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碌楼 蒼汰

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第拾参〜流行りってすげぇ〜

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「そうにぃそう言えば夜長さん来てなかった?」
盛り上がってる俺らを羨んでた村長の顔を思い出す
実は飯を食ったあとに速攻管理してるアパートの住人皆川 恵美みながわ えみさんに捕まり
静かに店を去っていたのだ

「なんかトラブったらしくて恵美さんに連行されてったぞあの人」
悲鳴に近い声が上がる
恵美さんとあやのは仲良く
たまにこいつがサボる理由になるんだが
同年代の中で数えられるくらい少ない常識人だ


「あたしも恵美ちゃんとお話したかった!!
 そうにぃのばか!!」
こうやって調子に乗って騒ぐこともたまにある
こうなると手に負えないのだが
まあ、最近仕事も忙しいらしくうちにも寄れないようだった

「わかったわかったから…
 あんま騒いでると恵美さんの伝言伝えねーぞ?」
そう、恵美さんもあやのとの時間を楽しみにしているらしく
食事の誘いがあったのだ
「ごめんなさい…」素直に謝りつつも尻尾でもついてたらブンブン振り回しそうな勢いだった


「さて、だいぶ休憩しちまったし夕方と夜はキビキビ働くぞ」



とはいったが………




店開き直して30分もしないで
俺らの店は満員になった
いや、何があったんだよ!?
別に今日はサービスデーでもねえのに
そんな思いを抱きながらも
注文が入っては料理を運び下げ膳をしてまたその繰り返し
流石にあやの一人にさせるのも申し訳ないが
注文も一度止めてしまうと厄介な量になりそうで俺らは休憩を取らずに働いた



「や、やっと落ち着いた……」
4時間は続いたであろうピークを乗り越え
水を口にして残っている食器を俺は洗いあやのは拭いていた


「きょ、今日なんかあったっけ?」顔半分ひきつりながらあやのも同じ疑問を抱いていた


「あのーなんかすみません」
カウンターから台所の俺らに話しかけたのは龍造だった
なんでだ?と思ったが続けて話し出す
どうやらSNSでこの店を紹介してたらしく
それを知った龍造のファンが…いや、正確には龍之介のファンがここに来たということらしい


そういえば女客が大半を占めてたのを思い出し納得もいったが
流石に効果がここまで出ると
俺とあやのはいろんな意味で驚いてしまった
特に俺が驚きを隠せない
なんせ芸能人に疎いもんだから実感がここに来るまでわかなかったんだから


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