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プロローグ
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――ロマン王国 神門神殿――
「ええぃ、まだ見つからないのか?」
教皇は声を荒立てた。巫女姫が失踪してから既に二時間が経っていた。
衛兵は震える声で報告を続ける。
「宮殿内をくまなく探しましたが、巫女姫様の姿はありません。」
「これだけ探していないのですから神殿の外へ出られたのでは?」
見かねた側近が震える衛兵に助け舟を出した。
「何を言っているあそこには結界が張られているのだぞ。
小娘如きが出られるわけがなかろう。」
その言葉に衛兵は一際声を小さくして答えた。
「それが結界が何者かによって破られておりまして……」
「馬鹿を言うなっ、魔王を封印している結界だぞ。
希代の勇者でもない限り、そんな事はあり得ない。」
そう言いながらも側近達の反応が、それが事実だと物語っていた。
巫女姫を逃がす為に手引きした人間がいる。
(しかし魔王封印の結界が破られたとなると……
まさかあの秘密が漏洩したのでは?)
一瞬教皇は夜空へ思いをはせたが直ぐに現実に思考を戻した。
(とくかく今は事態を収拾しなければ……)
教皇は奥に控えていた側近を呼び寄せると囁いた。
「直ぐに代わりの巫女姫を用意しろ。
能力が無くても構わん。
何でも言う事を聞く娘を見繕えっ、早急にだ。」
「偽の巫女と入れ替えるのですか?
それでは魔王を押さえる事が出来ません。
それに万一、本物の巫女姫様がお戻りになられましたら」
教皇は手をかざしその言葉を遮った。
「戻る?
余にたてついた人間に戻る場所などないわっ」
「それではどうするおつもりで?」
「殺せっ、直ぐに追手を差し向けて秘密裏に暗殺するのだ。
そうだっ、アイツを使え『黒の暗殺者』なら確実だ。」
そう言うと教皇は顎に手を当てニヤリと笑った。
「ええぃ、まだ見つからないのか?」
教皇は声を荒立てた。巫女姫が失踪してから既に二時間が経っていた。
衛兵は震える声で報告を続ける。
「宮殿内をくまなく探しましたが、巫女姫様の姿はありません。」
「これだけ探していないのですから神殿の外へ出られたのでは?」
見かねた側近が震える衛兵に助け舟を出した。
「何を言っているあそこには結界が張られているのだぞ。
小娘如きが出られるわけがなかろう。」
その言葉に衛兵は一際声を小さくして答えた。
「それが結界が何者かによって破られておりまして……」
「馬鹿を言うなっ、魔王を封印している結界だぞ。
希代の勇者でもない限り、そんな事はあり得ない。」
そう言いながらも側近達の反応が、それが事実だと物語っていた。
巫女姫を逃がす為に手引きした人間がいる。
(しかし魔王封印の結界が破られたとなると……
まさかあの秘密が漏洩したのでは?)
一瞬教皇は夜空へ思いをはせたが直ぐに現実に思考を戻した。
(とくかく今は事態を収拾しなければ……)
教皇は奥に控えていた側近を呼び寄せると囁いた。
「直ぐに代わりの巫女姫を用意しろ。
能力が無くても構わん。
何でも言う事を聞く娘を見繕えっ、早急にだ。」
「偽の巫女と入れ替えるのですか?
それでは魔王を押さえる事が出来ません。
それに万一、本物の巫女姫様がお戻りになられましたら」
教皇は手をかざしその言葉を遮った。
「戻る?
余にたてついた人間に戻る場所などないわっ」
「それではどうするおつもりで?」
「殺せっ、直ぐに追手を差し向けて秘密裏に暗殺するのだ。
そうだっ、アイツを使え『黒の暗殺者』なら確実だ。」
そう言うと教皇は顎に手を当てニヤリと笑った。
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