良識のある異世界生活を

Hochschuler

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学園

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教科の先生がにんまりと笑って見せた。当然、俺たちには何事かと悪寒が走る。そして、前世の経験もある俺は察してしまった。そう、あの時期が来たのだ。
と言っても俺は、もちろん前世の経験もあるわけだから、高校の範囲などちょちょいのちょい、であるわけだが、赤点を取らないことなど余裕であるわけなのだが、いや、たとえ赤点を取ったとしても再試験でギリギリ合格できるはずなのだが、いや――とここら辺で俺の話は置いておいて、俺の唯一の懸念点がかの暴虐無人な烈しい少女、ではなくてその隣でいつも肩を縮こまらせているクソ雑魚ナメクジ、マイケルなのであって、こいつは地頭はものすごく良いのだが、最近のハイレベルな授業についぞ取り残された数名のうち一人であるのだ。
かく言う俺もかくかくしかじか。
然し、俺は余裕綽々と言った調子で、イエス・キリストのドクトリンを吹聴するが如くシャーロット、並びにマイケル、マイマイ、クソ雑魚ナメクジに話しかけた。
いやぁ、テストが来てしまったようだね。それは困ったものだ。何故かって?そりゃあ、俺みたいなの才能が白日の下に晒されて、羨望、怨嗟の視線を一挙に集めてしまうからだ。然し、ああそう、そこのクソ雑魚ナメクジは自己の劣等に嘆いているわけではないか。実のところは全くそうではないのに。ああ、彼が若しこのハイレベルな内容を理解したのならどうだろう。彼の先見の明は華やかな未来をつぶさに見通し、荒廃した現代の悪弊を快刀乱麻に断ち切ってくれるだろう。そんな彼の一助となれる我々は、身の誉だと思わないかい?シャーロット。
「何を言っているのかわからないけれど、つまり勉強会をしてくれと言うことかしら」
いいや、俺はそんなお願いができるほど傲慢ではないさ。そう言うのは自発的に――
「そしてあんたも教わりたいと。赤点を取りたくないと。確かにあんたも授業をボケーっと聞いているだけだったものね。通りでわからないわけだわ」
……頭脳労働はあまり好きではないからな。
「どう?マイケル、あんたも参加する?」
「ああ、参加してやる。……だがな、アルバート!お前は禁忌を犯した!誰がクソ雑魚ナメクジだ!俺は悪くってもだ!――」
ああこいつ、ついに自分がナメクジだって認めやがった。そりゃあ仕方ない。最近こそシャーロットはナメクジ呼びをやめたが、この間までは何をするにもナメクジと言っていたからな。やれやれ、これだから頭のいいやつってのは社会的単位に云々。
「聞いてるのか!その顔、若しや聞いていないな!だったら!――アルバート、お前に勝負を申し込む!テストの点数で勝った方が勝ちだ!――そして勝った方は!――勝った方は負けた方をクソ雑魚ナメクジと呼べる!いいな!」
マイケルはいつのまにか俺の胸ぐらを掴んでいて、有無を言わせずに首肯させた。
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