189 / 206
哀歌~追憶~
第八話 嗜虐≪sadisme≫
しおりを挟む
カレンを連れたルーカスは、森の中へ身を隠しながら駆けた。
しかし、それほど時間が過ぎぬ間に。
「何処へ逃げるつもりだぁ? 紅眼ぅ!」
セイランに足止めされているはずの帝国の皇子と帝国兵が、先回りしてルーカスの行く手に立ち塞がった。
(くそ、もう追いついて来たのか!? セイランは……!?)
ルーカスは得物を構え「姫様をお守りするんだ!」と己を鼓舞する騎士と共に前へ出る。
すると男が〝何か〟をゴミのようにルーカス達の前へ放り投げた。
びしゃり、と赤い液体が舞い、ブーツを濡らす。
視線を落とすとそこには、全身を切り刻まれ曼殊沙華を咲かせた躯体。
輝きを失い、瞳孔の開ききった花紺青の色彩が、天を仰いでいた。
(————っ!!)
様変わりした彼女の姿に、ルーカスは息を飲む。
あまりにも、惨い状態だった。
「……あ、ああ……! セイ……ラン……!」
カレンがルーカスの肩越しに物言わぬ親友の姿を見て、嘆く。
ルーカスの胸にも悲しみが溢れた。
(カレンの悲しみは、俺の比じゃなかったはずだ。濁流のような感情に苛まれていただろうな……)
「くっくくく! いいねぇ、その絶望。これだから人殺しは止められんのよ。もっとも、そいつに投降の意思がありゃ、兵どもの慰み者として生かしてやっても良かったんだがな? そいつは拒んだ大バカ者よ。ま、無駄死にってやつだな。実力が伴わない癖に、志だけはご立派だったぜ? くははは!」
男が下卑た高笑いを上げると、帝国の兵も等しく嘲笑を浮かべた。
聞くに堪え難い、これは侮辱だ。
勇敢に戦った相手に対して、彼らは敬意を払うどころか、笑って貶している。
ルーカスの中で、悲しみが沸々と湧き上がる怒りへ変わって行き。
気付けば地を蹴って距離を詰め、男に刀を振り下ろしていた。
「キィン」と刃の合わさる金属音。
男は難なくルーカスの刀を受け止めて見せた。
「セイランは……死を覚悟していた! それでも、誇りをもって——! それを、それを、おまえは笑うのか!!」
「誇りだぁ~!? この世は力こそ全て! 強さに勝る正義はねえんだ、よッ!!」
ルーカスの腹へ、男の蹴りが入る。
その衝撃にルーカスは飛ばされた。
「——ぅぐっ!」
どうにか受け身を取るが、腹に内臓を潰される感触と鈍痛があり、胃の内容部を吐出してしまいそうになる。
ルーカスはうずくまってしまった。
「ルーカス!」
カレンの声と、駆け寄る足音が聞こえた。
間を置かず「キリキリ」と弦を引き絞る音と、鼓膜を突き刺す風の騒音。
顔を上げると、矢を放った直後と思われるカレンの後姿。
放たれた矢は男へ一直線に向かうが、造作もなく斬り落とされてしまった。
だが——。
「姫様! 公子様! ここはオレ達に任せて下さい!」
「セイラン殿の意思を、無駄にするものか!」
「オレ達が、姫様を守るんだ!」
「うおぉ! 騎士の誇りを笑う帝国に、目にもの見せてやる!」
王国騎士が一斉に動き出し、帝国兵へ立ち向かっていった。
「……はん! 王国の兵は弱い癖に威勢だけはイイときた。このアレイシスも安くみられたものよなぁ?」
アレイシス——と、名乗った男の名を聞いてルーカスの鼓動が跳ね、冷汗が伝った。
それは帝国の第二皇子の名。
「な……ま、まさか……」
王国兵に動揺が走り、動きが鈍る。
理由は、アレイシスが持つ二つ名だ。
男は世間でこう呼ばれていた。
「し、嗜虐の狂王子!?」
——と。アレイシスは人を嬲る事に快感を覚え、血を好む事で有名だった。
対象は老若男女を問わず。
帝国の皇族の中でも際立って悪名高く、悪行は聞くに堪えないものばかりだ。
「くははっ! オレ様が誰か知って、怖くなったかぁ? いいぞ、恐れろ、喚け! それでこそ、嬲り殺し甲斐があるからなぁァッ!!」
皇族の証、黄金眼が大きく見開かれる。
