タイトル:転生ワールドでギルド結成! ~最強仲間と歩む異世界冒険譚~

ユキワラシ

文字の大きさ
49 / 62
特別編(おまけ)

第九話:闇の力との対決

しおりを挟む
魔物の暴走は止まらなかった。
俺たちが攻撃を繰り出すたびに、魔物は驚異的な回復力で立ち上がり、その力を増していく。
まるで、ヴァルティス大陸そのものから力を得ているかのようだ。

「このままじゃ、いつまで経っても倒せない!」
リリアが剣を振るいながら叫ぶ。

「俺たちの攻撃じゃ、傷ひとつつけられないのか?」
ルゥが呆れたように呟く。
魔物は再び地面を揺らし、鋭い爪を振りかざして俺たちに迫ってくる。その威圧感は、まさに圧倒的だ。

だが、その時だ。
アシュリアが鋭い視線を向け、矢を一つ取り出した。

「待て、みんな! もう少しだ!」

俺たちは一瞬足を止め、アシュリアの動きを見守った。
彼女は一歩前に出ると、矢を弓にセットし、深く息を吸い込む。

「これだ!」
アシュリアの手が弓を引き絞り、その矢は光り輝きながら魔物に向かって放たれた。

その矢は、単なる物理的な攻撃ではなかった。
矢の先端から放たれたのは、光の魔力そのもの。
魔物に命中した瞬間、魔物の体が一瞬で凍りついた。
その凍結の中で、魔物は僅かに動きを止める。
その瞬間を見逃さず、リリアがすかさず剣を振り下ろした。

「今だ!」
リリアの一撃が魔物の背中に深く突き刺さり、その大きな体が大きく揺れた。
その反動で、魔物は膝をつき、ついに倒れこみそうになった。

だが、魔物は最後の力を振り絞り、全身から爆発的なエネルギーを放出した。
その衝撃で、俺たちは一時的に吹き飛ばされ、地面に倒れ込んだ。

「うっ……!」
俺はすぐに立ち上がり、周囲を見ると、仲間たちもなんとか立ち上がっていた。
だが、魔物はまだ完全には倒れていない。

「こいつ、まだ生きている!」
ルゥが呪文を詠唱し、急いで魔法を発動させるが、魔物の力を前にして、まるで無力だ。

その時、俺たちの背後から異様な気配を感じ取った。
何かが迫ってきている――。

「何だ!?」
アシュリアが反応するが、すでに遅かった。
大地が再び激しく揺れ、まるでその場所が崩れかけているかのようだ。

突然、地面から巨大な黒い手が伸び、魔物の倒れた体を引き寄せた。
その手の先には、奇怪な姿をした新たな存在が現れた。

それは、まるで人間の姿に黒い羽を持つような存在だった。
その顔はまるで死者のように青白く、目は赤く輝き、悪意に満ちていた。

「あの……奴は…?」
リリアが恐怖を覚え、剣を握りしめる。

「『滅びの王』……!」
アシュリアの口からその名が出た瞬間、周囲の空気が重くなった。
その存在が、まさにヴァルティス大陸に眠っていた力の象徴だった。

「あれが……『滅びの王』の力の源だ。」
フィンリスが背後から現れ、声を震わせながら言った。

その姿を見た瞬間、俺たちは全身に冷たい汗が流れるのを感じた。
その力が、確かにあの魔物を操っていたのだ。

「お前たちが、私の目覚めを妨げようとしているのか。」
『滅びの王』の化身は冷徹に言い放つ。
その声には、圧倒的な威圧感と、無限の恐怖を感じさせる力が込められていた。

「この大地の力を利用し、世界を滅ぼすために蘇った。お前たちは私の足止めに過ぎない。」

その言葉が終わると、化身は両手を広げ、周囲の大地からエネルギーを吸い上げ始めた。
その魔力の集まり方は異常で、まるで空間が歪み、時間そのものが圧縮されるような感覚が俺たちに襲いかかる。

「もう、終わりだ。」
その一言が響くと、化身の周囲に黒い雷のようなエネルギーが発生し、俺たちを飲み込むように向かってきた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

少し冷めた村人少年の冒険記

mizuno sei
ファンタジー
 辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。  トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。  優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

【一時完結】スキル調味料は最強⁉︎ 外れスキルと笑われた少年は、スキル調味料で無双します‼︎

アノマロカリス
ファンタジー
調味料…それは、料理の味付けに使う為のスパイスである。 この世界では、10歳の子供達には神殿に行き…神託の儀を受ける義務がある。 ただし、特別な理由があれば、断る事も出来る。 少年テッドが神託の儀を受けると、神から与えられたスキルは【調味料】だった。 更にどんなに料理の練習をしても上達しないという追加の神託も授かったのだ。 そんな話を聞いた周りの子供達からは大爆笑され…一緒に付き添っていた大人達も一緒に笑っていた。 少年テッドには、両親を亡くしていて妹達の面倒を見なければならない。 どんな仕事に着きたくて、頭を下げて頼んでいるのに「調味料には必要ない!」と言って断られる始末。 少年テッドの最後に取った行動は、冒険者になる事だった。 冒険者になってから、薬草採取の仕事をこなしていってったある時、魔物に襲われて咄嗟に調味料を魔物に放った。 すると、意外な効果があり…その後テッドはスキル調味料の可能性に気付く… 果たして、その可能性とは⁉ HOTランキングは、最高は2位でした。 皆様、ありがとうございます.°(ಗдಗ。)°. でも、欲を言えば、1位になりたかった(⌒-⌒; )

40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私 とうとうキレてしまいました なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが 飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした…… スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます

異世界転生~チート魔法でスローライフ

玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。 43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。 その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」 大型連休を利用して、 穴場スポットへやってきた! テントを建て、BBQコンロに テーブル等用意して……。 近くの川まで散歩しに来たら、 何やら動物か?の気配が…… 木の影からこっそり覗くとそこには…… キラキラと光注ぐように発光した 「え!オオカミ!」 3メートルはありそうな巨大なオオカミが!! 急いでテントまで戻ってくると 「え!ここどこだ??」 都会の生活に疲れた主人公が、 異世界へ転生して 冒険者になって 魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。 恋愛は多分ありません。 基本スローライフを目指してます(笑) ※挿絵有りますが、自作です。 無断転載はしてません。 イラストは、あくまで私のイメージです ※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが 少し趣向を変えて、 若干ですが恋愛有りになります。 ※カクヨム、なろうでも公開しています

高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません

下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。 横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。 偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。 すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。 兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。 この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。 しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~

宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。 転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。 良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。 例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。 けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。 同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。 彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!? ※小説家になろう様にも掲載しています。

処理中です...