25 / 41
学園
25
しおりを挟む
教科の先生がにんまりと笑って見せた。当然、俺たちには何事かと悪寒が走る。そして、前世の経験もある俺は察してしまった。そう、あの時期が来たのだ。定期テストの時期が。
と言っても俺は、もちろん前世の経験もあるわけだから、高校の範囲などちょちょいのちょい、であるわけだが、赤点を取らないことなど余裕であるわけなのだが、いや、たとえ赤点を取ったとしても再試験でギリギリ合格できるはずなのだが、いや――とここら辺で俺の話は置いておいて、俺の唯一の懸念点がかの暴虐無人な烈しい少女、ではなくてその隣でいつも肩を縮こまらせているクソ雑魚ナメクジ、マイケルなのであって、こいつは地頭はものすごく良いのだが、最近のハイレベルな授業についぞ取り残された数名のうち一人であるのだ。
かく言う俺もかくかくしかじか。
然し、俺は余裕綽々と言った調子で、イエス・キリストのドクトリンを吹聴するが如くシャーロット、並びにマイケル、マイマイ、クソ雑魚ナメクジに話しかけた。
いやぁ、テストが来てしまったようだね。それは困ったものだ。何故かって?そりゃあ、俺みたいな大天才の才能が白日の下に晒されて、羨望、怨嗟の視線を一挙に集めてしまうからだ。然し、ああそう、そこのクソ雑魚ナメクジは自己の劣等に嘆いているわけではないか。実のところは全くそうではないのに。ああ、彼が若しこのハイレベルな内容を理解したのならどうだろう。彼の先見の明は華やかな未来をつぶさに見通し、荒廃した現代の悪弊を快刀乱麻に断ち切ってくれるだろう。そんな彼の一助となれる我々は、身の誉だと思わないかい?シャーロット。
「何を言っているのかわからないけれど、つまり勉強会をしてくれと言うことかしら」
いいや、俺はそんなお願いができるほど傲慢ではないさ。そう言うのは自発的に――
「そしてあんたも教わりたいと。赤点を取りたくないと。確かにあんたも授業をボケーっと聞いているだけだったものね。通りでわからないわけだわ」
……頭脳労働はあまり好きではないからな。
「どう?マイケル、あんたも参加する?」
「ああ、参加してやる。……だがな、アルバート!お前は禁忌を犯した!誰がクソ雑魚ナメクジだ!俺は悪くってもただのナメクジだ!――」
ああこいつ、ついに自分がナメクジだって認めやがった。そりゃあ仕方ない。最近こそシャーロットはナメクジ呼びをやめたが、この間までは何をするにもナメクジと言っていたからな。やれやれ、これだから頭のいいやつってのは社会的単位に云々。
「聞いてるのか!その顔、若しや聞いていないな!だったら!――アルバート、お前に勝負を申し込む!テストの点数で勝った方が勝ちだ!――そして勝った方は!――勝った方は負けた方をクソ雑魚ナメクジと呼べる!いいな!」
マイケルはいつのまにか俺の胸ぐらを掴んでいて、有無を言わせずに首肯させた。
と言っても俺は、もちろん前世の経験もあるわけだから、高校の範囲などちょちょいのちょい、であるわけだが、赤点を取らないことなど余裕であるわけなのだが、いや、たとえ赤点を取ったとしても再試験でギリギリ合格できるはずなのだが、いや――とここら辺で俺の話は置いておいて、俺の唯一の懸念点がかの暴虐無人な烈しい少女、ではなくてその隣でいつも肩を縮こまらせているクソ雑魚ナメクジ、マイケルなのであって、こいつは地頭はものすごく良いのだが、最近のハイレベルな授業についぞ取り残された数名のうち一人であるのだ。
かく言う俺もかくかくしかじか。
然し、俺は余裕綽々と言った調子で、イエス・キリストのドクトリンを吹聴するが如くシャーロット、並びにマイケル、マイマイ、クソ雑魚ナメクジに話しかけた。
いやぁ、テストが来てしまったようだね。それは困ったものだ。何故かって?そりゃあ、俺みたいな大天才の才能が白日の下に晒されて、羨望、怨嗟の視線を一挙に集めてしまうからだ。然し、ああそう、そこのクソ雑魚ナメクジは自己の劣等に嘆いているわけではないか。実のところは全くそうではないのに。ああ、彼が若しこのハイレベルな内容を理解したのならどうだろう。彼の先見の明は華やかな未来をつぶさに見通し、荒廃した現代の悪弊を快刀乱麻に断ち切ってくれるだろう。そんな彼の一助となれる我々は、身の誉だと思わないかい?シャーロット。
「何を言っているのかわからないけれど、つまり勉強会をしてくれと言うことかしら」
いいや、俺はそんなお願いができるほど傲慢ではないさ。そう言うのは自発的に――
「そしてあんたも教わりたいと。赤点を取りたくないと。確かにあんたも授業をボケーっと聞いているだけだったものね。通りでわからないわけだわ」
……頭脳労働はあまり好きではないからな。
「どう?マイケル、あんたも参加する?」
「ああ、参加してやる。……だがな、アルバート!お前は禁忌を犯した!誰がクソ雑魚ナメクジだ!俺は悪くってもただのナメクジだ!――」
ああこいつ、ついに自分がナメクジだって認めやがった。そりゃあ仕方ない。最近こそシャーロットはナメクジ呼びをやめたが、この間までは何をするにもナメクジと言っていたからな。やれやれ、これだから頭のいいやつってのは社会的単位に云々。
「聞いてるのか!その顔、若しや聞いていないな!だったら!――アルバート、お前に勝負を申し込む!テストの点数で勝った方が勝ちだ!――そして勝った方は!――勝った方は負けた方をクソ雑魚ナメクジと呼べる!いいな!」
マイケルはいつのまにか俺の胸ぐらを掴んでいて、有無を言わせずに首肯させた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
冷遇王妃はときめかない
あんど もあ
ファンタジー
幼いころから婚約していた彼と結婚して王妃になった私。
だが、陛下は側妃だけを溺愛し、私は白い結婚のまま離宮へ追いやられる…って何てラッキー! 国の事は陛下と側妃様に任せて、私はこのまま離宮で何の責任も無い楽な生活を!…と思っていたのに…。
魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。
カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。
だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、
ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。
国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。
そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
御家騒動なんて真っ平ごめんです〜捨てられた双子の片割れは平凡な人生を歩みたい〜
伽羅
ファンタジー
【幼少期】
双子の弟に殺された…と思ったら、何故か赤ん坊に生まれ変わっていた。
ここはもしかして異世界か?
だが、そこでも双子だったため、後継者争いを懸念する親に孤児院の前に捨てられてしまう。
ようやく里親が見つかり、平和に暮らせると思っていたが…。
【学院期】
学院に通い出すとそこには双子の片割れのエドワード王子も通っていた。
周りに双子だとバレないように学院生活を送っていたが、何故かエドワード王子の影武者をする事になり…。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる