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第一章
英雄、目覚める-11-
「や、やめろ……見るな……」
「なるほど……お前、そんなに俺が怖いのか。恐れられるのも悪くはないが……」
「ああ……ダメ……いや……また……もういや……」
女は顔を赤らめさせて、先ほどとは正反対の実に女らしい情けない声をあげる。
「ふむ……ここまで恐がられてはな。これでは楽しむものも楽しめない。しかたがない。お礼は今度まで待っていてやる。それまでにそのクセを治しておけよ」
女は放心状態といった有様で焦点の合わない目で俺を見ている。
さてと……遊びは終わりだ。つぎは——。
「敬三様!」
「ご主人様!」
そうか……。
すっかり忘れていたな。
この女どももいたのか。
俺は崩れかけている瓦礫をのぼってきた二人の女を見る。
服は汚れているが、怪我の類はない。
『クロニクルガード』をかけているから、ある意味で当然ではあるが……。
それにしてもこうしてよくよく見てみると、この女たちもなかなかの美貌の持ち主だ。
それに顔だけではなく、体つきもよい。
和服の女は下が大胆にはだけていて、妙に艶めかしい格好をしている。
スーツ姿の女は和服の女よりは華奢ではあるが、まあ及第点の体をしている。
それにこの和服の女は——。
俺は無言で二人の女の肉体を眺めていると、二人は戸惑いの表情を浮かべている。
「け、敬三様……そ、その……先ほどの爆発は……いったい? 大丈夫だったのですか?」
「問題ない。俺の魔法で敵を消滅させただけだ」
「ま、魔法……あれは、敬三様の魔法だったのですか!? あ、あんな威力の魔法を……」
「そんなことはどうでもいい。それより——」
俺は和服の女の近くへと行く。
「花蓮……といったか。そこそこの器量があるようだ。どうだ? お前も俺の女にならないか?」
「け、敬三様! な、何を突然——」
「余計なことはいうな。どうだ?」
「そ、それは……敬三様は命の恩人ですし、わたくしは敬三様のことを尊敬していますし……ですが……」
花蓮という女が俺の目をじっと見てくる。
まるで、こちらの心を覗いてくるようだ。
やはり、この女……似ている。
外見はまるで似ていないのに、妙に俺の心をざわつかせる。
あの裏切り者の女に雰囲気が似ている。
一見すれば酷くナイーブに思えるのに、その実酷く勇敢な女……。
現にこの女……先ほどまで震えていたくせに、今はもう微動だにしない。
クソ……嫌な記憶が脳裏をよぎってしまう。
そして、女は、予想外の言葉を吐く。
「……心が乱れている時にこのような話をするべきではありませんわ」
「なんだと……それはどういう意味だ?」
俺は女のすぐ側まで近づき、その透き通った眼で俺の目を覗いてくる。
「言葉通りの意味ですわ。敬三様。失礼ですが、敬三様の心は酷く乱れているようにお見受けしますわ」
俺は女を睨みつけるが……。
やはり……この女……微動だにしない。
その様に俺はどうしようもなく苛つきを覚えてしまう。
「ふざけるな……俺はいたって冷静だ。状況を理解せずにおかしなことを言っているのはお前の方だ」
俺はこの女が恐怖にふるえている様を見てやりたくなった。
こういう高潔なふりをしている女はどうしようもなく俺の堪にさわる。
だから、ちょっとした悪戯をしてやろうと思った。
「俺は別にお前の同意を得ようとは思わない。こういう風に無理やりにだってできるのだから」
俺は女の手を取り、そのまま抱きすくめて、その口うるさい唇を封じた。
「んんっ!」
女は驚きの表情を浮かべて、体を震わせる。
俺は唇を離して、再びその目を見る。
脅しのために、あえてたっぷりと敵意を込めて。
さあ……どんな恐怖に染まっているか。
先ほどの女のように失禁していたら見ものだが。
女はしばし体を硬直させたままであったが、やがて——
「敬三様……わたしはそんなに安い女じゃありませんわ!」
俺は自身の頬が女の平手打ちを食らっていたことに事後に気付いた。
