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12.聖地誕生
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翌日からも探求は続いた。疲労を感じるどころか知れば知るほど、体の中から新たな力が湧き上がってくるのを感じた。
(瘴気とは単なる魔力の澱みではない。特定の意図を持って歪められた『負のエネルギー』……)
(古代の土地浄化の術は、莫大な魔力を持つ術者が土地そのものと一体化し、魔力の流れを正常に戻すことで行われた……)
書物の知識がパズルのピースのようにはまっていく。
畑から戻ってきたロイエルは小屋の外で信じられない光景を目にした。
フィーナが地面に木の枝で巨大で複雑な魔法陣を描いていた。
その大きさは小屋を優に超え、幾何学模様と古代文字が緻密に絡み合っていた。私の周りには穏やかな魔力の光が渦巻き、瘴気の淀んだ空気がその一角だけ澄んでいるように見えた。
「おい、フィーナ! 一体何をやってるんだ!?」
ロイエルの声にゆっくりと顔を上げた。
その瞳にはかつての弱々しさや怯えの色はどこにもなかった。そこに宿るのは深淵を覗き込むような知性と、揺るぎない決意の光。
―――天才魔術師だけが持つ世界の本質を見通す輝き。
「ロイエル……見て。これがこの土地を浄化するための術式よ」
「術式……? 親父の研究書にあったっていうあれか? 馬鹿言え! あんなのはただの空想だ! 実行するには国中の魔術師を集めたって足りないほどの魔力がいるって……」
「ええ、そう書いてあったわ。でも、それは普通の魔術師の場合」
すっくと立ち上がると、自分の胸にそっと手を当てた。
その姿は世界の真理をその手の中に収めているかのようだった。
「私の魔力はね、ロイエル。今までずっと巨大な何かに強制的に吸い上げられて、性質を歪められていたの。でも今、その枷は外れた。この膨大な魔力は本来こうして使うためのものだったのよ」
「使うため……?馬鹿を言うな!親父の仮説通りなら、この術式は術者の生命力そのものを大地に注ぎ込むのと同義だ!お前、死ぬ気か!?」
ロイエルが血相を変えて叫ぶ。彼にとってそれは父の果たせなかった夢であると同時に、決して踏み越えてはならない禁断の領域。
「死なないわ」
静かに首を振った。
「逆よ、ロイエル。私はようやく『生きる』ことができるの。見ていて」
ゆっくりと魔法陣の中心へと歩を進めた。
そして目を閉じ、両手を広げる。
意識が、魔力が、足元の大地と深く深く繋がっていく。
「我が内に満ちる源泉よ。古の大地を巡りし生命の息吹よ。―――今こそ目覚めなさい!」
歌うような古代語の祈り。
その瞬間、体から金色の光が勢い良く溢れ出した。王都にいた頃の荒々しい魔力暴走とは全く違う、温かく、生命力に満ちた慈愛の光。魔法陣の幾何学模様が一つ、また一つと光を帯び、複雑な古代文字が脈打つように明滅を始めた。
「う、おお……なんだ、この光は……」
ロイエルは思わず腕で顔を庇う。風が巻き起こり、私の髪とドレスの裾を激しく揺らす。
突如、大地が大きく鳴動した。魔法陣から放たれた光は天を衝く柱となり、グランフェルド全域を覆っていた淀んだ瘴気の黒い霧に突き刺さる。
「瘴気が……消えていく……?」
ロイエルの目の前で信じられない光景が繰り広げられた。黒い霧は金色の光に触れたそばから浄化され、まるで朝霧が晴れるように霧散していく。長年この土地を蝕んできた呪いがたった一人の女性の力によって洗い流されていく。
奇跡はそれだけでは終わらなかった。
ひび割れ、乾ききっていた地面に無数の亀裂が走る。
それは長年死んでいた大地の魔脈が術式によって再起動し、脈動を始めた証だった。
そして――――――。
「……あ」
ロイエルの足元、枯れ草の間から、小さな緑の芽が顔を出した。
一つだけではない。
一つまた一つとたった今起こした奇跡に呼応するように、大地から一斉に生命が芽吹き始めた。
枯れ木は見る見るうちに瑞々しい葉をつけ、色とりどりの花が咲き乱れる。岩陰からは清らかな泉が湧き出し、命のせせらぎが聞こえ始める。ほんの数分前まで死の世界だった場所が生命力に満ち溢れた緑豊かな楽園へと生まれ変わっていく。
やがて光の柱が収まると、そこには息を呑むほど美しい景色が広がっていた。空気は澄んで、花の香りが風に乗って運ばれてくる。
ふと気づくと、私とロイエルの周りを無数の光の粒子が飛び交っていた。それは、妹のイリスが使役していたものとは比べ物にならないほど清らかで力強い光の精霊たち。彼らは生まれ変わった大地と、その中心に立つ二人を祝福するように楽しげに舞い踊っていた。
ロイエルは目の前の光景が信じられず、呆然と立ち尽くしていた。
彼はゆっくりと私の方へ向き直る。
「親父……見てるか……?親父の夢が……たった今かなったぞ!」
神の御業としか思えない奇跡――――――。
「すごい……! 本当にやり遂げた! フィーナ! グランフェルドは生き返ったんだ!」
フィーナは柔らかな光の中で穏やかに微笑んだ。
「いいえ、私たちでやったのよ。ロイエル。それにあなたのお父様も。お父様の研究と夢がなければこの奇跡は起きなかった」
彼女は生まれ変わった大地にそっと膝をつき、芽吹いたばかりのクローバーの葉を愛おしそうに撫でた。
