へくべて焚き上げる。
短冊は塵灰となって天へ昇り、天体の星々に届くと願いが叶うと信じられていた。
起源は確か——と、シェリルは思考を巡らせる。
(……神話でしたね。一年に一度、逢瀬が許された織女と牛飼いの青年の恋物語。彼らの伝説を語る行事が転じて今の形になった、と文献で拝読した記憶があります)
愛を遵守する女神を主神に据える教団にとっては、外せない行事だ。
アルカディア教団の総本山である神聖国の首都フェレティ・オーラム神殿の大聖堂では、毎年盛大な祭典が執り行われている。
けれども今年は異例の事態が重なって、例年に類を見ない質素なものとなっていた。
(無理からぬ事です。
神の真意での決戦……世界の人々へ被害をもたらした術式改変と、同時に門が大量発生した災厄の日から、まだ六日。
教団は祭典のトリを飾るはずの教皇聖下が塞ぎ込み、不在が確定している。
次いで在位であれば〝星〟に関連する行事であるため、祭典を主導する立場にある【星】は意識不明の状態。
それに加えて、術式改変の件で各国から教団へ非難と抗議が寄せられていて——。
……正直、祭典どころではないでしょう)
シェリルは教皇ノエルの蛮行を止めるため渦中にあり、女神の使徒【剛毅】のテットと戦った。
戦いの最中、女神より祝福——【節制】の神秘を授かって使徒となり、結果的に術式改変は阻止出来たが……。
代わりに大切な人が、犠牲となった。
(イリアお義姉様……)
世界を守る為、神聖核となった彼女に想いを馳せて、シェリルは胸が締め付けられた。
一緒に過ごした時間はほんの数か月。
だが、時間の長さは関係ない。
イリアは兄ルーカスの恋人であり、姉あるいは親友と慕う、大切な人となっていた。
彼女は〝旋律の戦姫〟と呼ばれる圧倒的戦闘力を持った教団の使徒で、宿す神秘【太陽】の如き輝きを持った魅力的な女性だった。
周囲を明るく照らし、暖かく包み込む優しさがあり、無邪気で純真。
時に厳しく凛とした揺るぎない意思を見せる、容姿、内面ともに美しく強い人。
けれど、生い立ちのせいか弱みを見せる事がなく、自己犠牲の精神が強くて——。
シェリルは時折、イリアの姿勢に危うさを感じることがあった。
兄もその点を憂慮しており、いつだったか「気にかけて欲しい」と言われた覚えがある。
(でも、記憶を失っていた時期も私達に弱音を吐く事はなく、世界の真実を話してくれた後も……。
慌ただしく事態が進んでしまって、腰を据えて話す機会を持てなかったのもありますが、どれだけ問い掛けても「大丈夫」と笑うだけで。
最後まで、胸の内を吐露することはありませんでした。
……信頼、されていなかった訳ではないと、理解はしています。
世界とご自身の命を天秤にかけて、あの選択をした事も……功利主義の観点からすれば、必定でしょう。
——ですが、個人の感情としては、到底受け入れられません)
シェリルを含めイリアと交流のあった人は、突然の別れを悲しんだ。
特に世界の仕組みと神聖核の事実を知っていたメンバーは、何も出来なかった事を酷く嘆いた。
中でも顕著だったのが、兄ルーカスと、教皇ノエルの二人。
(お兄様は……心ここに在らず。各国に出現した門の粗方を一人で、寝る間もなく数日で処理し——その後、辞令を出して姿を消してしまわれた。
……行先は聞かなくてもわかります。
お義姉様の眠る場所、神の真意でしょう。
六年前、カレンお姉様を失った時も、相当に絶望したと……。それでもイリアお義姉様が支えとなって立ち直って——。
ようやく心の傷を乗り越えて、お義姉様と心を通じ合わせ、新たな幸せの一歩を踏み出したと言うのに。
何故お兄様ばかり……こんな……っ。
イリアお義姉様だって、沢山の人を救う為に力を揮い、最前線で身を削って来たのに……!
こんな結末、現実は残酷過ぎます……っ)
シェリルは目頭に込み上げる熱を堪えて、きゅっと唇を引き結んだ。
(お義姉を守りたいと行動した聖下の気持ちも、理解出来ます。
方法は決して容認して良いものではありませんが、聖下にとっては不特定多数の人々や未来よりも、ただ一人の家族、お義姉様が大切だった。……それだけのことです。
その想いを【悪魔】——女神の使徒でありながら、狡猾なる魔神の僕となった、皇女ノーチェに利用された。
人の心を弄び、踏みにじる……正に悪魔の所業です。
……もしも、私とシャノンお姉様がもっと早く神秘を授かっていたなら……。
アインの精神支配に抗う力のある私達が教団の使徒となっていれば、何かを変えられたかもしれません)
どれだけ願ったところで、過去は変えられない。
従って、考えても仕方がない事だとシェリルもわかっていた。
それでも、そう思ってしまうのはやりきれない後悔の念からだ。
(私が如何に安穏と暮らしていたのか、思い知らされました。
自分の立場に恥じる事のないよう知識を蓄積し、精神を養ったところで……大切な人を救う事が出来ないのなら、何の意味もありません。
……ですが。悔いて立ち止まるよりも、私は私に出来る事をしましょう。
まずはより広い世界へ目を向け、知見を深めなければ)
シェリルは悲しみを飲み下し、現実で前を向いた。
目の前には所狭しと本の詰め込まれた書架が広がっている。
シェリルがいるのは、ディラ・フェイユ教皇庁の敷地に建てられた大図書館の禁書庫。
教団がこれまで秘匿してきた事柄、世間から隔離された史実が集められた知の宝庫だ。
枢機卿団の管理下にあるここは一般人の立ち入りは禁止されており、信徒や女神の使徒も例外ではなかった。
シェリルは戦いの後、一旦王国に帰還したが、日を空けず姉と共に神聖国へと舞い戻った。
自分達の〝真の敵〟——。
アルカディアを脅かす、悲劇の根源である魔神を知る為に。
そうして手掛かりを求めて行き付いたのがここ。
ダメもとで許可を求め、無理ならば実力を行使してでも許可をもぎ取るつもりだったのだが——。
あっさりと許可された。
(腐敗した枢機卿が一掃された事で事情が変わったからでしょうね。
だとしても無闇に公開出来るものではありませんし、私が使徒である事実も鑑みて、だとは思いますが)
まだ一握りの書物へ目を通しただけだが、ここには多くの情報が眠っていた。
長い年月で忘れ去られたエターク王族の紅眼の意味と、兄が持つ〝破壊の力〟について記された書物や、女神の血族が生まれたきっかけである初代【法王】の神秘を宿した青年と女神の恋物語。
その他にも女神の血族の特性、二十二の神秘の詳細と使徒の物語など。
これまで知り得なかった事実が、次々と詳らかなっていき、この状況下で不謹慎ではあるが探求心が躍った。
(お姉様は一冊読んだだけで音を上げてしまいましたけど……。
代わりに持ち前の明るさと物怖じしない姿勢で、早くも敵対していた教団の方々と良好な関係を構築しています。
適材適所、ですね)
対人関係においては、自分よりも姉の方が相手の懐へ入り込むのが上手い。
不得意な分野で無理に頭を使うより、長所を活かす方が建設的だし、今後敵対する事になるであろう相手を考えれば、教団との協力は不可避。
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