その瞳に射貫かれた途端、フッと体から力が抜けた。
「……うっ、なん、だ……?」
「体が、重い……! ……ルーカスっ!」
カレンも同様の症状に襲われたようで、地面に膝をついている。
そして、それは二人に限った話ではなく。
「何だ、一体何が……!」
「……う、動けない!」
「魔、術……? だが、そんな反応は……」
まるで蛇に睨まれた蛙のようだった。
この場に居る王国騎士全員が同じ症状に見舞われ、動けなくなっていた。
「何をされたかわからないって面だなぁ? が、知る必要もない。どうせ全員ここで死ぬんだからなぁ! 一人ずつ、じっくり、たっぷり、可愛がってやるよ」
血濡れの刃を掲げたアレイシスが悪魔の如き形相で、恐怖に震える騎士へ手を伸ばす——。
そこから行われたのは、戦争を口実にした、ただの虐殺だ。
(——あれこそ、この世の地獄だ。ヤツは人が苦しむ様を笑って、愉しそうに痛めつけて……っ! ……あんな、あれが本当に、同じ人間の為せる事なのか? ……疑ってしまう。ヤツは本当に悪魔だったのではないか、と)
アレイシスは終始、嬉々として騎士を手に掛けた。
中には命乞いをする者もいたが、聞く耳などない。
そうして、殺して、殺して、また殺して、殺し尽くして。
血の海と屍の山が築かれて行った。
(……残ったのは、俺とカレンの、二人)
体は幾分、力を取り戻していたが、その代わり帝国兵に拘束され自由を奪われている。
アレイシスは返り血を拭いもせず滴らせて、歩み寄って来た。
(カレンは……恐怖よりも、怒りに震えていた。人を虫けらのように扱い殺めるアレイシスに。何も出来ずない自分自身に。激しい怒りを募らせて……)
「待たせたな、王女様と——王子、ではなさそうだな? エターク王家に王子は二人、皇太子ともう一人はまだ幼児って話だからな。……とすると、黒子持ちの紅眼。貴様は〝猛き獅子〟と呼ばれる王弟の血筋か?」
わざわざ身の内を明かす必要などないので、ルーカスは無言を貫いたが、アレイシスはそれを肯定と受け取ったらしい。
口角の端を上げて「なるほど、なるほど」と呟いた。
残虐で、それでいて聡い男だ。
ゼノンやカレンのような王族の気高さは微塵もないが、相応の教養を持ち合わせていると感じた。
「さて、どう料理するか……」
ねっとりとした視線が、舐め回すかの如く纏わりつく。
男の言動一つ一つがルーカスには不快で、吐き気を催した。
同時に、忍び寄る死を予感する。
(……それでも。カレンだけは、カレンだけは守りたかった……!)
だが、どう足掻いたところで打開の手はなく、ルーカスの願いが叶う事はなかった。
(それどころか……、逆に、俺が……俺が、生かされてしまった)
人は極限状態に陥った時、普段では想像もできない力を発揮する事があると言う。
あの時の彼女も、そうだったのだろう。
「——あああぁッ!!」
カレンは腹の底から絞り出した叫びと共に、その身を拘束する兵を振り払ってみせた。
そして疾風となり、素早く敵から距離を取って『雷鳴よ!』と省文で雷を呼び、纏って。
味方の騎士が遺した剣を、地から拾い上げた。
彼女の淀みなき紅眼が映すのは、全身を覆う黒塗りの鎧と得物の剣を鮮やかな赤に染め、生臭い鉄の香りを漂わせた男、アレイシス。
凛と背を伸ばし、剣を向けて、カレンは告げる。
「アレイシス・ドゥエズ・アディシェス! お前は人の道を外れた、ただの人殺しよ! 私は、カレン・ティス・グランルージュ・エタークはこの名において宣言する。お前を——外道悪鬼を征伐すると!」
「……ほう?」
カレンの宣言を聞いたアレイシスは——。
至極楽しそうに、悪辣な笑みを浮かべていた。
しかし、それほど時間が過ぎぬ間に。
「何処へ逃げるつもりだぁ? 紅眼ぅ!」
セイランに足止めされているはずの帝国の皇子と帝国兵が、先回りしてルーカスの行く手に立ち塞がった。
(くそ、もう追いついて来たのか!? セイランは……!?)
