元ツンデレ貴族令嬢の幼馴染が奴隷堕ちして売られてた~今度は全人生をかけても俺が幸せにします~

森 拓也

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これから

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「ソーレは……これから、どうしたい?」



「私、自由になれるなんて思ってなかったから……どうすればいいか分からない」



 ソーレは俯いて困り眉になる



 確かにソーレは奴隷から解放されて、名実ともに自由を手に入れたかもしれない



 でも、いきなり自由になったってどうすればいいかなんて分からないよな



 一応――、



「俺から提案できる案は三つある。一つ目はどこかで部屋を借りて仕事に働くこと。二つ目は修道女として修道院で働くこと。三つ目はやりたいことが見つかるまでここで生活すること」



 とはいえ、いきなり仕事を探すのは難しいし、部屋を借りるのもただじゃない



 最初は俺が立て替えてもいいが、実質的に今のソーレが取れる選択肢は限られている



「どうしよう……」



「一番オススメなのは修道院だな。昨年の事件から人手不足が続いているから働こうと思えばすぐに住み込みで働けるよ」 



 勤務時間も給料も少ないのが特徴だが、働きやすい職場であることは間違いない



 特に、今の傷ついたソーレにとっては……



「最終的に、決めるのはソーレ自身だ。自分が一番魅力的に思った選択をすればいい」



 口ではそう言いながらも俺は三つ目の選択肢を選んで欲しいと思っている



 何なら、あんなことまで言っておいて奴隷から解放したことを後悔までしている……



 こんな風に考えている俺はあいつらとどう違うんだろうな、



「……明日まで、考えてもいい?」



 しばらく悩むそぶりを見せてソーレは口を開いた



「勿論いいよ、時間がかかるなら明後日だってかまわない」



「リヒトは……本当に優しいよね」



 何故かまた困り眉になってしまった



 まあ、これからのことを深く考えているんだろう







 ◆◆




「凄く美味しかった……ありがとう」



 ソーレが軽く頭を下げる



「これぐらいならいつでも作るよ。じゃあ、部屋を案内するね」



「うん」



 ソーレが頷くそれだけでも絵になるくらいに可愛い



 リビングに近い部屋から順番に説明をしていき最後の部屋に入る



「前の家主が置いていった家具をそのままにしてるんだ。たまに掃除してるから綺麗だよ、好きに使って」



「こんなにいいベットのある部屋じゃなくても……私、床でも寝れるよ?」



 俯きがにそんなことを言う



 今のソーレには遠慮しすぎる癖が染みついている



 だったら、



「床で寝られて体調を崩されてもこっちが困る。ベットでゆっくり休んでくれ」



 こういえば断れないだろう



「じゃあ、使わせてもらうね……ありがとう」



「シャワーを浴びたら俺は寝るから、おやすみ」



「うん、おやすみ」







 ◆◆



 シャワーを浴びた俺はベットで休んでいる

 

 さっき声をかけたソーレは今頃シャワーを浴びているだろう



 結局ソーレに何があったのか聞きそびれた

 だが、自分から話さないということは話したくないんだろうな



 自分から話してくれるまで待つ、か……



 最も、明日にはここを出ていくかもしれないが、な



 ――コンコンッ

 

 寝静まろうとしたらノックがした



 家には二人しかいないから



「ソーレ?入っていいよ」



「リ、リヒト」





 ドアを開けて入ってきたのは下着姿のソーレだった

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