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13.入力
「これでいいかな」
「プランは、恋人デートで良いですよね?」
「うん」
入力に集中していると、シマがいつの間にか背後から、智明の手元を覗き込んでいた。
どうやら、送信前に入力内容を確認してくれるらしい。
確かに不慣れな智明の記憶より、プロであるシマが項目を指定してくれる方が早いし正確だ。
「オプションはどうしますか?」
「オプション?」
プランの選択は以前も確かにした記憶はあるが、オプションを入力した記憶はなくて、「そんなのあったかな」と疑問に思う。
だが、ぽすんと肩にシマの顎が乗せられたと同時に、背中からぎゅっと抱きしめられて疑問の言葉は吹っ飛んだ。
「もう抱きしめちゃいましたし、触れ合いは有り、ですよね」
「だな」
「いちゃいちゃは?」
「……有り」
言われるがままに打ち込んでいると、ふとシマの指が智明の頬を撫でる。
ぞくりと粟立つ様な感覚が、一瞬背中を駆け抜けた。
「キスは?」
「キ……っ!?」
それが快感の種だと気付いたのは、シマのいつもより少し低い艶めかしい声が、耳元をくすぐった瞬間だった。
驚きながら慌てて顔を上げると、シマの顔が至近距離にあって、ぶわりと体温が上昇する。
(相手はプロなんだから、本気にしちゃ……だめだ)
「ね、どうですか?」
「なし! なしです!」
「ざーんねん」
シマを振りほどいて距離を取り、両腕で赤くなってしまっているであろう顔を隠すように、大きなバツ印を作る。
線引きを正しくわきまえているという様に、シマはそれ以上踏み込んできたりはせず、「はーい」と良い子アピールをするように返事をして、すぐに引き下がった。
恐らくコレが、シマの「いちゃいちゃオプション」だ。彼氏力が、強すぎる。
(ホント、心臓に悪い)
智明は、シマに翻弄されっぱなしである。
だがそれさえも、少し心地よく感じてしまっているのだから、智明はすっかりシマにハマってしまっているのだろう。
「代わりに今日は、時間指定なしでお願いします」
「良いのか?」
「今日はトモさんと、時間を気にせずに楽しみたいので」
「……俺も、シマとずっと一緒にいたい」
「可愛いなぁ、もう」
長く一緒にいたいという智明の内心を掬い取るように、シマが先んじて提案してくれたのが嬉しくて素直な気持ちを言葉に乗せると、シマは耐えかねたように再び智明との距離を詰め、ちゅっと額に唇を当てた。
一瞬のことで何が起きたかわからず、智明は暫く呆然としていたが、目の前にあるシマの笑顔で我に返る。
「キスは、なしだって言った!」
「口じゃないので、これは「触れ合い」でーす」
「屁理屈!」
「この間のデートでも、これくらいはしたじゃないですか」
「あ、あの時は……見せつけなきゃって思ってたから……」
「今日だってまたあの女が戻ってくる可能性はゼロじゃありませんし、らぶらぶカップル大作戦は続行一択でしょ?」
「それは、そうだけど」
「ほら、そろそろデート始めましょう」
「待って、まだ送信してない……!」
やけに楽しそうなシマに手を引かれ、「レンタル彼氏」の契約はあやふやなまま、二回目のデートは始まってしまった。
「プランは、恋人デートで良いですよね?」
「うん」
入力に集中していると、シマがいつの間にか背後から、智明の手元を覗き込んでいた。
どうやら、送信前に入力内容を確認してくれるらしい。
確かに不慣れな智明の記憶より、プロであるシマが項目を指定してくれる方が早いし正確だ。
「オプションはどうしますか?」
「オプション?」
プランの選択は以前も確かにした記憶はあるが、オプションを入力した記憶はなくて、「そんなのあったかな」と疑問に思う。
だが、ぽすんと肩にシマの顎が乗せられたと同時に、背中からぎゅっと抱きしめられて疑問の言葉は吹っ飛んだ。
「もう抱きしめちゃいましたし、触れ合いは有り、ですよね」
「だな」
「いちゃいちゃは?」
「……有り」
言われるがままに打ち込んでいると、ふとシマの指が智明の頬を撫でる。
ぞくりと粟立つ様な感覚が、一瞬背中を駆け抜けた。
「キスは?」
「キ……っ!?」
それが快感の種だと気付いたのは、シマのいつもより少し低い艶めかしい声が、耳元をくすぐった瞬間だった。
驚きながら慌てて顔を上げると、シマの顔が至近距離にあって、ぶわりと体温が上昇する。
(相手はプロなんだから、本気にしちゃ……だめだ)
「ね、どうですか?」
「なし! なしです!」
「ざーんねん」
シマを振りほどいて距離を取り、両腕で赤くなってしまっているであろう顔を隠すように、大きなバツ印を作る。
線引きを正しくわきまえているという様に、シマはそれ以上踏み込んできたりはせず、「はーい」と良い子アピールをするように返事をして、すぐに引き下がった。
恐らくコレが、シマの「いちゃいちゃオプション」だ。彼氏力が、強すぎる。
(ホント、心臓に悪い)
智明は、シマに翻弄されっぱなしである。
だがそれさえも、少し心地よく感じてしまっているのだから、智明はすっかりシマにハマってしまっているのだろう。
「代わりに今日は、時間指定なしでお願いします」
「良いのか?」
「今日はトモさんと、時間を気にせずに楽しみたいので」
「……俺も、シマとずっと一緒にいたい」
「可愛いなぁ、もう」
長く一緒にいたいという智明の内心を掬い取るように、シマが先んじて提案してくれたのが嬉しくて素直な気持ちを言葉に乗せると、シマは耐えかねたように再び智明との距離を詰め、ちゅっと額に唇を当てた。
一瞬のことで何が起きたかわからず、智明は暫く呆然としていたが、目の前にあるシマの笑顔で我に返る。
「キスは、なしだって言った!」
「口じゃないので、これは「触れ合い」でーす」
「屁理屈!」
「この間のデートでも、これくらいはしたじゃないですか」
「あ、あの時は……見せつけなきゃって思ってたから……」
「今日だってまたあの女が戻ってくる可能性はゼロじゃありませんし、らぶらぶカップル大作戦は続行一択でしょ?」
「それは、そうだけど」
「ほら、そろそろデート始めましょう」
「待って、まだ送信してない……!」
やけに楽しそうなシマに手を引かれ、「レンタル彼氏」の契約はあやふやなまま、二回目のデートは始まってしまった。
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