異世界転生ワールド

ユキワラシ

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第6章 ついに隠密機動隊 出兵!?

第101話:静かなる決断

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隠密機動隊の任務が続く中、バブロニア王国は次第にその内外の状況が緊迫してきていることを感じ始めていた。ラドヴァン帝国の軍事増強と王国の外交上の危機、そして次々と明らかになった帝国の王族内の戦争支持勢力の台頭—これらの情報は、王国の高官たちを焦らせ、重要な決断を迫っていた。

しかし、サラと紫苑、そして五大聖人部のメンバーは、表向きには冷静を保っていた。外部には一切不安を感じさせず、三国同盟の平和を守るために尽力している姿勢を崩さなかった。それでも、背後で進行している動きは決して軽視できるものではなかった。

その日、サラと紫苑は再び会議室に集まった。彼女たちの前には、隠密機動隊からの最新の報告が広げられていた。ダリウスの情報は予想以上に重要で、ラドヴァン帝国の指導層に戦争を支持する勢力が増していることが確定的となった。

「ダリウスが報告した通り、ラドヴァン帝国の軍事行動は着実に進行している。」紫苑は、手に持った報告書をじっと見つめながら言った。「彼らの意図は明らかだわ。王国に対する圧力を強め、最終的には戦争を仕掛けるつもりよ。」

サラはしばらく沈黙してから、ゆっくりと口を開いた。「私たちが今すぐに動かないと、王国は大きな危機に直面することになる。だが、隠密機動隊を使って情報をさらに掴むだけでは時間が足りない。これ以上、ラドヴァン帝国が動き出す前に何か手を打たなければならない。」

紫苑はサラの言葉に頷きながら言った。「しかし、戦争を回避するためには、何らかの外交的手段も考慮しなければならない。もし交渉の場が整わなければ、王国を守るために武力行使を考える必要がある。でも、そのためには…」

「そう。」サラは言葉を続けた。「まず、隠密機動隊に対してさらなる情報収集と同時に、別の形での対策を取らなければならない。我々が戦争を回避するためには、他の手段でラドヴァン帝国の意思を変える必要がある。」

その時、サラはふとひとつの案を思い付いた。「紫苑、今まで考えていなかった方法がある。ダリウスに命じて、ラドヴァン帝国内部で反戦的な勢力を探させるのよ。もし、王国と戦争を避けたいと考えている人物がいれば、その人物と接触し、交渉の余地を探る。」

紫苑は一瞬驚いた表情を見せたが、すぐにその案に納得した。「それなら、隠密機動隊の力を最大限に活かせるわ。ラドヴァン帝国の中にも、戦争を望まない者は確実にいるはずだ。私たちの役目は、彼らと手を組むことだ。」

サラは深く頷いた。「ただし、慎重に行動しなければならない。ラドヴァン帝国は敵国であり、彼らの中に潜む反戦的な勢力を見つけるのは容易ではない。しかし、それが成功すれば、戦争の回避に大きな手助けとなる。」

影の交渉

その後、ダリウスには新たな指令が下された。彼は隠密機動隊の隊員たちを再編成し、ラドヴァン帝国内部での反戦勢力の調査に乗り出すこととなった。彼らの任務は、帝国内部の政治的な対立や不満を収集し、もし反戦的な人物が見つかれば、その人物と接触し、交渉を行うことだった。

ダリウスは隊員たちに言い聞かせた。「私たちの任務は、敵国の内部で秘密裏に行動することだ。絶対に目立ってはならない。私たちが行動することで、ラドヴァン帝国の戦争支持勢力に気づかれれば、すべてが終わる。」

隊員たちはその命令を真剣に受け止め、即座に行動を開始した。彼らはラドヴァン帝国の都市や貴族の邸宅、そして王族の周辺を徹底的に調査し、反戦的な意見を持つ人物を特定していった。情報が集まる中で、ある高位の貴族の一族が、戦争には反対していることが明らかになった。

その貴族、一族の名は「ヘルスン家」。彼らはラドヴァン帝国の上層部に深い影響力を持つ一族で、戦争による国家の損失を懸念していた。しかし、彼らは公には反戦の立場を取れず、秘密裏に動くしかなかった。

隠密機動隊の隊員たちは、慎重に接触を試み、ついにヘルスン家の当主と面会することに成功した。彼らは自らが隠密機動隊であることを明かさず、王国の立場を伝え、戦争を避けるために協力をお願いした。

ヘルスン家の当主はしばらく沈黙した後、ゆっくりと答えた。「私は確かに戦争を望まない。しかし、私が公に反対すれば、ラドヴァン帝国の力を持つ者たちに命を狙われるだろう。あなたたちの協力があれば、私たちも動く。」

その言葉に、隠密機動隊の隊員たちは慎重に計画を練り直し、王国との交渉の場を作る準備を始めた。戦争の回避に向けた新たな一歩が、静かに、しかし着実に進められていった。

そして、サラと紫苑はその進展を見守りながら、次に取るべき戦略を練り続けるのだった。
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