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マイはメイクの達人
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マドカは困った時、助けてくれた唯一の親友。
このままマドカとは友達関係でいたい。
今見えているのは偽物のまどかってこと?
そんなの許せない。いくら顔に自信が無いからって、真実の自分をみせてないなら本心で話すことなんて出来ないじゃない。ふざけてるの?そんなことかんがえていたら。
「なんか外に声漏れてるんだけど、顔が綺麗とかブスとかそんなの友達だったら関係ないでしょ? あー、めんどくさいわっ!」
マイが待ちきれなくなったのか勝手に調合室に入ってきた。
「えっ? 私本当は豚みたいな顔なの……」
「鼻が団子っ鼻ってこと? そんなのたまに通りを歩いていたらよく見かけるわよ」
「違うの! 子供の頃に顔から地面に転んで、その時に鼻を打ったの。だから鼻が凹んでて、それで悔しくて毎日勉強して何とかこの学校に入ったんです。私の夢っていうか治したいのは自分の顔なの、もしかしたら特効薬みたいなものでこの鼻を治せたらもっと自信が持てるんじゃないかって」
マドカは目に涙を浮かべながら私の顔を覗き込んでくる。でも私はすっと目を逸らしてしまった。
今まで自分の顔が不細工とか思ったこと無かったから、気持ちが分からなかった。そんな美人とか可愛いとか思ったこと無かったけど、普通ぐらいで鏡を見るのも好きだった。普通ってそもそも何だろう。だから多分マドカの気持ちが分からないのかもしれない。
魅了の粉を使ってない時のマドカの顔が少し気になるけど、でも見たくはなかった。
「顔なんて薄皮1枚でしょ。このカメレオンの皮みたいにぺろーんて剥がしたらみんなこんな風になってるんじゃないの? 私もよく分かんないけど、人間なんて他の動物から見たらどの顔も同じに見えるんじゃない?」
「そうかも。私がスライムとか見るとどれも区別つかないし、そんなんじゃないでしょ」
私は少しイライラしてしまう。そういう問題じゃないことも分かってる。学校で習ったのは回復薬(小)だけだし、先生ですら魅了の粉で誤魔化した。
ピンクの髪のお姉さんに頼んで治してもらうことは出来ないんだろうか? ペットのカティを治してもらったようにまどかも……。
でも、今までのことを考えると、学校で調合の素材が無くなった時私が疑われ、その時犯人がツグミじゃないって言ってくれたのはマドカだけだった。
どんな顔をしているのか分からないけど、中身が大事なんじゃないかと思うようにした。
恥ずかしがりながらマイが、
「あのさ、アタシも実はスタイルは自信あるんだけど、顔が残念なんだ」
と、言い始めた。
ユウキを始めとして、みんな目が点になる。
「その話って本当なのか?」
「メイクしてるから、こんなんだけど、実際はもっと酷いのよ。こんなこと言いたくは無いけど、化け物っぽいんだよね!」
明るく吹っ切れた物言いに私は笑ってしまう。
「私もそうなんだよ。メイクしてるからこんなんだけど。実際は見れたもんじゃなくて」
そうだよ。マイは気遣ってあげてるんだ。意外といい人なんだ。
マイは何やら水道で顔を洗い始める。
何してるんだろう。
そして振り向いた時、誰って感じの女性が目の前に立っていた。
顔は覇気がなく病人のようで顔色が青白い。どこかのおじいさんのような顔で眉毛もない。一瞬子供の頃に読んだ絵本の妖怪って文字が浮かんできた。
「お前っ、誰なんだよ。マイを食べたのか?」
ユウキは焦りながら訳の分からないことを言い出す。マイの胸をつつき、
「マイを返せよ。何してくれてるんだ」
とか言い出す始末。それがマイなんだよ。しっかりしてよ。まるでスーパーモデルの少女が、妖怪濡れ雑巾に変わり果ててしまい、受け入れられないんだろうなって感じなのかもしれない。
ユウキはモミモミする指の感覚でやっぱりマイだと思い知る。
「やっぱりこれは……マイだよな」
「触んないでよ。許さないし。ケツだしなさいよ!」
そう言ってユウキのズボンを脱がそうとする。
「やめろよ! マイなんだよな? 変わってないよ、妖怪でもないし…」
そんな様子をマドカが見て笑っている。私は今まで一緒に居たのに気づかなかった自分に嫌気がした。お姉さんに言ってこっそり貰ってこよう。そしてまどかにこっそり振りかけてあげよう。そんなことをかんがえていた。
このままマドカとは友達関係でいたい。
今見えているのは偽物のまどかってこと?
