空白を埋めるもの

谷地都

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全てを注いだもの

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 最後の景色は鮮明に覚えている。歓喜に湧くスタンド、勝利を喜ぶ相手チーム、健闘を讃える味方の応援団、涙を流す仲間たち。あぁ空は青く澄み渡っている、いやなぜだろう?白く白く何も見えない。痛い、痛いよ。あぁ少し休もうか・・・







『悔いはありますが、みんなと共に最後の舞台に立てたこと誇りに思います。そして支えてくれたみんなにはとても感謝しています。ありがとう。』
この言葉に嘘はない、本当にしあわせだった。高虎はキャプテンとして最後の言葉を部の仲間、後輩に残しグラウンドを去っていった。



高虎はこのサッカー部のキャプテンだった。先輩に憧れ入学して、学業も私生活も気を抜かず、恋もせず部活に3年間を注ぎこんだ。そして迎えた最後の大会。高虎は腰椎分離症と靭帯の損傷という2つの怪我を負った。コーチと仲間の支えもあってピッチに立つことができた。しかし身体は思うように動かず、痛みを抱えたまま最後を迎えた。
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