タイトル:転生ワールドでギルド結成! ~最強仲間と歩む異世界冒険譚~

ユキワラシ

文字の大きさ
48 / 62
特別編(おまけ)

第八話:ヴァルティス大陸の深層

しおりを挟む
俺たちがヴァルティス大陸に降り立ったその瞬間、空気が張り詰め、周囲の緊張感が一気に高まった。
大地が震えるような音と共に、目の前の巨大な魔物が姿を現す。
その姿はまるで山そのものが動き出したかのようだった。

魔物は、鋭い牙と爪を持つ巨大な獣。
黒く輝く鱗が体を覆い、地面を引きずるようにして歩くその姿は、圧倒的な威圧感を放っていた。

「あれが……!」
アシュリアが弓を構え、緊張感を漂わせる。
「気をつけろ。魔物の魔力も強い。」

リリアが剣を抜き、身構える。
「来るぞ!」

その時、魔物が地面を激しく踏みしめ、大地を割るような衝撃を与えながら俺たちに向かって突進してきた。
その速度は凄まじく、反応する暇もなく、俺たちは一斉に回避するしかなかった。

「うおおっ!」
俺は素早く後ろに跳び、魔物の爪が掠める寸前でかわした。
しかし、魔物の力はそのまま前方に進んでいき、次の瞬間には大地が崩れ、周囲が瓦礫と化した。

「まずい……!」
ルゥが呪文を唱え、魔物の前方に魔法陣を展開させる。
「《フレイムバースト》!」

炎の塊が魔物に向かって放たれると、魔物の体が一瞬火に包まれた。しかし、その巨大な体には焼け跡が残るのみで、魔物は全く動じることなくさらに攻撃を続けた。

「効いていない!」
アシュリアが叫び、矢を放つ。
光の矢が魔物の顔に命中し、その一瞬だけ魔物が後退した。しかし、その傷すらも瞬く間に癒されていった。

「やっぱり、普通の攻撃じゃ通じないのか。」
リリアが歯を食いしばりながら言う。

「でも、このままじゃ倒せない。」
俺が一歩前に出ると、フィンリスの言葉が思い出された。

「この魔物、ヴァルティス大陸の守護者だ。」
フィンリスの言葉通り、この魔物はただの守護者ではない。
滅びの王の力を超えた存在。
その力の源は、今まで見たことのない魔力を放っていた。

「待って、こいつは!」
アシュリアが突然叫び、矢を放ちながらも、目を鋭く光らせた。

「その魔物、攻撃のパターンが決まっている!」

リリアがその言葉に反応する。
「どういうことだ?」

「こいつは、一定の周期で攻撃パターンを繰り返している。」
アシュリアが弓を構え、冷静に周囲の状況を見渡す。
「今のうちに、弱点を突くチャンスが来る!」

俺たちはその言葉を信じて、すぐに動き出した。
リリアが魔物の注意を引きつけるために前に出ると、魔物はすぐに反応し、彼女に向かって爪を振り下ろした。
だが、リリアは素早くその攻撃をかわし、魔物の後ろに回り込む。

「リリア、今だ!」
俺は叫び、アシュリアに向かって矢を放つ。

その矢は、魔物の隙間を見事に突き刺さり、魔物は一瞬動きを止めた。
その隙に、リリアが全力で魔物の背中に向かって剣を突き刺す。
剣が魔物の鱗を切り裂き、その奥深くに傷をつける。

「今だ!」
俺たちは一斉に攻撃を放つ。
ルゥは呪文を詠唱し、魔物の周囲に爆発的な火球を放ち、アシュリアも矢を連射して魔物の弱点を狙い撃ちする。

その瞬間、魔物は大きなうめき声を上げ、地面に倒れ込んだ。
だが、その倒れる動きがまた一筋縄ではいかない。
魔物はそのまま大地を引き裂き、さらに巨大な力を集めて暴れだした。

「来るぞ!」
リリアが叫び、俺たちは再び立ち向かう準備をする。

「みんな、絶対に倒すぞ!」
俺の言葉に全員がうなずき、それぞれが次の攻撃を準備した。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

少し冷めた村人少年の冒険記

mizuno sei
ファンタジー
 辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。  トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。  優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

【一時完結】スキル調味料は最強⁉︎ 外れスキルと笑われた少年は、スキル調味料で無双します‼︎

アノマロカリス
ファンタジー
調味料…それは、料理の味付けに使う為のスパイスである。 この世界では、10歳の子供達には神殿に行き…神託の儀を受ける義務がある。 ただし、特別な理由があれば、断る事も出来る。 少年テッドが神託の儀を受けると、神から与えられたスキルは【調味料】だった。 更にどんなに料理の練習をしても上達しないという追加の神託も授かったのだ。 そんな話を聞いた周りの子供達からは大爆笑され…一緒に付き添っていた大人達も一緒に笑っていた。 少年テッドには、両親を亡くしていて妹達の面倒を見なければならない。 どんな仕事に着きたくて、頭を下げて頼んでいるのに「調味料には必要ない!」と言って断られる始末。 少年テッドの最後に取った行動は、冒険者になる事だった。 冒険者になってから、薬草採取の仕事をこなしていってったある時、魔物に襲われて咄嗟に調味料を魔物に放った。 すると、意外な効果があり…その後テッドはスキル調味料の可能性に気付く… 果たして、その可能性とは⁉ HOTランキングは、最高は2位でした。 皆様、ありがとうございます.°(ಗдಗ。)°. でも、欲を言えば、1位になりたかった(⌒-⌒; )

40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私 とうとうキレてしまいました なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが 飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした…… スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます

異世界転生~チート魔法でスローライフ

玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。 43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。 その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」 大型連休を利用して、 穴場スポットへやってきた! テントを建て、BBQコンロに テーブル等用意して……。 近くの川まで散歩しに来たら、 何やら動物か?の気配が…… 木の影からこっそり覗くとそこには…… キラキラと光注ぐように発光した 「え!オオカミ!」 3メートルはありそうな巨大なオオカミが!! 急いでテントまで戻ってくると 「え!ここどこだ??」 都会の生活に疲れた主人公が、 異世界へ転生して 冒険者になって 魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。 恋愛は多分ありません。 基本スローライフを目指してます(笑) ※挿絵有りますが、自作です。 無断転載はしてません。 イラストは、あくまで私のイメージです ※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが 少し趣向を変えて、 若干ですが恋愛有りになります。 ※カクヨム、なろうでも公開しています

高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません

下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。 横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。 偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。 すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。 兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。 この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。 しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~

宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。 転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。 良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。 例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。 けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。 同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。 彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!? ※小説家になろう様にも掲載しています。

処理中です...