良識のある異世界生活を

Hochschuler

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学園

配慮こそすれ

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僕は目覚ましで飛び起きた。メイドに起こしてもらっても良いのだが、それだとなんだか落ち着かない。そりゃそうだ。前世では中流階級だったのだから。だから僕はメイドなどには任せず、一人で起きる。そして扉をノックするのだ。すると側付きのメイドが入ってきて、着替えの手伝いをしてくれる。鏡の前には今日もイケメンが映っている。一人のメイドが僕の鞄を持ってくると、僕はそれを持ち、メイドたちを引き連れて食卓に就く。父の国王に挨拶して、いつもの席に着く。
「してアルバートよ。学校の様子はどうだったかな?」
そりぁもう、王国一の学園はあそこまで壮観なものかと圧倒されましたよ。
「はは!それはよかった。私もあそこの建設には注力してな。あそこは、ほら、農民の方々も来るだろう。そやつらの一生の自慢話の種にでもなればと思って作ったのだ」
ああ、確か農民も通わせると言った時周りの少数の貴族からは反対されたとか。でも、俺は親父のそういうところ、好きだぜ。
「はは!そうかそうか!それは心強い!未来の王国を牽引してくれるような逸材に気に入っていただけるとは!」
……まあ、真面目な話、俺は親父のそういうところは好きだが、親父には長生きしてもらいたいし、もっと自分を大事にしろとも言いたいけどな。
「……そうか。アルバートは本当に良い子に育ったな。私としても嬉しい」
親父は一切れのステーキを口に運び、上品に咀嚼すると、こう聞いた。
「ところでケインはどうかな?」
ケイン?ああ、俺の先生のことか。あの人はまず、人間なのか?
「はは!確かにドラゴンかもしれないな!私もそう思う!学園で一緒だった時は暇さえあればいつも俺に挑んできて……おっと、思い出話はやめておこう。まあ、あいつは腕だけは確かだからどんどん頼ってやってくれ」
ああ、そうさせてもらうよ。

中庭を抜け門を出ると、すでにそこにはシャーロットの姿があった。
「おはよう、アル」
ああ、おはよう、シャーロット。
「今日から授業ね」
ああ、楽しみだな。
「そう?私はついに学校が始まってしまったと嘆いているわ」
おいおい、お前のような頭脳明晰な生徒が一体なんで嘆くことができるというんですかい。
「そりぁあだって、自習の方が楽しいもの」
こりゃあまた先生泣かせなこった。だったらなんで学園になんか入ったんですかね。
「そ、それは……」
そこで俺は自分の犯した間違いに気づいた。そうだった、こいつは誰かに恋慕しているのだった。そいつに会うために学園に入ったに違いない。そしてそれは彼女の心の中にだけしまわれている。王族の俺を利用している立場だから彼女にとって俺に言うことは不敬罪を意味するのだろう。なんだ。俺たちの仲はそんなものなのか。そこで変に落胆しつつも、ええい、ここは親友のためだ、と気を奮い立たせるのだった。
まあ、なんだ。理由は人それぞれだよな。
「ああ、あんたまた変なこと考えついたでしょ。そしてそれに基づいて落ち着きを取り戻したでしょ。ほんっと、あんたは頭がいいんだか悪いんだか」
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