領地経営で大変なのにいつも戦いに呼ばれて常に赤字

ピコサイクス

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1章

第五話 対帝国軍攻城戦

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    ヨヌカホ城塞
アルヴィンたちは帝国軍に奇襲を仕掛けてからマクルーン市と帝国軍前線部隊の間にあるヨヌカホ城塞に入った。ヨヌカホ砦には1千が配置されていた。
「ここでも時間を稼ぐぞ。住民は早く避難させろ。武器は十分にある。男には武器を持たせろ。」
「アルヴィン様、兵をマルクーン市から呼びましょう。」
「そうだな。ヘルロフ、間に合うか?」
「帝国軍が早く来たとしても大した数は来ません。今の我が軍の城兵の数に対して前線にいた帝国軍では落とすのに時間がかかるでしょう。ここを落とすためにはもっと兵が必要です。」
「わかった。急いでマイルズを呼んで3千の兵を呼んでくれ。」
「了解しました。」


        1週間後
マイルズが3千の兵を率いて城塞に到着し2日後に帝国軍は2万の兵でヨヌカホ城塞を包囲した。



「アルヴィン様、この城でどのくらいの期間帝国軍を足止めするつもりですか。」
「2週間だ。王国軍本隊2万がもうすぐマクルーン市近くに来て、地域を要塞化するそうだ。それまでの時間稼ぎだな。」
「報告します。帝国軍から降伏勧告の使者が来ています。」
「会って少し話をしようか。使者を案内してくれ。」


「エメーギル帝国軍使のマクロンであります。早速ですが降伏勧告を受けてください。武装解除してあなた方貴族が人質になってくれれば城兵の命はとりません。」
使者のマクロンは粛々と話を進め、アルヴィンには急いでいるように感じた。
「まあまあ、急がずに、辺境伯代理のアルヴィン・チャールトンが直々に話をしているのだから」
「時間稼ぎは無駄です。私が3時間以内に戻らなければすぐに攻撃が開始します。先陣はやはり1週間ほど前に徴兵した者たちです。同胞の民を相手に戦いたくはないでしょう?」
使者は煽るように言った。
「この外道が!今すぐに斬る。」
「冷静になってください。」
アルヴィンは煽りに乗ってしまったが隣のヘルロフに諭され冷静さを取り戻した。
「少々時間をください。配下を説き伏せるので。」
アルヴィンたちは部屋を出て部屋の見張りの兵に使者を部屋に閉じ込めておくよう言った。
「アルヴィン様、降伏するのですか。」
「いいや、アテナ王国貴族の名誉にかけて降伏などしない。先制攻撃するぞ。あと2時間ある。1時間で支度して攻撃する。ヘルロフは帝国軍の正規軍、主力がどこにいるのか調べておいてくれ。」
「はっ、了解しました。」

帝国軍本陣
帝国軍前線の指揮を任されているチェスザイア・ベロム中佐はヨヌカホ城塞へ送った使者の帰りを待っていた。
「チェスザイア中佐、全軍攻撃準備は整いました。いつでも命令できます。」
「伝達が来ました。」
「手紙をよこせ。.....」
「どうされました?」
「最初の予定の今ここにいる2万とヘルト准将の1万の計3万に追加で1万の兵が来るらしい。ヘルト准将からは損害を大きくしても良いから最短時間で落とせという命令だ。」
「中佐、ではすぐにでも攻撃命令を」
「使者がまだ帰っていない。大砲を城壁に撃って威嚇しておいてくれ。」
帝国軍砲兵隊は城壁に当てることができる距離まで進んだ。

   ヨヌカホ城塞
アルヴィンたちは戦う準備は整っていた。
「アルヴィン様、帝国軍の主力は西側に固まっています。その上なにやらあちらも大砲を撃つ気ですよ。」
「よし。まずは大砲の撃ち合いからだな。銃剣隊ももうすぐ出番だからな。」
「大砲照準完了!」
「撃て!」


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