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3話 この世界の起源と抱える問題
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洞口家のライフラインが絶たれようとしている! この事実に行き着いた家族はさすがに焦燥の色を隠せない。
\(・ω・\)SAN値!(/・ω・)/ピンチ!
俺は一家の大黒柱として家族を救うべく思索を巡らせた。沈黙に堪えかねたのか正和がぽつりと言葉を漏らす。
「僕たち......ここで死んじゃうのかな......」
俺はその言葉に何も答えず、おもむろに立ち上がりリビングから廊下にでるドアではなく、台所に続く引き戸をあけて外に出た。そして、引き戸を閉めその場で振り返り威勢よく引き戸を開けて中にはいる。
「話はきかせてもらった。洞口家は滅亡する!!」
と、言いながら。
「「「「な、なんだってええぇぇぇ!?」」」」
うむ、家族はのってくれた......って、なぜかネタを知らないハズの神まで驚いている。
「め、滅亡を回避できる方法はないのですかな?」
「神である貴方の協力があれば?」
「ふむ、協力を頼みたいのはこちらも一緒ですから問題はありませんぞ? トモヒロ殿以外には夢の中でお伝えしておりましたが」
どうやら神としても意気投合して連れてきた洞口家をないがしろにする気はないようだ。一応向こうの世界で助けられた恩も感じてくれているのかもしれない。俺としてはこちらの世界の事を何も知らないのも問題だ。......いや、ひょっとしたら記憶がないだけで泥酔してる時に聞いていた可能性もないわけではないが、そこは仕切り直しという事で。
「なら、まずはこちらの世界の事を教えてもらいたいですね。何も知らないままこちらが協力できるとは思えませんし」
「うむ、神として恥ずかしい話もせねばなりませんが、説明せぬわけにもいかないでしょうな」
そう言いながら、神は持っていた湯飲みをテーブルに置き、立ち上がって指をパチンと鳴らす。すると突然部屋が真っ暗になった。
「え!? なに!」
「うわ!」
「あらあら、停電かしら?」
「電気は最初からきてないからな、幸依」
そして神にだけスポットライトがあたっているかのように明るくなる。......ってなんでポーズまでとってるんだ。演出効果まで盛り込んで説明する気満々じゃないかとツッコミかけた。
「では少々長くなりますが......」
神はふたたびパチンと指を鳴らす。
「「「「おおおぉぉ!!」」」」
家族から驚きの声があがる。いや、これは俺も素直に驚いた。
「すごいすごい! 神様すごい!」
華音も大興奮である。それもそうだろう、神を含めた全員で囲んでいた丸テーブルに映像が写し出されたのだから。もちろんこれは普通のテーブルであり、そんな機能はついていない。称賛を浴びた神本人はドヤ顔である。
しかしよく見ると、お茶の道具と全員分の湯飲みが映像の一部を遮り邪魔になっていた。まぁ、わざわざそこを追及するのも可哀想なので、俺達は何事もなかったかのように道具一式をテーブルの下に移動させる。
「ごほん。......では」
動く映像にあわせて神の説明が始まった。家族は神を中心にテーブルの半分を囲むように移動してくる。人口密度の飛躍的な高まりを感じる。
「だって神から正常にみえる位置の映像ってことは、他のみんなからみれば微妙にズレた角度になるじゃんか! 正和からみたら逆さまだし!」
しまった、声に出して言っちゃった。全員の視線が何事かと俺に集まる。ご丁寧に映像も一時停止状態だ。神と目線が合う。あ、赤くなった。そこまで考えていなかったのだろう。
「......おほん」
神が咳払いをひとつ。映像が正和の最初に座っていた場所からみて正常の位置に切り替わる。家族は正和を中心に半円形でテーブルを囲んだ。
......話は本当に長かった。途中すごい美人といい関係になりかけた話だの、夕食のおかずを猫にとられて裸足で追いかけた話だの、関係ない話をはじめやがったからな。しかもしっかりそういった場面も映像として流れるという。確かに美人はすごい美人だった。思わず見惚れていたら幸依に思い切りつねられた。
おっと話が逸れた。あの映像の仕組みはわからなかったが、正直、話全体の半分は要らなかったんじゃないだろうかと思う。ともあれ、重要そうな部分を要約するとこんな感じになる。
この世界には多種多様な種族がおり、異種族間でかなり仲が悪いらしい。当然争いも頻発し、滅んだ種族もかなりの数にのぼるとの事。なぜ争いが絶えないのかというと、この世界の成り立ちと神の存在に原因があるという。
意外な事にこの世界を最初に創造したのは目の前の神ではないのだそうだ。最初の神は世界とそれを統べる為の種族=神族を創りだし、神族は魔法を基本とした文明を築き上げ繁栄を極めた。しかし、ある時突然最初の神がこの世界から姿を消した。理由はわからない。崇めるべき神を失った神族は暴走を始め、世界は緩やかに滅亡への道へと傾きはじめた。