ルーカスは得物を構え「姫様をお守りするんだ!」と己を鼓舞する騎士と共に前へ出る。
すると男が〝何か〟をゴミのようにルーカス達の前へ放り投げた。
びしゃり、と赤い液体が舞い、ブーツを濡らす。
視線を落とすとそこには、全身を切り刻まれ曼殊沙華を咲かせた躯体。
輝きを失い、瞳孔の開ききった花紺青の色彩が、天を仰いでいた。
(————っ!!)
様変わりした彼女の姿に、ルーカスは息を飲む。
あまりにも、惨い状態だった。
「……あ、ああ……! セイ……ラン……!」
カレンがルーカスの肩越しに物言わぬ親友の姿を見て、嘆く。
ルーカスの胸にも悲しみが溢れた。
(カレンの悲しみは、俺の比じゃなかったはずだ。濁流のような感情に苛まれていただろうな……)
「くっくくく! いいねぇ、その絶望。これだから人殺しは止められんのよ。もっとも、そいつに投降の意思がありゃ、兵どもの慰み者として生かしてやっても良かったんだがな? そいつは拒んだ大バカ者よ。ま、無駄死にってやつだな。実力が伴わない癖に、志だけはご立派だったぜ? くははは!」
男が下卑た高笑いを上げると、帝国の兵も等しく嘲笑を浮かべた。
聞くに堪え難い、これは侮辱だ。
勇敢に戦った相手に対して、彼らは敬意を払うどころか、笑って貶している。
ルーカスの中で、悲しみが沸々と湧き上がる怒りへ変わって行き。
気付けば地を蹴って距離を詰め、男に刀を振り下ろしていた。
「キィン」と刃の合わさる金属音。
男は難なくルーカスの刀を受け止めて見せた。
「セイランは……死を覚悟していた! それでも、誇りをもって——! それを、それを、おまえは笑うのか!!」
「誇りだぁ~!? この世は力こそ全て! 強さに勝る正義はねえんだ、よッ!!」
ルーカスの腹へ、男の蹴りが入る。
その衝撃にルーカスは飛ばされた。
「——ぅぐっ!」
どうにか受け身を取るが、腹に内臓を潰される感触と鈍痛があり、胃の内容部を吐出してしまいそうになる。
ルーカスはうずくまってしまった。
「ルーカス!」
カレンの声と、駆け寄る足音が聞こえた。
間を置かず「キリキリ」と弦を引き絞る音と、鼓膜を突き刺す風の騒音。
顔を上げると、矢を放った直後と思われるカレンの後姿。
放たれた矢は男へ一直線に向かうが、造作もなく斬り落とされてしまった。
だが——。
「姫様! 公子様! ここはオレ達に任せて下さい!」
「セイラン殿の意思を、無駄にするものか!」
「オレ達が、姫様を守るんだ!」
「うおぉ! 騎士の誇りを笑う帝国に、目にもの見せてやる!」
王国騎士が一斉に動き出し、帝国兵へ立ち向かっていった。
「……はん! 王国の兵は弱い癖に威勢だけはイイときた。このアレイシスも安くみられたものよなぁ?」
アレイシス——と、名乗った男の名を聞いてルーカスの鼓動が跳ね、冷汗が伝った。
それは帝国の第二皇子の名。
「な……ま、まさか……」
王国兵に動揺が走り、動きが鈍る。
理由は、アレイシスが持つ二つ名だ。
男は世間でこう呼ばれていた。
「し、嗜虐の狂王子!?」
——と。アレイシスは人を嬲る事に快感を覚え、血を好む事で有名だった。
対象は老若男女を問わず。
帝国の皇族の中でも際立って悪名高く、悪行は聞くに堪えないものばかりだ。
「くははっ! オレ様が誰か知って、怖くなったかぁ? いいぞ、恐れろ、喚け! それでこそ、嬲り殺し甲斐があるからなぁァッ!!」
皇族の証、黄金眼が大きく見開かれる。
その瞳に射貫かれた途端、フッと体から力が抜けた。
「……うっ、なん、だ……?」
「体が、重い……! ……ルーカスっ!」
カレンも同様の症状に襲われたようで、地面に膝をついている。
そして、それは二人に限った話ではなく。
「何だ、一体何が……!」
「……う、動けない!」
「魔、術……? だが、そんな反応は……」
まるで蛇に睨まれた蛙のようだった。
この場に居る王国騎士全員が同じ症状に見舞われ、動けなくなっていた。
「何をされたかわからないって面だなぁ? が、知る必要もない。どうせ全員ここで死ぬんだからなぁ! 一人ずつ、じっくり、たっぷり、可愛がってやるよ」
血濡れの刃を掲げたアレイシスが悪魔の如き形相で、恐怖に震える騎士へ手を伸ばす——。
そこから行われたのは、戦争を口実にした、ただの虐殺だ。
