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第1-1章 私は悪役令嬢となりました
妹は新たな聖女候補となりました
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約束された聖女の誕生によって屋敷中は大騒ぎとなりました。フォルトゥナが神官を引き連れて妹の部屋へと急行、私もエレオノーラと共に向かいます。その間エレオノーラは腑に落ちないとこちらへ視線を向けてばかりでしたね。
妹の部屋の前には使用人達で人だかりが出来ていました。エレオノーラはいてもたってもいられなくなり各々をかき分けて中へと入ります。程なくお父様とお母様も早足でいらっしゃいました。使用人達が主達に道を開けたので二人も娘の下へと歩み寄ります。
「あーあ。セラフィナは結局聖女になっちゃったか。阻止出来なかったね」
「致し方ありません。神官達だけならどうにでもなりましたが、聖女に睨まれてはさすがに」
私は一番後ろでわたしと共に観衆を務めております。わたしが言うには乙女げーむ序盤で妹が聖女だと発覚するいべんとに即しているそうです。フォルトゥナが加わっている点が少し異なっているそうですが、それは去年の私が影響を及ぼしたのでしょう。
妹は光栄ですと激しく喜び、両親は娘が神に祝福されたと感涙しています。神官達も自分達の手で次の聖女候補を見つけ出せたとやり切った顔をなさり、エレオノーラも共に人々を救いましょうと微笑んでいます。使用人達も聖女を輩出した家で働いているんだと大はしゃぎ中です。
これで妹は誰からも愛されるひろいんにまた一歩近づいてしまったわけですか。
……ひろいん? 聖女となる乙女が?
「……わたし。つかぬ事をお伺いいたしますが」
「なぁに私? 改まってさ」
「聖女は婚姻はおろか恋愛はご法度ではないのですか?」
聖女とはいえ神に仕える身となるのですから殿方と結ばれるなど考えられません。現にそんな過去を送った私は恋愛に疎いのに。聖女の使命と恋愛げーむは矛盾しているのではないでしょうか? まさか愛を捧げるただ一人の伴侶を得ても聖女を務められるとは思えませんが。
「あー、そっか。私ったら一つ勘違いしてるけど、別に今の聖女は恋愛禁止じゃないのよ」
「……は?」
私の問いかけにわたしは軽く頭を掻きました。考えてもいなかった事実を突き付けられ思わず目を点にしてしまいます。
「いつからそうなのかは知らないけどさ。聖女が想い人と結ばれて幸せな時に子を生すとまた聖女が生まれやすいんだって」
「……なんと。そうだったのですか」
「代わりに本人は聖女としての奇蹟は失っちゃうけれどね。神の祝福の継承だとか何とか作中では説明されてたっけ」
一体どうやって祝福の継承とやらは発見したか非常に興味がありますが、今は捨て置きましょう。肝心なのは恋愛にかまけても許されるようになった点ですね。
聖女は教国連合中最も高い社会的地位です。聖女が望めば如何なる素敵な男性だろうと選びたい放題でしょうね。逆に殿方は成功のために聖女を妻に迎えたいでしょう。聖女の親となれば敬われるようになると思われます。
無論、厳粛に貞淑なままで生涯神より与えられし使命を全うする聖女もいらっしゃいます。逆に聖女の立場を悪用して殿方と遊び呆けた挙句に魔女として断罪された者もいます。どのように選択するかは授かった奇蹟をどう受け止めるかによるのでしょうか。
だからこそ妹を主人公とした乙女げーむとして成立するのですか。
成程、と感心する反面、なんと都合のいい、と呆れ果ててしまいます。
「では聖女としての修業は今も厳格に行われるのですか?」
「それだと男子と恋愛する暇が無いじゃん。ゲームと同じだったら聖都で学院に通う事になるんじゃないかな?」
「学院? 初めて聞きましたが学び舎ですか?」
「祝福の継承を証明した聖女が次の聖女にも第二の選択もあるんだって提唱して設立された学校なんだって」
わたしの説明によりますと学院とやらは教国連合中より学力や財力のある選りすぐりの若者が集うのだそうです。貴族や大商人にとっては子息や息女を通わせる事が一種のステータスとなり、一般市民にとっては成り上がる絶好の機会であり、聖女候補にとっては見識を広げる場となります。
