異世界転移して5分で帰らされた帰宅部 帰宅魔法で現世と異世界を行ったり来たり

細波みずき

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17話 内田ユウ3  ハイウルフ

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 もうかなり山を下った。
エルフの森も目の前だ。
岩雪崩がおさまり、地響きのような音も岩や小石が流れていく音も聞こえない。
ウルフも付いてきている様子はない。
クモを捜索する手がかりもない。
もっと上の方で埋まっているかもしれないし、下りきったところにいるかもしれない。
自力で抜け出していることだって考えられる。
クモを探す最中見つけてしまう。
ここはエルフの森とクストゥ大山脈の丁度真ん中あたり。
山の上からは見えないような窪みにそれはあった。

ダンジョン。
唐突に世界のどこかに入り口、出口が現れる。

近年のモンスター大量発生、先の知能の高そうなハイウルフ。
元凶はこれか。




重要な報告事項ができた。エルフの森調査は後回しだ。
クモは・・・俺だけじゃ探しきれない。
見つけたとしても発掘できない。治療魔法の心得もない。
ケガをしたクモを連れてクラールに戻る?
8匹のハイウルフの山の中を?
ダメだ。捜索隊を出してもらおう。
山を迂回するような形でまずはクラールウッドに戻る。
山を登り戻るのは危険だ。



移動を開始する。
早翔け1のトップスピード。
山の岩場に足をとられなければ国でも俺に勝てる人間はいない。
みるみるエルフの森が小さくなっていく。

前方に丘の上に人影。
遠いが立っているのが分かる。
ずっしりした体形。
クモが自力で出てきたんだ。
さらにスピードをあげる。


近づくと分かった。


醜悪な見た目。顎まで裂けた口。
よだれをたらしながら小さくうなる。
ワーウルフだ。
こいつがハイウルフのボスか。

こちらに気づき振り向くワーウルフの首を一瞬で刈り取る。

風魔法かまいたち

本来飛ばして使う魔法を右腕に纏い、高速で敵に近づき首を落とす。
そうすることでより高い威力での攻撃が可能になる。


しかしこの時ばかりは後悔した。

突っ込んでいった丘の頂上の先には更に複数体のワーウルフがいたのだ。

人間の腕から血をすする。
身体の一部を焼き食べる。
太ももをゆでたスープのようなもの。

クモが食われていた。


その身体はバラバラになっていた。


7体のワーウルフと1体のハイウルフ。

ハイウルフは進化の途中。
この群れの使いっ走り。
だから陽動に使われた。

こんな構図が瞬時にうかんだ。


攻撃後の着地、
着地後にさらに加速しこの群れを抜ける。
戦闘力未知数の相手、それも複数を同時に相手にしている暇はない。

戦闘を避けるのを決めた空中でワーウルフの一匹と目が合う。


こいつは。こいつだけは着地を狙って攻撃をしてくる。

そんな予感がした。




俺はトップスピードのまま体勢を崩し地面を体で滑っていた。
ワーウルフの群れを通り過ぎる。
身体を回転させ群れを見る。
すでに全員が戦闘体勢。

着地した足の感覚がない。
俺の右足太ももには得体のしれない棒のような物が刺さっている。

逃げられない。

覚悟を決め俺は小刀を抜いた。

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