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508 地下迷宮②
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エレベーターを降りると、正面に長い通路が伸びていた。
天井や壁、そして床は、上品なセレモニーホール風だった1階とは打って変わって、無機質なつくりである。
まるで大学か病院に附設されている研究所か何かの一画のような雰囲気だった。
廊下の両側には広い間隔を置いてステンレススチールの不愛想な扉が並んでいる。
廊下は50メートルほど先で終わっており、そこにはひと際頑丈そうな鉄扉が嵌まっていた。
「ここかな」
陽が見上げたのは、右手のドアの一つだった。
のぞき窓の下に真鍮のプレートがあり、VIPと彫られている。
「なんだか薄気味悪い場所ね。ここは刑務所か何かなの?」
剥き出しの肩を両腕で抱き、周囲を見回して不快そうに姉さんが言った。
おそらく姉さんも、僕同様、豪華ホテルの貴賓用フロアみたな場所を想像していたのだろう。
「当たらずとも遠からず、ですかね。これから翔さまと巧君の身に起こることを考えれば」
「こいつも?」
「そうですよ。翔さまが、なぜあなたたちの何のためにチームを勝たせたと思っているんです?」
ぞくりとした。
陽は確かにここへ降りてくる前、そんなことを言っていた。
「つまりはこいつも秘密ショーに出演するわけね。翔と一緒に、オーガズムとリピドーの果てに、死ぬために」
「そこは成り行きでしょうね。彼は翔さまを追い込む道具に使われるだけかもしれないし、あるいはその逆の立場になるのかもしれません」
「ふふ、どっちにしても、楽しみだわ」
不穏な会話だった。
しかし、この場合、僕の立場は明らかだ。
その証拠に、双子と姉さんは曲がりなりにも紐水着で乳首と陰部を隠しているのに、僕だけ全裸のままである。
剥き出しの乳首は勃ったままだし、両手で隠しても、よからぬ想像で昂る陰茎は、勃起をやめようとしない。
「さ、入って準備と行きましょう。まずは腹ごしらえ、それから入浴ですかね」
ドアにはノブの代わりにセキュリティ装置が設置されている。
陽がその透明な部分に右掌を押しつけると、どこかでカチッと音がして、ゆっくりドアがスライドし始めた。
天井や壁、そして床は、上品なセレモニーホール風だった1階とは打って変わって、無機質なつくりである。
まるで大学か病院に附設されている研究所か何かの一画のような雰囲気だった。
廊下の両側には広い間隔を置いてステンレススチールの不愛想な扉が並んでいる。
廊下は50メートルほど先で終わっており、そこにはひと際頑丈そうな鉄扉が嵌まっていた。
「ここかな」
陽が見上げたのは、右手のドアの一つだった。
のぞき窓の下に真鍮のプレートがあり、VIPと彫られている。
「なんだか薄気味悪い場所ね。ここは刑務所か何かなの?」
剥き出しの肩を両腕で抱き、周囲を見回して不快そうに姉さんが言った。
おそらく姉さんも、僕同様、豪華ホテルの貴賓用フロアみたな場所を想像していたのだろう。
「当たらずとも遠からず、ですかね。これから翔さまと巧君の身に起こることを考えれば」
「こいつも?」
「そうですよ。翔さまが、なぜあなたたちの何のためにチームを勝たせたと思っているんです?」
ぞくりとした。
陽は確かにここへ降りてくる前、そんなことを言っていた。
「つまりはこいつも秘密ショーに出演するわけね。翔と一緒に、オーガズムとリピドーの果てに、死ぬために」
「そこは成り行きでしょうね。彼は翔さまを追い込む道具に使われるだけかもしれないし、あるいはその逆の立場になるのかもしれません」
「ふふ、どっちにしても、楽しみだわ」
不穏な会話だった。
しかし、この場合、僕の立場は明らかだ。
その証拠に、双子と姉さんは曲がりなりにも紐水着で乳首と陰部を隠しているのに、僕だけ全裸のままである。
剥き出しの乳首は勃ったままだし、両手で隠しても、よからぬ想像で昂る陰茎は、勃起をやめようとしない。
「さ、入って準備と行きましょう。まずは腹ごしらえ、それから入浴ですかね」
ドアにはノブの代わりにセキュリティ装置が設置されている。
陽がその透明な部分に右掌を押しつけると、どこかでカチッと音がして、ゆっくりドアがスライドし始めた。
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