落ちこぼれオメガとエリートアルファの魔王討伐

第106話

　頭の中で星が爆発し、世界が白い光に包まれた。

　どこからか、ハレルヤ、ハレルヤ、という天使たちの歌声が聞こえてきて、僕は多幸感にすっぽりと包まれた。

　それはあたかも、自分が等身大の巨大なペニスにでも変貌したかのような、凄まじい快感だった。

　ドクン、ドクン、ドクン･･･。

　身体じゅうが波打ち、消化器官が尿道と一体化したかのように烈しく脈動する。

　どびゅっ。

　どびゅっ。

　どびゅびゅっ。

　制御を失った超古代文明の遺産であるあの機械人形のように、僕はガクンガクンと腰を跳ね上げ、熱い液を出し続けた。

　止まらなかった。

　僕は、アラクネの触手に呑み込まれた肉の砲塔から、ひどく長い時間、液を噴き出し続けた。

　自分でもいぶかしく思うほど、放出される精液の量は多かった。

　まるでペニスが根元の所で別の何かと繋がってしまったように、次から次へとエキスが湧き出すのだった。

　遠くで、女のうめき声を聞いた気がした。

　夢うつつの時が過ぎー。

　遠ざかっていた意識が戻ってきて薄目を開けると、すべてが終わっていた。

　あたりに立ち込める濃厚な精液の臭い。

　地面はゼリー状の液体で覆われ、目の前に小山のような黒い物体がうずくまっている。

　のぼりかけた朝陽を受けて、小山を覆った白濁液がところどころでキラキラ輝きを放っていた。

「え？」

　自分の放った精液の海の中に尻もちをついた姿勢で、僕はきょとんと目を見開いた。

　こ、これは、いったい？