(——あれこそ、この世の地獄だ。ヤツは人が苦しむ様を笑って、愉しそうに痛めつけて……っ! ……あんな、あれが本当に、同じ人間の為せる事なのか? ……疑ってしまう。ヤツは本当に悪魔だったのではないか、と)
アレイシスは終始、嬉々として騎士を手に掛けた。
中には命乞いをする者もいたが、聞く耳などない。
そうして、殺して、殺して、また殺して、殺し尽くして。
血の海と屍の山が築かれて行った。
(……残ったのは、俺とカレンの、二人)
体は幾分、力を取り戻していたが、その代わり帝国兵に拘束され自由を奪われている。
アレイシスは返り血を拭いもせず滴らせて、歩み寄って来た。
(カレンは……恐怖よりも、怒りに震えていた。人を虫けらのように扱い殺めるアレイシスに。何も出来ずない自分自身に。激しい怒りを募らせて……)
「待たせたな、王女様と——王子、ではなさそうだな? エターク王家に王子は二人、皇太子ともう一人はまだ幼児って話だからな。……とすると、黒子持ちの紅眼。貴様は〝猛き獅子〟と呼ばれる王弟の血筋か?」
わざわざ身の内を明かす必要などないので、ルーカスは無言を貫いたが、アレイシスはそれを肯定と受け取ったらしい。
口角の端を上げて「なるほど、なるほど」と呟いた。
残虐で、それでいて聡い男だ。
ゼノンやカレンのような王族の気高さは微塵もないが、相応の教養を持ち合わせていると感じた。
「さて、どう料理するか……」
ねっとりとした視線が、舐め回すかの如く纏わりつく。
男の言動一つ一つがルーカスには不快で、吐き気を催した。
同時に、忍び寄る死を予感する。
(……それでも。カレンだけは、カレンだけは守りたかった……!)
だが、どう足掻いたところで打開の手はなく、ルーカスの願いが叶う事はなかった。
(それどころか……、逆に、俺が……俺が、生かされてしまった)
人は極限状態に陥った時、普段では想像もできない力を発揮する事があると言う。
あの時の彼女も、そうだったのだろう。
「——あああぁッ!!」
カレンは腹の底から絞り出した叫びと共に、その身を拘束する兵を振り払ってみせた。
そして疾風となり、素早く敵から距離を取って『雷鳴よ!』と省文で雷を呼び、纏って。
味方の騎士が遺した剣を、地から拾い上げた。
彼女の淀みなき紅眼が映すのは、全身を覆う黒塗りの鎧と得物の剣を鮮やかな赤に染め、生臭い鉄の香りを漂わせた男、アレイシス。
凛と背を伸ばし、剣を向けて、カレンは告げる。
「アレイシス・ドゥエズ・アディシェス! お前は人の道を外れた、ただの人殺しよ! 私は、カレン・ティス・グランルージュ・エタークはこの名において宣言する。お前を——外道悪鬼を征伐すると!」
「……ほう?」
カレンの宣言を聞いたアレイシスは——。
至極楽しそうに、悪辣な笑みを浮かべていた。
0
あなたにおすすめの小説
捨てられた前世【大賢者】の少年、魔物を食べて世界最強に、そして日本へ
月城 友麻
ファンタジー
辺境伯の三男坊として転生した大賢者は、無能を装ったがために暗黒の森へと捨てられてしまう。次々と魔物に襲われる大賢者だったが、魔物を食べて生き残る。
こうして大賢者は魔物の力を次々と獲得しながら強くなり、最後には暗黒の森の王者、暗黒龍に挑み、手下に従えることに成功した。しかし、この暗黒龍、人化すると人懐っこい銀髪の少女になる。そして、ポーチから出したのはなんとiPhone。明かされる世界の真実に大賢者もビックリ。
そして、ある日、生まれ故郷がスタンピードに襲われる。大賢者は自分を捨てた父に引導を渡し、街の英雄として凱旋を果たすが、それは物語の始まりに過ぎなかった。
太陽系最果ての地で壮絶な戦闘を超え、愛する人を救うために目指したのはなんと日本。
テンプレを超えた壮大なファンタジーが今、始まる。
少し冷めた村人少年の冒険記 2
mizuno sei
ファンタジー
地球からの転生者である主人公トーマは、「はずれギフト」と言われた「ナビゲーションシステム」を持って新しい人生を歩み始めた。
不幸だった前世の記憶から、少し冷めた目で世の中を見つめ、誰にも邪魔されない力を身に着けて第二の人生を楽しもうと考えている。
旅の中でいろいろな人と出会い、成長していく少年の物語。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
底辺から始まった俺の異世界冒険物語!