「なるほど……お前、そんなに俺が怖いのか。恐れられるのも悪くはないが……」
「ああ……ダメ……いや……また……もういや……」
女は顔を赤らめさせて、先ほどとは正反対の実に女らしい情けない声をあげる。
「ふむ……ここまで恐がられてはな。これでは楽しむものも楽しめない。しかたがない。お礼は今度まで待っていてやる。それまでにそのクセを治しておけよ」
女は放心状態といった有様で焦点の合わない目で俺を見ている。
さてと……遊びは終わりだ。つぎは——。
「敬三様!」
「ご主人様!」
そうか……。
すっかり忘れていたな。
この女どももいたのか。
俺は崩れかけている瓦礫をのぼってきた二人の女を見る。
服は汚れているが、怪我の類はない。
『クロニクルガード』をかけているから、ある意味で当然ではあるが……。
それにしてもこうしてよくよく見てみると、この女たちもなかなかの美貌の持ち主だ。
それに顔だけではなく、体つきもよい。
和服の女は下が大胆にはだけていて、妙に艶めかしい格好をしている。
スーツ姿の女は和服の女よりは華奢ではあるが、まあ及第点の体をしている。
それにこの和服の女は——。
俺は無言で二人の女の肉体を眺めていると、二人は戸惑いの表情を浮かべている。
「け、敬三様……そ、その……先ほどの爆発は……いったい? 大丈夫だったのですか?」
「問題ない。俺の魔法で敵を消滅させただけだ」
「ま、魔法……あれは、敬三様の魔法だったのですか!? あ、あんな威力の魔法を……」
「そんなことはどうでもいい。それより——」
俺は和服の女の近くへと行く。
「花蓮……といったか。そこそこの器量があるようだ。どうだ? お前も俺の女にならないか?」
「け、敬三様! な、何を突然——」
「余計なことはいうな。どうだ?」
「そ、それは……敬三様は命の恩人ですし、わたくしは敬三様のことを尊敬していますし……ですが……」
花蓮という女が俺の目をじっと見てくる。
まるで、こちらの心を覗いてくるようだ。
やはり、この女……似ている。
外見はまるで似ていないのに、妙に俺の心をざわつかせる。
あの裏切り者の女に雰囲気が似ている。
一見すれば酷くナイーブに思えるのに、その実酷く勇敢な女……。
現にこの女……先ほどまで震えていたくせに、今はもう微動だにしない。
クソ……嫌な記憶が脳裏をよぎってしまう。
そして、女は、予想外の言葉を吐く。
「……心が乱れている時にこのような話をするべきではありませんわ」
「なんだと……それはどういう意味だ?」
俺は女のすぐ側まで近づき、その透き通った眼で俺の目を覗いてくる。
「言葉通りの意味ですわ。敬三様。失礼ですが、敬三様の心は酷く乱れているようにお見受けしますわ」
俺は女を睨みつけるが……。
やはり……この女……微動だにしない。
その様に俺はどうしようもなく苛つきを覚えてしまう。
「ふざけるな……俺はいたって冷静だ。状況を理解せずにおかしなことを言っているのはお前の方だ」
俺はこの女が恐怖にふるえている様を見てやりたくなった。
こういう高潔なふりをしている女はどうしようもなく俺の堪にさわる。
だから、ちょっとした悪戯をしてやろうと思った。
「俺は別にお前の同意を得ようとは思わない。こういう風に無理やりにだってできるのだから」
俺は女の手を取り、そのまま抱きすくめて、その口うるさい唇を封じた。
「んんっ!」
女は驚きの表情を浮かべて、体を震わせる。
俺は唇を離して、再びその目を見る。
脅しのために、あえてたっぷりと敵意を込めて。
さあ……どんな恐怖に染まっているか。
先ほどの女のように失禁していたら見ものだが。
女はしばし体を硬直させたままであったが、やがて——
「敬三様……わたしはそんなに安い女じゃありませんわ!」
俺は自身の頬が女の平手打ちを食らっていたことに事後に気付いた。
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