空白を埋めるもの

谷地都

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未練 出会い

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 高校生活は数ヶ月残っている。高虎はなにをしていたのかすら覚えてない引退生活1ヶ月を過ごした。唯一覚えてるのはウェイト場でトレーニングを続けたことだった。高虎は同じサッカー部の3年生数人とウェイトをしている。その1ヶ月の中のある日、たまたまウェイトルームで高虎たちを監督が見かけ尋ねる。
『お前ら何で続けてるの』
仲間は答える、
『大学でもサッカーやるからです。』
『消防士を目指しています。』
高虎は答えられなかった。将来何になりたいかなんてわからない。高虎の怪我は完治しないから全力でサッカーすることも不可能だ。高虎は全力で出来ないことは嫌いだ。ではなぜやっているのだろうか。それは自分自身でも理解できていなかった。高虎はそんな中途半端な今の自分も嫌いだった。



1ヶ月ほど時が経ち冬を迎えた。白く包み込む雪、鮮やかに街を彩るイルミネーション、そんなもの高虎の目には映らなかった。高虎はランニングしていた。先ほどの景色には目もくれず、ただひたすらに遠くの男ヶ丘山の頂上を目指すのだった。街から頂上までは距離があり、冬にここを目指す人など到底いないだろう。高虎は頂上で休憩をとる。そして大きな声で叫ぶ。その言葉には意味もない、ただ叫びたかったのだろう。しかし、どういうことか返事が返ってきた。振り返るとそこには1人の女の子が立っていた。ニット帽にマフラーにコート、いかにも冬の女の子の格好だった。しかし1つ変わった点をあげるとしたら彼女はカメラを抱えていた。
『あなたは何を探しにきたのですか?』
それが彼女との出会いだった。
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