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76 日本語の勉強

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『お腹が痛いです。』
『おなか が いたい です。』

「おぉ。だいじょうぶ。」

『あたま が いたい です。』

「そう、あたま おなか あし かわる。」

「単語を覚えるのが大変だ。ルネは凄いな、俺は新しいのを覚えると古いのを忘れそうだ。」

「いっぱい はなす。はなす おぼえる。」

「そうか、会話が覚えるコツか。」

アルは日本語を話す相手が俺しかいないから大変だよなぁ、しかも、覚えても使う予定がないのに覚えるの辛くないかな?忙しいのに毎晩俺と一緒に勉強している。俺は少しでも日本語を話せるのは嬉しいけど・・・ひょっとして俺の為に覚えてくれてるのかな?だとしたら、物凄く申し訳ないけど凄く嬉しい。新しい言葉を覚えるのは嫌いじゃないけど、母国語を話せるのはとても嬉しい。

イギリスやスペインに住んでた時は、外ではそれぞれの言葉を話しても家では家族と日本語で話していた。それは俺達が日本語を忘れない様にする為に、だけどここだと日本語が話せるのが俺しかいないから、独り言しか使わない忘れない様に声に出す様にしていた。

アルが日本語を覚えてくれ様としているだけで嬉しい。流暢に話せなくても構わない、俺以外の日本語が聞けるなら。

俺は自分で思っていたよりホームシックになっていたのかもしれない。
気付かない様にしていた、前を向いてないと現実に押しつぶされてしまうから・・・。

駄目だ!!
これ以上この事は考えない!
今はアルの勉強!俺も勉強!!

さあ!
頑張ります!


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