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#9 慎重と深読み Part1
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「モンスターが人間に変わるなんて聞いたことがない。
だが、目の前でそれが起こっていた。
そのモンスターをどうするか、しばらく悩んだが、そんな特異なモンスターが他人の手に渡れば、どんな目にあうか、大方予想はできた。
…結局、俺はそのモンスターを自分の弟として育てることを選んだ。
周囲にはモンスターであった事実を隠したまま」
「まさか、そのモンスターというのが…」
「ああ。
それが風瓜だ」
「俺、兄ちゃんに助けてもらったんだ…」
「そして、俺がヒグマを倒した村で…」
**********
<回想>
村人からもらった資料を読み込む繁風。
「!?
(これは…)」
**********
「そこに描かれていた七掌陣の一体の姿は、俺があの日見た風瓜の姿そのものだった」
「その時点で、君は風瓜が七掌陣であることに気づいていたのか」
「そうだ。
お前が俺に悪意があると疑った時も、正直焦ったよ。
風瓜の持つ力を感じ取っているのではないかと思ったからだ」
「では本当に風瓜は何も…」
「ああ。知らない。
風瓜、驚かせたな。
今まで黙っていて悪かった」
「ビックリしたけど、大丈夫。
でも、何で今までヴォーテは俺の悪意を感じ取れなかったの?」
「おそらく普段は、七掌陣としてお前が持つ悪意は抑えられている。
だからヴォーテも分からなかった。
でも今日の勝負。
お前は勝つために必死だった。
それでお前の中に眠る悪意が一時的に高まったんじゃないか?」
「俺、悪いことするつもりなんてないよ…」
「大丈夫。それは俺もヴォーテも分かっていることだ」
「風瓜、繁風。すまない。
私のせいでこんなことに」
ヴォーテが謝罪する。
「…いいよ。
ヴォーテは正義感強いから。
俺が七掌陣だって気づいたから、言わずにはいられなかったんだよね?
ヴォーテがいつもみんなのこと思ってるって、俺は知ってるよ」
「風瓜…」
その時、三人の背後から声がした。
「見つけたぞ」
振り返るとライト片手にオースが立っていた。
「うわっ!」
オースが風瓜をつかむ。
「風瓜!」
オースが龍のようなモンスターを召喚する。
それは風瓜を抱えると、上空へ飛び去った。
「お前!」
「兄ちゃん!」
声は小さくなっていく。
「繁風、君はあのモンスターを追え」
「ヴォーテ…」
「こいつは私が相手をする。
私は君達に迷惑をかけた。
私が余計なことを口にしなければ、こんなことには…」
「…」
「君の風瓜に対する思いは分かった。
だから…」
繁風が頷く。
「頼んだぞ。
来い、【電光蜻蛉】!」
繁風は【電光蜻蛉】を召喚し、敵を追う。
オースが話し出す。
「あんな奴がホントに七掌陣なのか?
全く力を感じないが」
「お前、開闢か?」
「今頃気づいても遅い」
「お前は最初から、私達を調べるために風瓜と勝負したのだな」
「さてと、お前が七掌陣を所持していることは知っている。
渡してもらおうか」
オースが起動をオンにする。
「よくやった。
ここからは私が行く」
オースではない別の声が聞こえる。
「(何だ?)」
「お前では奴を倒すことはできないだろう」
「何だと?」
「所詮、出世のために七掌陣を手に入れようと企んでいる者の実力などたかが知れている」
「貴様…」
オースが気を失う。
「おい!」
彼は再び立ち上がると口を開いたが、その様子は先ほどとは何かが異なる。
「お前の相手は私がしてやる。
私は果地繁風の弟のように無力な七掌陣ではないぞ」
「(ということは、こいつが六体目の…)」
「さて、始めようか」
「五仕旗…」
「Primal Generation!」
だが、目の前でそれが起こっていた。
そのモンスターをどうするか、しばらく悩んだが、そんな特異なモンスターが他人の手に渡れば、どんな目にあうか、大方予想はできた。
…結局、俺はそのモンスターを自分の弟として育てることを選んだ。
周囲にはモンスターであった事実を隠したまま」
「まさか、そのモンスターというのが…」
「ああ。
それが風瓜だ」
「俺、兄ちゃんに助けてもらったんだ…」
「そして、俺がヒグマを倒した村で…」
**********
<回想>
村人からもらった資料を読み込む繁風。
「!?
(これは…)」
**********
「そこに描かれていた七掌陣の一体の姿は、俺があの日見た風瓜の姿そのものだった」
「その時点で、君は風瓜が七掌陣であることに気づいていたのか」
「そうだ。
お前が俺に悪意があると疑った時も、正直焦ったよ。
風瓜の持つ力を感じ取っているのではないかと思ったからだ」
「では本当に風瓜は何も…」
「ああ。知らない。
風瓜、驚かせたな。
今まで黙っていて悪かった」
「ビックリしたけど、大丈夫。
でも、何で今までヴォーテは俺の悪意を感じ取れなかったの?」
「おそらく普段は、七掌陣としてお前が持つ悪意は抑えられている。
だからヴォーテも分からなかった。
でも今日の勝負。
お前は勝つために必死だった。
それでお前の中に眠る悪意が一時的に高まったんじゃないか?」
「俺、悪いことするつもりなんてないよ…」
「大丈夫。それは俺もヴォーテも分かっていることだ」
「風瓜、繁風。すまない。
私のせいでこんなことに」
ヴォーテが謝罪する。
「…いいよ。
ヴォーテは正義感強いから。
俺が七掌陣だって気づいたから、言わずにはいられなかったんだよね?
ヴォーテがいつもみんなのこと思ってるって、俺は知ってるよ」
「風瓜…」
その時、三人の背後から声がした。
「見つけたぞ」
振り返るとライト片手にオースが立っていた。
「うわっ!」
オースが風瓜をつかむ。
「風瓜!」
オースが龍のようなモンスターを召喚する。
それは風瓜を抱えると、上空へ飛び去った。
「お前!」
「兄ちゃん!」
声は小さくなっていく。
「繁風、君はあのモンスターを追え」
「ヴォーテ…」
「こいつは私が相手をする。
私は君達に迷惑をかけた。
私が余計なことを口にしなければ、こんなことには…」
「…」
「君の風瓜に対する思いは分かった。
だから…」
繁風が頷く。
「頼んだぞ。
来い、【電光蜻蛉】!」
繁風は【電光蜻蛉】を召喚し、敵を追う。
オースが話し出す。
「あんな奴がホントに七掌陣なのか?
全く力を感じないが」
「お前、開闢か?」
「今頃気づいても遅い」
「お前は最初から、私達を調べるために風瓜と勝負したのだな」
「さてと、お前が七掌陣を所持していることは知っている。
渡してもらおうか」
オースが起動をオンにする。
「よくやった。
ここからは私が行く」
オースではない別の声が聞こえる。
「(何だ?)」
「お前では奴を倒すことはできないだろう」
「何だと?」
「所詮、出世のために七掌陣を手に入れようと企んでいる者の実力などたかが知れている」
「貴様…」
オースが気を失う。
「おい!」
彼は再び立ち上がると口を開いたが、その様子は先ほどとは何かが異なる。
「お前の相手は私がしてやる。
私は果地繁風の弟のように無力な七掌陣ではないぞ」
「(ということは、こいつが六体目の…)」
「さて、始めようか」
「五仕旗…」
「Primal Generation!」
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