ちかっぱ雪比呂
ファンタジー
40歳の真島光流(ましまみつる)は、ある日突然、他数人とともに異世界に召喚された。
しかし、彼自身は勇者召喚に巻き込まれた一般人にすぎず、ステータスも低かったため、利用価値がないと判断され、追放されてしまう。
おまけに、道を歩いているとチンピラに身ぐるみを剥がされる始末。いきなり異世界で路頭に迷う彼だったが、路上生活をしているらしき男、シオンと出会ったことで、少しだけ道が開けた。
漁れる残飯、眠れる舗道、そして裏ギルドで受けられる雑用仕事など――生きていく方法を、教えてくれたのだ。
この世界では『ミーツ』と名乗ることにし、安い賃金ながらも洗濯などの雑用をこなしていくうちに、金が貯まり余裕も生まれてきた。その頃、ミーツは気付く。自分の使っている魔法が、非常識なほどチートなことに――
〈完結〉βの兎獣人はαの王子に食べられる
ごろごろみかん。
恋愛
α、Ω、βの第二性別が存在する獣人の国、フワロー。
「運命の番が現れたから」
その一言で二年付き合ったαの恋人に手酷く振られたβの兎獣人、ティナディア。
傷心から酒を飲み、酔っ払ったティナはその夜、美しいαの狐獣人の青年と一夜の関係を持ってしまう。
夜の記憶は一切ないが、とにかくαの男性はもうこりごり!と彼女は文字どおり脱兎のごとく、彼から逃げ出した。
しかし、彼はそんなティナに向かってにっこり笑って言ったのだ。
「可愛い兎の娘さんが、ヤリ捨てなんて、しないよね?」
*狡猾な狐(α)と大切な記憶を失っている兎(β)の、過去の約束を巡るお話
*オメガバース設定ですが、独自の解釈があります
不倫されて離婚した社畜OLが幼女転生して聖女になりましたが、王国が揉めてて大事にしてもらえないので好きに生きます
天田れおぽん
ファンタジー
ブラック企業に勤める社畜OL沙羅(サラ)は、結婚したものの不倫されて離婚した。スッキリした気分で明るい未来に期待を馳せるも、公園から飛び出てきた子どもを助けたことで、弱っていた心臓が止まってしまい死亡。同情した女神が、黒髪黒目中肉中背バツイチの沙羅を、銀髪碧眼3歳児の聖女として異世界へと転生させてくれた。
ところが王国内で聖女の処遇で揉めていて、転生先は草原だった。
サラは女神がくれた山盛りてんこ盛りのスキルを使い、異世界で知り合ったモフモフたちと暮らし始める――――
※第16話 あつまれ聖獣の森 6 が抜けていましたので2025/07/30に追加しました。
40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私
とうとうキレてしまいました
なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが
飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした……
スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます
誰からも食べられずに捨てられたおからクッキーは異世界転生して肥満令嬢を幸福へ導く!
ariya
ファンタジー
誰にも食べられずゴミ箱に捨てられた「おからクッキー」は、異世界で150kgの絶望令嬢・ロザリンドと出会う。
転生チートを武器に、88kgの減量を導く!
婚約破棄され「豚令嬢」と罵られたロザリンドは、
クッキーの叱咤と分裂で空腹を乗り越え、
薔薇のように美しく咲き変わる。
舞踏会での王太子へのスカッとする一撃、
父との涙の再会、
そして最後の別れ――
「僕を食べてくれて、ありがとう」
捨てられた一枚が紡いだ、奇跡のダイエット革命!
※カクヨム・小説家になろうでも同時掲載中
※表紙イラストはAIに作成していただきました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる