Eterno

花咲由菜

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始まりのGameOver

決意

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倒れた勾虎をゆうのは
見る事しか出来なかった
自分が勾虎に突き刺した毒針は
解毒薬はあるが持ち合わせていないし
取りに行く時間はない
あと数分後には勾虎の体は弾け
彼はただの肉片と化すだろう
「勾虎…なんで」
そんな言葉しか出なかった
勾虎は弱々しく笑い
「俺の台詞奪うなよ…
なぁ…ゆうの…お前は悪くない」
「!?」
ゆうのは勾虎に駆け寄り抱きしめた
「なんだよ…敵にこんな事してんなよ」
「ごめんね…ごめんなさい」
頬を生温かいものが伝う
暫く流していなかったそれは自分には
流す資格など無いものなのに
「ゆうの…俺は幸せだよ…」
「…え…?」
「だって…お前の…好きな奴の
腕の中で死ねるんだから…いいのかね~…
いろんな奴から幸せ奪った奴が…
こんな死に方しても…」
「勾虎?…」
驚きで目を見開くゆうのに
追い打ちをかけるかの様に
「もしかして知らなかった?
俺がお前を好きな事……
いや愛してる事」
そう言って勾虎は
笑った
そして弾けた
「勾…虎……
うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
血で濡れる両手を眺めるのは初めてじゃない
けれど大切な奴の血で濡れた両手を
眺めるのは…初めてだった
「こんな…こんなの…」
その時ゆうのは願った
(あの楽しかった日に戻りたい)
「……そうだ、戻ろう」


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