落ちこぼれオメガとエリートアルファの魔王討伐

ヤミイ

文字の大きさ
239 / 495

第234話

しおりを挟む
 引き千切られた両足が、勢い余って吹っ飛んだ。

 すさまじい音を立てて、血しぶきを上げながら、床を転がっていく。

 -アグア…-

 だらんとたれ下がるブライト。

 両脚を根こそぎもぎ取られたその躰は、まるで等身大の果実のようだ。

「最後の仕上げだ。カイン、アベル、おいで」

 皇女がパチンと指を鳴らすと、戸口からあの巨漢の二人組が現れた。

「こいつを肉達磨にしておやり」

 に、にく、だるま?

 皇女の言葉に、僕の射精が加速する。
 
 -ヤ、ヤメロー

 力なく呻くブライト。

 のっしのっしと大股にブライトに近づくと、長身のカインが、長い首をしならせて楕円形の頭部をブライトの腹部に食らわせた。

 -ガフッ!ー

 強烈な頭突きを食らい、血反吐を吐き散らすブライト。

 その拍子に、

 ブリブリブリッ。

 新たな臓物が、肛門からひり出される。

 完全に萎えたブライトの両手首からロープを外し、アベルがその裸体を抱え、床に転がした。

 ザザッ。

 その瞬間を待っていたのか、ふいにブライトが動いた。

 信じられないことだった。

 乳首と舌、そしてペニスを食いちぎられ、両脚をつけ根からもぎ取られたその躰で、両腕だけを使ってブライトが逃げ出したのだ。

 ザザザザザッ。

 蟹のように這い進むブライト。

 だが、所詮、不完全すぎるその肉体では、さほど遠くにはいけなかった。

 ブチュッ。

 アベルがいきなり右足を振り上げたかと思うと、狙いすましたかのようにブライトの肛門から溢れ出す腸を踏みつけ、その逃走を阻止したのである。

 
 
しおりを挟む
感想 8

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

とある男の包〇治療体験記

moz34
エッセイ・ノンフィクション
手術の体験記

自習室の机の下で。

カゲ
恋愛
とある自習室の机の下での話。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

密室に二人閉じ込められたら?

水瀬かずか
恋愛
気がつけば会社の倉庫に閉じ込められていました。明日会社に人 が来るまで凍える倉庫で一晩過ごすしかない。一緒にいるのは営業 のエースといわれている強面の先輩。怯える私に「こっちへ来い」 と先輩が声をかけてきて……?

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

処理中です...