それでひろいんが様々な殿方との恋愛に興じられるのですね。更には聖女候補にかろうじて選ばれたものの資質に乏しい悪役令嬢が皆から愛される妹を忌み嫌うようになる環境の出来上がり、ですか。
「上手い事考えるものですね。これ程までに改変されると称賛すらしたくもなりますよ」
妹の部屋の前には使用人達で人だかりが出来ていました。エレオノーラはいてもたってもいられなくなり各々をかき分けて中へと入ります。程なくお父様とお母様も早足でいらっしゃいました。使用人達が主達に道を開けたので二人も娘の下へと歩み寄ります。
「あーあ。セラフィナは結局聖女になっちゃったか。阻止出来なかったね」
「致し方ありません。神官達だけならどうにでもなりましたが、聖女に睨まれてはさすがに」
私は一番後ろでわたしと共に観衆を務めております。わたしが言うには乙女げーむ序盤で妹が聖女だと発覚するいべんとに即しているそうです。フォルトゥナが加わっている点が少し異なっているそうですが、それは去年の私が影響を及ぼしたのでしょう。
妹は光栄ですと激しく喜び、両親は娘が神に祝福されたと感涙しています。神官達も自分達の手で次の聖女候補を見つけ出せたとやり切った顔をなさり、エレオノーラも共に人々を救いましょうと微笑んでいます。使用人達も聖女を輩出した家で働いているんだと大はしゃぎ中です。
これで妹は誰からも愛されるひろいんにまた一歩近づいてしまったわけですか。
……ひろいん? 聖女となる乙女が?
「……わたし。つかぬ事をお伺いいたしますが」
「なぁに私? 改まってさ」
「聖女は婚姻はおろか恋愛はご法度ではないのですか?」
聖女とはいえ神に仕える身となるのですから殿方と結ばれるなど考えられません。現にそんな過去を送った私は恋愛に疎いのに。聖女の使命と恋愛げーむは矛盾しているのではないでしょうか? まさか愛を捧げるただ一人の伴侶を得ても聖女を務められるとは思えませんが。
「あー、そっか。私ったら一つ勘違いしてるけど、別に今の聖女は恋愛禁止じゃないのよ」
「……は?」
私の問いかけにわたしは軽く頭を掻きました。考えてもいなかった事実を突き付けられ思わず目を点にしてしまいます。
「いつからそうなのかは知らないけどさ。聖女が想い人と結ばれて幸せな時に子を生すとまた聖女が生まれやすいんだって」
「……なんと。そうだったのですか」
「代わりに本人は聖女としての奇蹟は失っちゃうけれどね。神の祝福の継承だとか何とか作中では説明されてたっけ」
一体どうやって祝福の継承とやらは発見したか非常に興味がありますが、今は捨て置きましょう。肝心なのは恋愛にかまけても許されるようになった点ですね。
聖女は教国連合中最も高い社会的地位です。聖女が望めば如何なる素敵な男性だろうと選びたい放題でしょうね。逆に殿方は成功のために聖女を妻に迎えたいでしょう。聖女の親となれば敬われるようになると思われます。
無論、厳粛に貞淑なままで生涯神より与えられし使命を全うする聖女もいらっしゃいます。逆に聖女の立場を悪用して殿方と遊び呆けた挙句に魔女として断罪された者もいます。どのように選択するかは授かった奇蹟をどう受け止めるかによるのでしょうか。
だからこそ妹を主人公とした乙女げーむとして成立するのですか。
成程、と感心する反面、なんと都合のいい、と呆れ果ててしまいます。
「では聖女としての修業は今も厳格に行われるのですか?」
「それだと男子と恋愛する暇が無いじゃん。ゲームと同じだったら聖都で学院に通う事になるんじゃないかな?」
「学院? 初めて聞きましたが学び舎ですか?」
「祝福の継承を証明した聖女が次の聖女にも第二の選択もあるんだって提唱して設立された学校なんだって」
わたしの説明によりますと学院とやらは教国連合中より学力や財力のある選りすぐりの若者が集うのだそうです。貴族や大商人にとっては子息や息女を通わせる事が一種のステータスとなり、一般市民にとっては成り上がる絶好の機会であり、聖女候補にとっては見識を広げる場となります。
それでひろいんが様々な殿方との恋愛に興じられるのですね。更には聖女候補にかろうじて選ばれたものの資質に乏しい悪役令嬢が皆から愛される妹を忌み嫌うようになる環境の出来上がり、ですか。
「上手い事考えるものですね。これ程までに改変されると称賛すらしたくもなりますよ」
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