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8話 異邦の地
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そこはどこかの建物の様だった。自分の知る建築様式ではない。周囲に人はいないようだが自分がいると思われる『部屋』は薄暗く、また『狭く』も感じた。
(ここはどこの牢屋なのかしら)
自分の知っている牢屋と違い、石むき出しの壁に囲まれてはおらずすきま風も入ってはこない。床も石に比べると柔らかい気がする。ただ格子がないので外の様子がわからない。天井の中央には何か付いている。
閉じ込められている状況から変わっていないのだろうと判断した私は自分の右手をじっと見た。それは人の手の形をしている。
(……私は鳥になっていたと思ったけれど……)
とりあえず床に座った。イスかベッドがあれば楽なのに。
(処刑を待つ身なのは変わらないしね……)
ふと思う。処刑を待つ? 誰が? 私が? 私は……処刑されたのではなかったかしら。と。
その時周囲から男の怒鳴る声が響いてきた。
(誰もいないのかと思っていたけど牢番? それとも囚人?)
私は方向を定めて壁側へ移動し聞き耳を立てる。この勝手が違う感じを解消する為の情報が欲しかった。
(あ……)
無意識に手をかけた部分に力が入ったと思ったらその仕切り部分全体が横にスーッと移動して開く。私は鍵がかけられていない事に驚いた。
(どういうつもりなの?)
私は警戒したが人が駆けつけてくる気配はない。そして話声が聞き取りやすくなった。壁だと思ったものは軽くて薄い。
「なんでそんなに反対するんだ!」
「うるさい、とにかく父さん達は反対だ」
「鷹行? あなたまだ母さん達に隠してる事はないでしょうね」
あそこから光が漏れている。どうやらこの向こうが取り込み中のようだ。私は様子をうかがおうとして近寄る。
「なんだよ! 小鳩がだめなら誰でいいんだよ? 金髪白ドレスでヒールのまま畳にあがる外人とかでもいいのか!?」
「ああ! そんなお嬢さんがいるならすぐに連れてきてみろ!」
その時私は自分の靴で服の裾を踏みつんのめった。掴める物は何もない。
バリバリ!
私、シャーロット=フォン=マクデューヌはその部屋へ身体半分を突入させてから理解した。この壁は軽くて薄く、さらにこんなに脆いのだと。
(ここはどこの牢屋なのかしら)
自分の知っている牢屋と違い、石むき出しの壁に囲まれてはおらずすきま風も入ってはこない。床も石に比べると柔らかい気がする。ただ格子がないので外の様子がわからない。天井の中央には何か付いている。
閉じ込められている状況から変わっていないのだろうと判断した私は自分の右手をじっと見た。それは人の手の形をしている。
(……私は鳥になっていたと思ったけれど……)
とりあえず床に座った。イスかベッドがあれば楽なのに。
(処刑を待つ身なのは変わらないしね……)
ふと思う。処刑を待つ? 誰が? 私が? 私は……処刑されたのではなかったかしら。と。
その時周囲から男の怒鳴る声が響いてきた。
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(あ……)
無意識に手をかけた部分に力が入ったと思ったらその仕切り部分全体が横にスーッと移動して開く。私は鍵がかけられていない事に驚いた。
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「なんでそんなに反対するんだ!」
「うるさい、とにかく父さん達は反対だ」
「鷹行? あなたまだ母さん達に隠してる事はないでしょうね」
あそこから光が漏れている。どうやらこの向こうが取り込み中のようだ。私は様子をうかがおうとして近寄る。
「なんだよ! 小鳩がだめなら誰でいいんだよ? 金髪白ドレスでヒールのまま畳にあがる外人とかでもいいのか!?」
「ああ! そんなお嬢さんがいるならすぐに連れてきてみろ!」
その時私は自分の靴で服の裾を踏みつんのめった。掴める物は何もない。
バリバリ!
私、シャーロット=フォン=マクデューヌはその部屋へ身体半分を突入させてから理解した。この壁は軽くて薄く、さらにこんなに脆いのだと。
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