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12 調教①
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天野翔の発表に、再び居間に集められた一同はどよめいた。
特に天野家側の弁護士には寝耳に水だったようで、
「その程度で本当によいのですか? 泰輔さまにはなんとご報告を?」
そう翔に詰め寄る始末だった。
「父には僕からちゃんと話しておく。だって考えてもみたまえ。巧君はまだ16歳なんだよ。そんな将来のある彼に、1億以上の賠償金を背負わせて、君は人間として平気なのかい?」
翔にそうやりこめられると、さしもの弁護士もひと言もなかった。
翔の語る言葉は正論であり、実際に被害に遭った彼の祖父を除けば、誰にも反論できない種類のものだったからである。
「ということで、巧君には罪滅ぼしに、うちの会社で働いてもらうことにします。もちろん、大学を出るまではアルバイトということでかまいません。しばらくは、僕の秘書代わりとして、祖父の身の回りの世話などをやりながら、仕事について学んでもらおうと思っています。まだ大企業とまではいきませんが、うちの会社は今伸び盛りです。株価の上昇はもとより、海外からの引きもたくさんあります。巧君が社会人になる頃には、きっと彼も正社員として胸を張れるような会社に成長していると思います」
立て板に水の翔の弁舌に、僕の両親などはすっかり涙ぐんでいるほどだった。
けれど、僕の心は晴れなかった。
綺麗ごとを並べ立ててはいるが、翔の本心は別にある。
彼はこの僕を、自分だけの”玩具”にしようと目論んでいるのだ。
”性奴隷”という、この令和の時代、およそあり得ない存在に…。
だが、この場から逃げ出したいという思いと、それに反比例する妙に甘酸っぱい期待感に、僕は混乱するばかりだった。
はっきりいって、奴隷として自由を奪われるのは嫌だ。
でも、あの時のあの痺れるような快感…。
あれをもう一度味わいたいという気持ちも否定できなかった。
濡れた翔の亀頭が、僕の包皮の口を塞ぎ、中へ…。
そして…その後、翔の滑らかな下腹に付着した白いミルクを、この舌で…。
翔に疑いの目を向けていた人物が、僕以外にもうひとりいるとわかったのは、会が解散になった直後だった。
翔と弁護士の乗る黒塗りの外車が遠ざかっていくのを玄関口で見送りながら、ふいに隣に佇んでいた佐代子姉さんが耳打ちしてきたのである。
「巧、さっき、彼と何をやってたの? ずいぶん長い間、ふたりきりで居間にこもってたけど」
「な、何って、は、話し合いに決まってるじゃないか」
僕は水彩画のように姉の線の細い美しい顔を眺め、どぎまぎしながら答えた。
姉は「何話してたの?」ではなく、「何やってたの?」といきなり訊いてきたのだ。
僕らがなんらかの行為に及んでいたことにまるで気づいているような、そんな口ぶりだったのである。
「そう…それならいいけど。何か困ったことがあったら、姉さんに必ず相談してね」
佐代子姉さんが僕を見た。
妙に沈んだ瞳の色をしていた。
「全部丸く収まったじゃないか、どうしてそんなことを言うのさ?」
訊き返すと、どきりとするような返事が返ってきた。
「どうしてって…。巧、あなた、匂うから」
特に天野家側の弁護士には寝耳に水だったようで、
「その程度で本当によいのですか? 泰輔さまにはなんとご報告を?」
そう翔に詰め寄る始末だった。
「父には僕からちゃんと話しておく。だって考えてもみたまえ。巧君はまだ16歳なんだよ。そんな将来のある彼に、1億以上の賠償金を背負わせて、君は人間として平気なのかい?」
翔にそうやりこめられると、さしもの弁護士もひと言もなかった。
翔の語る言葉は正論であり、実際に被害に遭った彼の祖父を除けば、誰にも反論できない種類のものだったからである。
「ということで、巧君には罪滅ぼしに、うちの会社で働いてもらうことにします。もちろん、大学を出るまではアルバイトということでかまいません。しばらくは、僕の秘書代わりとして、祖父の身の回りの世話などをやりながら、仕事について学んでもらおうと思っています。まだ大企業とまではいきませんが、うちの会社は今伸び盛りです。株価の上昇はもとより、海外からの引きもたくさんあります。巧君が社会人になる頃には、きっと彼も正社員として胸を張れるような会社に成長していると思います」
立て板に水の翔の弁舌に、僕の両親などはすっかり涙ぐんでいるほどだった。
けれど、僕の心は晴れなかった。
綺麗ごとを並べ立ててはいるが、翔の本心は別にある。
彼はこの僕を、自分だけの”玩具”にしようと目論んでいるのだ。
”性奴隷”という、この令和の時代、およそあり得ない存在に…。
だが、この場から逃げ出したいという思いと、それに反比例する妙に甘酸っぱい期待感に、僕は混乱するばかりだった。
はっきりいって、奴隷として自由を奪われるのは嫌だ。
でも、あの時のあの痺れるような快感…。
あれをもう一度味わいたいという気持ちも否定できなかった。
濡れた翔の亀頭が、僕の包皮の口を塞ぎ、中へ…。
そして…その後、翔の滑らかな下腹に付着した白いミルクを、この舌で…。
翔に疑いの目を向けていた人物が、僕以外にもうひとりいるとわかったのは、会が解散になった直後だった。
翔と弁護士の乗る黒塗りの外車が遠ざかっていくのを玄関口で見送りながら、ふいに隣に佇んでいた佐代子姉さんが耳打ちしてきたのである。
「巧、さっき、彼と何をやってたの? ずいぶん長い間、ふたりきりで居間にこもってたけど」
「な、何って、は、話し合いに決まってるじゃないか」
僕は水彩画のように姉の線の細い美しい顔を眺め、どぎまぎしながら答えた。
姉は「何話してたの?」ではなく、「何やってたの?」といきなり訊いてきたのだ。
僕らがなんらかの行為に及んでいたことにまるで気づいているような、そんな口ぶりだったのである。
「そう…それならいいけど。何か困ったことがあったら、姉さんに必ず相談してね」
佐代子姉さんが僕を見た。
妙に沈んだ瞳の色をしていた。
「全部丸く収まったじゃないか、どうしてそんなことを言うのさ?」
訊き返すと、どきりとするような返事が返ってきた。
「どうしてって…。巧、あなた、匂うから」
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