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森のうさぎさんとオオカミさん
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ある森の深いところにある小さなおうちに、ひとりのうさぎさんが住んでいました。ふわりと長い髪からぴょこんと生えたふわふわのうさぎ耳の獣人の青年はノエル。見目は麗しいけれど少し変わり者で、生まれた一族とは離れたところに住んでいます。
「……おや、もうお水がありませんね。困ったな」
ある日、ノエルはお茶を淹れようとしましたが、いつも大きなポットを満たしている水が空っぽでした。
「うーん、ジノさんが戻られるかわかりませんし……自分で行くしかないですね」
そう独り言を呟くノエル。家から少し離れたところにきれいな川があるので、いつもそこから水を汲んできます。ノエルは水桶をふたつ持って家を出ました。
川でたっぷりと水を汲んでいると、向こう岸から見知った人影が見えます。
「ノエル。何をしているの」
「ジノさん。おかえりなさい。見ての通り、お水を汲んでいたのですよ」
「そんなもの、俺に任せてくれたらいいのに」
やってきたのはジノというオオカミの青年でした。
大きな川もなんのその、川面から突き出た岩の上をトントンと跳ねてジノはあっという間に対岸に居たノエルのそばまでやってきます。
そしてすぐにノエルの手から水桶をふたつとも奪うと、ざぶんとたっぷりの水を汲んでノエルの小屋まで運んでくれました。
「助かりました。ジノさんは力持ちですね」
「それだけが取り柄だから!ノエルの役に立てるなら嬉しい。あとほら、今日はこれを持ってきた」
「わあ、鴨肉ですね。それにスパイスもたくさん」
ジノは背負っていた荷物からたくさんの食べ物を出してノエルに渡します。
人里離れたところに住むノエルはこうしてジノが狩ってきた獲物や手に入れた食材を受け取っていました。家を持たず料理などはできないジノはそれをごちそうへと変えてくれるノエルを頼るのです。
「楽しみですね、これで何を作りましょうか」
ノエルはにこにこと笑って上機嫌です。
「……ねえ、ノエル。ごはんもいいんだけど、その前に……」
食糧を提供したジノがありつけるのは、食事だけではありません。ジノの言葉に頷き、食材を保冷庫にしまい終えると、ノエルは手を広げてジノを誘います。
「ええ、わかっていますよ。私も……そろそろ欲しかったんです」
「ノエルッ♡」
ジノは嬉しそうに笑ってノエルの腕の中に飛び込みます。そしてノエルの頬や首筋にすりすり♡と頭やふわふわのオオカミ耳を擦りつけて甘えました。
ジノはそれだけでは足らず、ノエルの白い肌にちゅっ♡ちゅっ♡とキスをしたりべろりと舐めたり、とがった牙でやわく噛みついたり……。ノエルの衣服を乱していきます。
「ジノさん、キス……♡」
「うん♡ん、ん……っ♡」
ノエルからもキスをねだって、二人は深く深く舌を絡めます。
二人は恋人でもなく、一緒に暮らしているというわけではありませんが、互いに足りない技術を補い合って生活したり……こうして性欲を満たし合ったりしていました。
お互い気を許して頼れるのはお互いだけでした。だから、そうして触れ合いセックスをするようになるのは、ごく自然な流れだったのです。
「……おや、もうお水がありませんね。困ったな」
ある日、ノエルはお茶を淹れようとしましたが、いつも大きなポットを満たしている水が空っぽでした。
「うーん、ジノさんが戻られるかわかりませんし……自分で行くしかないですね」
そう独り言を呟くノエル。家から少し離れたところにきれいな川があるので、いつもそこから水を汲んできます。ノエルは水桶をふたつ持って家を出ました。
川でたっぷりと水を汲んでいると、向こう岸から見知った人影が見えます。
「ノエル。何をしているの」
「ジノさん。おかえりなさい。見ての通り、お水を汲んでいたのですよ」
「そんなもの、俺に任せてくれたらいいのに」
やってきたのはジノというオオカミの青年でした。
大きな川もなんのその、川面から突き出た岩の上をトントンと跳ねてジノはあっという間に対岸に居たノエルのそばまでやってきます。
そしてすぐにノエルの手から水桶をふたつとも奪うと、ざぶんとたっぷりの水を汲んでノエルの小屋まで運んでくれました。
「助かりました。ジノさんは力持ちですね」
「それだけが取り柄だから!ノエルの役に立てるなら嬉しい。あとほら、今日はこれを持ってきた」
「わあ、鴨肉ですね。それにスパイスもたくさん」
ジノは背負っていた荷物からたくさんの食べ物を出してノエルに渡します。
人里離れたところに住むノエルはこうしてジノが狩ってきた獲物や手に入れた食材を受け取っていました。家を持たず料理などはできないジノはそれをごちそうへと変えてくれるノエルを頼るのです。
「楽しみですね、これで何を作りましょうか」
ノエルはにこにこと笑って上機嫌です。
「……ねえ、ノエル。ごはんもいいんだけど、その前に……」
食糧を提供したジノがありつけるのは、食事だけではありません。ジノの言葉に頷き、食材を保冷庫にしまい終えると、ノエルは手を広げてジノを誘います。
「ええ、わかっていますよ。私も……そろそろ欲しかったんです」
「ノエルッ♡」
ジノは嬉しそうに笑ってノエルの腕の中に飛び込みます。そしてノエルの頬や首筋にすりすり♡と頭やふわふわのオオカミ耳を擦りつけて甘えました。
ジノはそれだけでは足らず、ノエルの白い肌にちゅっ♡ちゅっ♡とキスをしたりべろりと舐めたり、とがった牙でやわく噛みついたり……。ノエルの衣服を乱していきます。
「ジノさん、キス……♡」
「うん♡ん、ん……っ♡」
ノエルからもキスをねだって、二人は深く深く舌を絡めます。
二人は恋人でもなく、一緒に暮らしているというわけではありませんが、互いに足りない技術を補い合って生活したり……こうして性欲を満たし合ったりしていました。
お互い気を許して頼れるのはお互いだけでした。だから、そうして触れ合いセックスをするようになるのは、ごく自然な流れだったのです。
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