そんな世界を救おうとこの世界に別の神が降臨する。この時の神は自分の眷族として亜人種を創造した。亜人種は魔法の他に種族の特徴を活かした技術を用いて勢力を築いた。だが神族はこの神と亜人に反発、大規模な戦いが起きる。そして神は禁忌に手を染めた神族の魔法により討たれるという事態に。神を討たれた亜人は神族を不倶戴天の敵として戦いは泥沼の状態へ突入。世界は復興どころか滅亡への道を加速させる事になってしまう。
この事態を収拾するため新たに遣わされたのが、今目の前にいて俺達家族に講義をしている神という訳だ。で、この神は何をしたかというと、人族を創造したんだそうだ。人族は身体能力や魔力は他の種族に劣るものの、爆発的に増えた『数』で勢力を築き、亜人と手を組み神族との戦いに勝利した。戦いに敗れた神族は魔族と呼ばれるようになり世界の僻地へと追いやられる。本来ならここから世界は修復されはじめるはずだった。
だがこの勝利が人族に傲慢という名の罪をもたらした。人族は増長し、共に戦った亜人を見下すようになり、反発した亜人と遂に戦いを起こす。ちなみに、神が夕食のおかずを猫にとられて裸足で追いかけたのはこのあたりだ。......まぁ、ここはどうでもいい。
そして復讐に燃える魔族の思惑も絡み、混沌から世界各地に魔物が誕生してしまう。これにより世界はますます収拾がつかなくなりもはや滅亡は時間の問題となってしまった。そこで神はやむなく直接手を下す事を決意し、見えない結界で世界を分断、各種族に住み分けを行わせ、徹底した相互不干渉を神託という形で言い渡した。その結果、大規模な争いはなくなったものの、世界は停滞してしまったのだという。現在はそこから千年程の時間が経過しているようだ。
話が終わっても、俺達ただの人間の一家には内容が壮大すぎたのか、皆黙っている。まぁ、確かに何か言えと言われても、大変だったんだねぇ、位しか言えないだろう。
「神様も苦労なさってるんですねぇ。お茶のおかわりはいかがですか?」
......ほらね? 幸依は部屋が明るくなり、その場に座り直した神に労いの言葉をかけながら新しいお茶を注いで勧める。
「おお! いただきますとも! いやいや、大変なのはむしろこれからでしてな。そこで皆さんのお力をお借りしたいというわけなのです。現に......」
【ガシュウイィィィン!】
【ガシュウイィィィン!】
勧められたお茶に笑顔で口をつけた神だが、続く言葉は途中で遮られた。
「あああ!?」
その音? に反応して正和がテーブルを叩いて勢いよく立ち上がる。そう、その時正和に電流が走ったのだ。
「昨日からニースに餌やってなかった!」
そう叫んで裏庭の方へ駆け出していった。
\(・ω・\)SAN値!(/・ω・)/ピンチ!
俺は一家の大黒柱として家族を救うべく思索を巡らせた。沈黙に堪えかねたのか正和がぽつりと言葉を漏らす。
「僕たち......ここで死んじゃうのかな......」
俺はその言葉に何も答えず、おもむろに立ち上がりリビングから廊下にでるドアではなく、台所に続く引き戸をあけて外に出た。そして、引き戸を閉めその場で振り返り威勢よく引き戸を開けて中にはいる。
「話はきかせてもらった。洞口家は滅亡する!!」
と、言いながら。
「「「「な、なんだってええぇぇぇ!?」」」」
うむ、家族はのってくれた......って、なぜかネタを知らないハズの神まで驚いている。
「め、滅亡を回避できる方法はないのですかな?」
「神である貴方の協力があれば?」
「ふむ、協力を頼みたいのはこちらも一緒ですから問題はありませんぞ? トモヒロ殿以外には夢の中でお伝えしておりましたが」
どうやら神としても意気投合して連れてきた洞口家をないがしろにする気はないようだ。一応向こうの世界で助けられた恩も感じてくれているのかもしれない。俺としてはこちらの世界の事を何も知らないのも問題だ。......いや、ひょっとしたら記憶がないだけで泥酔してる時に聞いていた可能性もないわけではないが、そこは仕切り直しという事で。
「なら、まずはこちらの世界の事を教えてもらいたいですね。何も知らないままこちらが協力できるとは思えませんし」
「うむ、神として恥ずかしい話もせねばなりませんが、説明せぬわけにもいかないでしょうな」
そう言いながら、神は持っていた湯飲みをテーブルに置き、立ち上がって指をパチンと鳴らす。すると突然部屋が真っ暗になった。
「え!? なに!」
「うわ!」
「あらあら、停電かしら?」
「電気は最初からきてないからな、幸依」
そして神にだけスポットライトがあたっているかのように明るくなる。......ってなんでポーズまでとってるんだ。演出効果まで盛り込んで説明する気満々じゃないかとツッコミかけた。
「では少々長くなりますが......」
神はふたたびパチンと指を鳴らす。
「「「「おおおぉぉ!!」」」」
家族から驚きの声があがる。いや、これは俺も素直に驚いた。
「すごいすごい! 神様すごい!」
