タイトル：転生ワールドでギルド結成！ ～最強仲間と歩む異世界冒険譚～

第二章：新たな世界の扉

第五話：黒い石の秘密

アシュリアの力が魔物に与えた一瞬の隙間。俺たちはその瞬間を逃さず、全力で攻撃を仕掛ける。だが、魔物の力はまだ衰えを見せず、その黒い石から放たれる魔力はますます強大になっていった。

「リーダー、あの石を破壊する方法をどうにかしないと…！」
ルゥが焦りながら言う。その言葉に、俺は強く頷いた。もう限界が近い。魔物はその恐るべき力を放ちながら、まだ立ち上がろうとしている。

「アシュリア！」
俺は振り返り、彼女を見つめる。アシュリアは冷静にその様子を見守り、再び一歩前に出る。

「あなたたちの力だけでは、その石には届かない。」
アシュリアはそう言って、静かに両手を広げた。
「しかし、私にはその力を封じる方法がある。」

その言葉に驚く暇もなく、アシュリアは再び手をかざし、呪文のようなものを口にした。瞬間、空間が震え、暗黒の力が徐々に収束し始めた。魔物の体に絡みついていた黒い波動が、アシュリアの魔法によって制御されていく。

「私がその石に封印をかけます。だが、それには少し時間が必要。」
アシュリアは言ったが、その表情には明らかな疲れが見えた。
「その間、あなたたちが私を守って。」

「任せてくれ！」
俺は黒剣を握りしめ、再び魔物に向かって突進する。
リリアとルゥもその意思を感じ取って、すぐに魔物に対して戦いを挑む。

魔物の触手が激しく振り回される。触手が空間を切り裂くように迫るが、俺はそれを避けつつ、何度も黒剣で攻撃を繰り返す。リリアはその隙を突いて、光の剣舞を繰り出し、ルゥは炎の竜を使って魔物の足元を焼き尽くす。

だが、魔物の反撃は予想以上に強烈だ。黒い触手が次々と俺たちを叩きつけ、地面に沈める。体が痛むが、それでも倒れるわけにはいかない。

「アシュリア！」
俺は叫ぶ。
「あと、どれくらいだ！？」

アシュリアは冷静に目を閉じ、集中している。その顔には決して動揺がないが、彼女の力が限界に近づいていることは分かった。

「もう少し、もう少しだけ……！」

その言葉を信じて、俺たちは戦い続ける。リリアは光の剣で魔物の触手を切り裂き、ルゥはさらに炎の竜を召喚して魔物の体を焼き尽くし、俺は黒剣を振り回して、できる限りの攻撃を加えた。

そして、ついに──

「これで終わりだ！！」

アシュリアが呟くと同時に、空間の中で何かが弾けるような音が響いた。魔物が一瞬、動きを止め、体を震わせながら後退する。その瞬間、黒い石が裂け始め、その内部から漆黒の魔力が一気に放出される。

「来るぞ！」

俺は全力で飛び込んで、その瞬間を迎える。黒い石が砕け、魔物の体が崩れ始めた。魔力が暴走し、その周囲の空間を引き裂く。

だが、俺はそのすべてを耐えながら、一撃、また一撃と黒剣で魔物を叩き込む。リリアもルゥも、命を懸けてその瞬間を支えた。全員がその力を信じて、最後の一瞬に全てを託した。

そして──

「終わったか……？」

ついに、魔物は完全に崩れ落ち、静けさが訪れる。その場に残ったのは、すでに消え去ったアビス・モンスターの痕跡と、壊れた黒い石だけだった。

「やった……。」
リリアが息をつきながら言う。俺たちはしばらく動けなかった。戦いが終わった瞬間、ようやくその疲れが体に重くのしかかってきた。

「アシュリア……？」

俺はふと、アシュリアの方に目を向ける。彼女は魔法を解除した瞬間、膝をついて疲れ果てたようにその場に崩れ落ちる。
すぐに駆け寄ると、アシュリアは微笑んで俺を見上げた。
「ありがとう。あなたたちがいてくれたから、私は無事に封印をかけられた。」

「だが、まだ終わったわけではない。」
アシュリアは力なく立ち上がり、顔を曇らせる。
「ノワールが残した遺産は、これだけでは終わらない。まだ、この世界には他にも封印されたものがある。」

その言葉に、俺たちは新たな決意を胸に刻んだ。


---

第六話予告：闇の扉の先に