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しおりを挟む待ってよ。嘘でしょ?なんで??どうして、体がなくなってるの?
え、いやそんなわけないよ。体がないなんてありえない。何を勘違いしてるんだろ。
「ちょっとちょっと!体がないってあんた、何言ってんのよ!」
あー…聞こえてたか。えっと、どこから話そう………そう思った時だった。
「わたし、死んだんじゃなかったの?」
「え?」
「さっきわたし、屋上から飛び降りて…それで……」
「屋上から飛び降りたって、どういうことですか?」
私の声にその人も驚いた様子だった。
「!誰っ!?」
「あっ、すみません。『立花(たちばな)まどか』です」
「(どこかで聞いたことある名前だな)立花…さん。……あなたも、飛び降りたの?」
まどか「いや、私は飛び降りてないですよ。よく分からないんですけど、目が覚めたら視界が塞がれてて、身動きもとれない状態なんです。」
「そうなんだ…」
まどか「あの…もしかして、あなたも私と同じ状態ですか?」
「同じ状態って…」
まどか「何かで顔を覆われてて、身動きもとれない感じかなって。」
「…あ、あぁ。そうだけど。」
まどか「やっぱりそうなんですね!ってことは他のみなさんもですか!?」
すると、紙のガサガサした音がよく聞こえた。
「だから、さっきからそう言ってるじゃない!?誰か、早く剥がしなさいよこれ!」
「そうダそうダ!ダレっ!こんなことするヤツはぁ!!」
どうやら他の2人も同じ状態なようだ。つまり、ここにいるみんな、顔が塞がれてて身動きもとれない状態ってことか。でも、なんの目的で?どうしてこんなところに?
音を聞く限り、ここはどこかの山か森の中っぽい。人の声(遠くで聞こえるご機嫌な声を除いて)は私たち以外しないし、川の音だろうか。水の流れる音も聞こえる。あとは草木の触れる音、鳥のさえずり。
他に手がかりといえば…この塞いでるものかな。外の光が見えるから、新聞紙とか、薄い紙かも。まだ明るいうちだし、雨とかも降ってないから大丈夫だけど、暗くなってきたりしたらほんとにやばいよ。このまま誰にも見つからなかったりして…
「見つからないって、そんなわけない!このアタシがいなくなったんだヨ!?きっとファンの人たちが探しに来てくれるはずだヨ!」
まどか「ふぁ、ふぁん?」
「アタシ、アイドルやってんの!」
…だからか。どうりでさっきから声が大きいし変な語尾のわけだ。
「アイドル?何て名前よ」
「それがさァ…わかんないんだよね☆」
「はぁ?」
「なんか、自分がアイドルってことは覚えてるんだけどぉ。名前とか歳とか、そういうのは覚えてないの!」
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