バナナの皮を剥くように ~薔薇色の少年~ 

ヤミイ

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52 大浴場の影⑤

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 かき上げた髪をポニーテールにまとめるように、うなじの所で両手を組むヨミ。

 術らかな腋の下が露わになり、わずかに仰向いた繊細な顎のラインが何とも言えず、官能的だ。

 湯取り口からかけ流しの湯が流れる音に混じって、ヨミの下半身あたりからやがて聴こえて来たのはー。

 ジュボッ。

 ジュボッ。

 まるで何かを吸うような淫靡な音だ。

「アアン、ダメ・・・」

 甲高い声で喘ぎ、ヨミがスリムな裸体をくねらせた。

 一度も日に当たったことがないような、隠花植物の茎みたいに白い肌。

 その表面に、湯滴なのか汗なのか、透明な粒々が糸を引いて垂れていく。

 だが、こちらから見えるのはヨミの背中と尻の一部だけ。

 それでももどかしさを押さえ込み、僕は観察を続けるほかない。

 ジュボッ。

 ジュボッ。

 クチュッ。

 クチュクチュクチュ・・・。

「ダメだよ・・・また大きくなっちゃう・・・」

 トランスミュージックに身を委ねて踊っているかのようなヨミの尻肉が、筋肉の位置も露わに互い違いにモリモリ動く。

 背中から尻の割れ目にかけて背骨に沿って刻まれたS字型のくぼみも、それに合わせて波打つように上下する。

 湯船に首まで浸かった何者かが、ヨミの股間に顔をうずめ、性器を舐めている・・・。

 そうとしか、思えなかった。

 その認識の訪れと同時に、脳内スクリーンが嫉妬の炎で真っ赤に燃え上がった。

 卑猥な音が大きくなるに従い、ヨミの息遣いが烈しくなっていく。

 その声に、バスの中で痴漢に責められるヨミの痴態がフラッシュバックする。

 続いて迎えのミニバンの中では、この僕の手で逝かせてやったのにー。

 その後僕に、舐めてと言われた時には、さすがに拒んだけれど…。

 後悔で胸が痛くなる。

 こんなことになるのなら、あの時僕自身の口でー。

 そうほぞを噛んだ瞬間だった。

「アアッ!」

 ヨミが大きく身体をのけぞらせ、叫んだ。

 僕の奥歯がまたしてもギリっと鳴った。

 それは明らかに、歓喜の声だったからだ。

 ややあって、ここからは見えない誰かに向かって、ヨミが甘えるみたいな口調で囁きかけるのが聴こえてきた。

「これが、キミのお仕置きかい? そんな、今度は、乳首まで・・・。あ、アアン、ダメ、アア、アア、アアアア・・・」
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