そんなの許せない。いくら顔に自信が無いからって、真実の自分をみせてないなら本心で話すことなんて出来ないじゃない。ふざけてるの?そんなことかんがえていたら。
「なんか外に声漏れてるんだけど、顔が綺麗とかブスとかそんなの友達だったら関係ないでしょ? あー、めんどくさいわっ!」
マイが待ちきれなくなったのか勝手に調合室に入ってきた。
「えっ? 私本当は豚みたいな顔なの……」
「鼻が団子っ鼻ってこと? そんなのたまに通りを歩いていたらよく見かけるわよ」
「違うの! 子供の頃に顔から地面に転んで、その時に鼻を打ったの。だから鼻が凹んでて、それで悔しくて毎日勉強して何とかこの学校に入ったんです。私の夢っていうか治したいのは自分の顔なの、もしかしたら特効薬みたいなものでこの鼻を治せたらもっと自信が持てるんじゃないかって」
マドカは目に涙を浮かべながら私の顔を覗き込んでくる。でも私はすっと目を逸らしてしまった。
今まで自分の顔が不細工とか思ったこと無かったから、気持ちが分からなかった。そんな美人とか可愛いとか思ったこと無かったけど、普通ぐらいで鏡を見るのも好きだった。普通ってそもそも何だろう。だから多分マドカの気持ちが分からないのかもしれない。
魅了の粉を使ってない時のマドカの顔が少し気になるけど、でも見たくはなかった。
「顔なんて薄皮1枚でしょ。このカメレオンの皮みたいにぺろーんて剥がしたらみんなこんな風になってるんじゃないの? 私もよく分かんないけど、人間なんて他の動物から見たらどの顔も同じに見えるんじゃない?」
「そうかも。私がスライムとか見るとどれも区別つかないし、そんなんじゃないでしょ」
私は少しイライラしてしまう。そういう問題じゃないことも分かってる。学校で習ったのは回復薬(小)だけだし、先生ですら魅了の粉で誤魔化した。
ピンクの髪のお姉さんに頼んで治してもらうことは出来ないんだろうか? ペットのカティを治してもらったようにまどかも……。
でも、今までのことを考えると、学校で調合の素材が無くなった時私が疑われ、その時犯人がツグミじゃないって言ってくれたのはマドカだけだった。
どんな顔をしているのか分からないけど、中身が大事なんじゃないかと思うようにした。
恥ずかしがりながらマイが、
「あのさ、アタシも実はスタイルは自信あるんだけど、顔が残念なんだ」
と、言い始めた。
ユウキを始めとして、みんな目が点になる。
「その話って本当なのか?」
「メイクしてるから、こんなんだけど、実際はもっと酷いのよ。こんなこと言いたくは無いけど、化け物っぽいんだよね!」
明るく吹っ切れた物言いに私は笑ってしまう。
「私もそうなんだよ。メイクしてるからこんなんだけど。実際は見れたもんじゃなくて」
そうだよ。マイは気遣ってあげてるんだ。意外といい人なんだ。
マイは何やら水道で顔を洗い始める。
何してるんだろう。
そして振り向いた時、誰って感じの女性が目の前に立っていた。
顔は覇気がなく病人のようで顔色が青白い。どこかのおじいさんのような顔で眉毛もない。一瞬子供の頃に読んだ絵本の妖怪って文字が浮かんできた。
「お前っ、誰なんだよ。マイを食べたのか?」
ユウキは焦りながら訳の分からないことを言い出す。マイの胸をつつき、
「マイを返せよ。何してくれてるんだ」
とか言い出す始末。それがマイなんだよ。しっかりしてよ。まるでスーパーモデルの少女が、妖怪濡れ雑巾に変わり果ててしまい、受け入れられないんだろうなって感じなのかもしれない。
ユウキはモミモミする指の感覚でやっぱりマイだと思い知る。
「やっぱりこれは……マイだよな」
「触んないでよ。許さないし。ケツだしなさいよ!」
そう言ってユウキのズボンを脱がそうとする。
「やめろよ! マイなんだよな? 変わってないよ、妖怪でもないし…」
そんな様子をマドカが見て笑っている。私は今まで一緒に居たのに気づかなかった自分に嫌気がした。お姉さんに言ってこっそり貰ってこよう。そしてまどかにこっそり振りかけてあげよう。そんなことをかんがえていた。
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