「出来損ない」と呼ばれた少女がその身に宿した真の力で、見捨てられた大地を「聖地」へと変えた。それはまだ誰にも知られていない、けれど世界で最も壮大な奇跡の始まりだった。
(瘴気とは単なる魔力の澱みではない。特定の意図を持って歪められた『負のエネルギー』……)
(古代の土地浄化の術は、莫大な魔力を持つ術者が土地そのものと一体化し、魔力の流れを正常に戻すことで行われた……)
書物の知識がパズルのピースのようにはまっていく。
畑から戻ってきたロイエルは小屋の外で信じられない光景を目にした。
フィーナが地面に木の枝で巨大で複雑な魔法陣を描いていた。
その大きさは小屋を優に超え、幾何学模様と古代文字が緻密に絡み合っていた。私の周りには穏やかな魔力の光が渦巻き、瘴気の淀んだ空気がその一角だけ澄んでいるように見えた。
「おい、フィーナ! 一体何をやってるんだ!?」
ロイエルの声にゆっくりと顔を上げた。
その瞳にはかつての弱々しさや怯えの色はどこにもなかった。そこに宿るのは深淵を覗き込むような知性と、揺るぎない決意の光。
―――天才魔術師だけが持つ世界の本質を見通す輝き。
「ロイエル……見て。これがこの土地を浄化するための術式よ」
「術式……? 親父の研究書にあったっていうあれか? 馬鹿言え! あんなのはただの空想だ! 実行するには国中の魔術師を集めたって足りないほどの魔力がいるって……」
「ええ、そう書いてあったわ。でも、それは普通の魔術師の場合」
すっくと立ち上がると、自分の胸にそっと手を当てた。
その姿は世界の真理をその手の中に収めているかのようだった。
「私の魔力はね、ロイエル。今までずっと巨大な何かに強制的に吸い上げられて、性質を歪められていたの。でも今、その枷は外れた。この膨大な魔力は本来こうして使うためのものだったのよ」
「使うため……?馬鹿を言うな!親父の仮説通りなら、この術式は術者の生命力そのものを大地に注ぎ込むのと同義だ!お前、死ぬ気か!?」
ロイエルが血相を変えて叫ぶ。彼にとってそれは父の果たせなかった夢であると同時に、決して踏み越えてはならない禁断の領域。
「死なないわ」
静かに首を振った。
「逆よ、ロイエル。私はようやく『生きる』ことができるの。見ていて」
ゆっくりと魔法陣の中心へと歩を進めた。
そして目を閉じ、両手を広げる。
意識が、魔力が、足元の大地と深く深く繋がっていく。
「我が内に満ちる源泉よ。古の大地を巡りし生命の息吹よ。―――今こそ目覚めなさい!」
歌うような古代語の祈り。
その瞬間、体から金色の光が勢い良く溢れ出した。王都にいた頃の荒々しい魔力暴走とは全く違う、温かく、生命力に満ちた慈愛の光。魔法陣の幾何学模様が一つ、また一つと光を帯び、複雑な古代文字が脈打つように明滅を始めた。
「う、おお……なんだ、この光は……」
ロイエルは思わず腕で顔を庇う。風が巻き起こり、私の髪とドレスの裾を激しく揺らす。
突如、大地が大きく鳴動した。魔法陣から放たれた光は天を衝く柱となり、グランフェルド全域を覆っていた淀んだ瘴気の黒い霧に突き刺さる。
「瘴気が……消えていく……?」
ロイエルの目の前で信じられない光景が繰り広げられた。黒い霧は金色の光に触れたそばから浄化され、まるで朝霧が晴れるように霧散していく。長年この土地を蝕んできた呪いがたった一人の女性の力によって洗い流されていく。
奇跡はそれだけでは終わらなかった。
ひび割れ、乾ききっていた地面に無数の亀裂が走る。
それは長年死んでいた大地の魔脈が術式によって再起動し、脈動を始めた証だった。
そして――――――。
「……あ」
ロイエルの足元、枯れ草の間から、小さな緑の芽が顔を出した。
一つだけではない。
一つまた一つとたった今起こした奇跡に呼応するように、大地から一斉に生命が芽吹き始めた。
枯れ木は見る見るうちに瑞々しい葉をつけ、色とりどりの花が咲き乱れる。岩陰からは清らかな泉が湧き出し、命のせせらぎが聞こえ始める。ほんの数分前まで死の世界だった場所が生命力に満ち溢れた緑豊かな楽園へと生まれ変わっていく。
やがて光の柱が収まると、そこには息を呑むほど美しい景色が広がっていた。空気は澄んで、花の香りが風に乗って運ばれてくる。
ふと気づくと、私とロイエルの周りを無数の光の粒子が飛び交っていた。それは、妹のイリスが使役していたものとは比べ物にならないほど清らかで力強い光の精霊たち。彼らは生まれ変わった大地と、その中心に立つ二人を祝福するように楽しげに舞い踊っていた。
ロイエルは目の前の光景が信じられず、呆然と立ち尽くしていた。
彼はゆっくりと私の方へ向き直る。
「親父……見てるか……?親父の夢が……たった今かなったぞ!」
神の御業としか思えない奇跡――――――。
「すごい……! 本当にやり遂げた! フィーナ! グランフェルドは生き返ったんだ!」
フィーナは柔らかな光の中で穏やかに微笑んだ。
「いいえ、私たちでやったのよ。ロイエル。それにあなたのお父様も。お父様の研究と夢がなければこの奇跡は起きなかった」
彼女は生まれ変わった大地にそっと膝をつき、芽吹いたばかりのクローバーの葉を愛おしそうに撫でた。
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