五仕旗 Media=II Generation

旋架

文字の大きさ
4 / 33
§1 PARSKR II編

#2 考古の復元 Part1

しおりを挟む
次の国を目指し、類清とアブゼリードは歩き続ける。
木々が生い茂る道に入った。

「は~。
この世界ってこんなに広かったっけ?
もう疲れた。
アブゼリード、しばらく休もうよ」

「君はそれしか言わないのか」

「それしか言わないんじゃなくて、それしか言えないんだよ。
お前よく疲れないな。
あっ、そうか。お前モンスターだから、人間とは疲れ具合が違うのか」

「そんなことはない。
私にだって疲労はある。
それに、モンスターの中にも人間より弱い存在がいることを君は知っているはずだ。
"人間だから、モンスターだから"といちいち理由をつけているから、余計に君は疲れるのではないのか?」

「そうやってお前に怒られることも、俺が疲れる原因の一つだと思うけどな…。
ん? 何だあれ?」

道の途中に建物を見つける。

「食堂だ!
俺、腹減ってたんだよ!」

走りだす類清。

「待て類清!
冷静に考えてみろ!
中に人がいるわけ…」

その言葉は彼の耳に届かない。
届いたところで彼の足が止まることはないだろうが。

迷わず入店する。

「すいませ~ん。
鍋の食べ放題ってありま…」

「定食屋にそんなメニューがあるわけ…」

中には誰もいなかった。
客だけではない、店員も。

「休憩中とかかな?」

中に足を踏み入れる類清。

「おい、罠という可能性も」

「食堂の何が罠なんだよ。
お前はホントに用心深いな」

類清はアブゼリードの忠告を無視して、奥の扉を開ける。

「うわっ!」

「どうした!?」

アブゼリードが慌てて追いかける。

「なんだ。
裏庭じゃないか」

二人の眼前には、綺麗な花や噴水をもつ庭があった。
ここで食事をとることもできるのだろう。

その時、ガチャと背後で扉の鍵が閉まる音が聞こえた。

「!?」

「いらっしゃいませ!」

二人が振り返ると、小さな悪魔がいた。
まだ幼いモンスターなのだろう。

「あっ!
君、俺達食事しに来たんだけど、お店の人どこにいるか分かる?」

「お店の人?
そんなのいないよ!」

「どういうこと?」

「だってこのお店、僕が君達を誘い出すために使ってるだけだもん!」

「ほら、やはり罠ではないか!」

「それじゃあ、お前!」

「そう、僕は敵ってこと!
僕に負けたら、ここで帰ってもらうからね!」

庭はフェンスで囲まれ、逃げられそうになかった。
もっとも二人には、逃げるという選択肢はなかった。

「いくよ~、起動聳スターターカク、オン!
僕はフォーカスって言うんだ、よろしくね!」

Centralセントラル Sortソート:Enイー、流導類清だ!」

「五仕旗…」

Media=II Generationメディア・ジェネレーション!」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

三十年後に届いた白い手紙

RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。 彼は最後まで、何も語らなかった。 その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。 戴冠舞踏会の夜。 公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。 それは復讐でも、告発でもない。 三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、 「渡されなかった約束」のための手紙だった。 沈黙のまま命を捨てた男と、 三十年、ただ待ち続けた女。 そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。 これは、 遅れて届いた手紙が、 人生と運命を静かに書き換えていく物語。

さようなら婚約者

あんど もあ
ファンタジー
アンジュは、五年間虐げられた婚約者から婚約破棄を告げられる。翌日、カバン一つを持って五年住んだ婚約者の家を去るアンジュ。一方、婚約者は…。

父が再婚しました

Ruhuna
ファンタジー
母が亡くなって1ヶ月後に 父が再婚しました

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

処理中です...