華音も大興奮である。それもそうだろう、神を含めた全員で囲んでいた丸テーブルに映像が写し出されたのだから。もちろんこれは普通のテーブルであり、そんな機能はついていない。称賛を浴びた神本人はドヤ顔である。
しかしよく見ると、お茶の道具と全員分の湯飲みが映像の一部を遮り邪魔になっていた。まぁ、わざわざそこを追及するのも可哀想なので、俺達は何事もなかったかのように道具一式をテーブルの下に移動させる。
「ごほん。......では」
動く映像にあわせて神の説明が始まった。家族は神を中心にテーブルの半分を囲むように移動してくる。人口密度の飛躍的な高まりを感じる。
「だって神から正常にみえる位置の映像ってことは、他のみんなからみれば微妙にズレた角度になるじゃんか! 正和からみたら逆さまだし!」
しまった、声に出して言っちゃった。全員の視線が何事かと俺に集まる。ご丁寧に映像も一時停止状態だ。神と目線が合う。あ、赤くなった。そこまで考えていなかったのだろう。
「......おほん」
神が咳払いをひとつ。映像が正和の最初に座っていた場所からみて正常の位置に切り替わる。家族は正和を中心に半円形でテーブルを囲んだ。
......話は本当に長かった。途中すごい美人といい関係になりかけた話だの、夕食のおかずを猫にとられて裸足で追いかけた話だの、関係ない話をはじめやがったからな。しかもしっかりそういった場面も映像として流れるという。確かに美人はすごい美人だった。思わず見惚れていたら幸依に思い切りつねられた。
おっと話が逸れた。あの映像の仕組みはわからなかったが、正直、話全体の半分は要らなかったんじゃないだろうかと思う。ともあれ、重要そうな部分を要約するとこんな感じになる。
この世界には多種多様な種族がおり、異種族間でかなり仲が悪いらしい。当然争いも頻発し、滅んだ種族もかなりの数にのぼるとの事。なぜ争いが絶えないのかというと、この世界の成り立ちと神の存在に原因があるという。
意外な事にこの世界を最初に創造したのは目の前の神ではないのだそうだ。最初の神は世界とそれを統べる為の種族=神族を創りだし、神族は魔法を基本とした文明を築き上げ繁栄を極めた。しかし、ある時突然最初の神がこの世界から姿を消した。理由はわからない。崇めるべき神を失った神族は暴走を始め、世界は緩やかに滅亡への道へと傾きはじめた。
そんな世界を救おうとこの世界に別の神が降臨する。この時の神は自分の眷族として亜人種を創造した。亜人種は魔法の他に種族の特徴を活かした技術を用いて勢力を築いた。だが神族はこの神と亜人に反発、大規模な戦いが起きる。そして神は禁忌に手を染めた神族の魔法により討たれるという事態に。神を討たれた亜人は神族を不倶戴天の敵として戦いは泥沼の状態へ突入。世界は復興どころか滅亡への道を加速させる事になってしまう。
この事態を収拾するため新たに遣わされたのが、今目の前にいて俺達家族に講義をしている神という訳だ。で、この神は何をしたかというと、人族を創造したんだそうだ。人族は身体能力や魔力は他の種族に劣るものの、爆発的に増えた『数』で勢力を築き、亜人と手を組み神族との戦いに勝利した。戦いに敗れた神族は魔族と呼ばれるようになり世界の僻地へと追いやられる。本来ならここから世界は修復されはじめるはずだった。
だがこの勝利が人族に傲慢という名の罪をもたらした。人族は増長し、共に戦った亜人を見下すようになり、反発した亜人と遂に戦いを起こす。ちなみに、神が夕食のおかずを猫にとられて裸足で追いかけたのはこのあたりだ。......まぁ、ここはどうでもいい。
そして復讐に燃える魔族の思惑も絡み、混沌から世界各地に魔物が誕生してしまう。これにより世界はますます収拾がつかなくなりもはや滅亡は時間の問題となってしまった。そこで神はやむなく直接手を下す事を決意し、見えない結界で世界を分断、各種族に住み分けを行わせ、徹底した相互不干渉を神託という形で言い渡した。その結果、大規模な争いはなくなったものの、世界は停滞してしまったのだという。現在はそこから千年程の時間が経過しているようだ。
話が終わっても、俺達ただの人間の一家には内容が壮大すぎたのか、皆黙っている。まぁ、確かに何か言えと言われても、大変だったんだねぇ、位しか言えないだろう。
「神様も苦労なさってるんですねぇ。お茶のおかわりはいかがですか?」
......ほらね? 幸依は部屋が明るくなり、その場に座り直した神に労いの言葉をかけながら新しいお茶を注いで勧める。
「おお! いただきますとも! いやいや、大変なのはむしろこれからでしてな。そこで皆さんのお力をお借りしたいというわけなのです。現に......」
【ガシュウイィィィン!】
【ガシュウイィィィン!】
勧められたお茶に笑顔で口をつけた神だが、続く言葉は途中で遮られた。
「あああ!?」
その音? に反応して正和がテーブルを叩いて勢いよく立ち上がる。そう、その時正和に電流が走ったのだ。
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