異世界帰りの底辺配信者のオッサンが、超人気配信者の美女達を助けたら、セレブ美女たちから大国の諜報機関まであらゆる人々から追われることになる話

kaizi

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第一章

晩餐会-05-

 しかも、その服はレースのような刺繍が織り込まれており、見る者からするといかにも女性らしい印象を受ける。



 そして、ノースリーブとなっているため、鈴羽さんのなめらかな腕が大胆に露出されているため、余計にそう思えるのかもしれない。



 鈴羽さんの格好はボーイッシュ……というか男装と見紛うばかりの格好だったから、そのあまりのギャップに正直今まで同一人物だと気づかなかったくらいだ。



 今の鈴羽さんは、その服装とあいまって、とても清楚かつ上品に見える。



 別に今までの鈴羽さんが正反対だったとまで言いたい訳ではないが、雰囲気は大分違う。



 と……俺がそんなことを考えている間に、鈴羽さんが、勢いよく俺の方に向かってきて——。



 気づいたときには、鈴羽さんは、ワンピースの裾をふわりと広げて、俺の体に飛び込んでいた。



 今まで大人しくしていた鈴羽さんのこの行動は俺にとっては完全に不意打ちになった。

 

 しかも俺は下をむいて考え込んでいたからなおさらだ。

 

 俺は鈴羽さんのタックル……ではなく飛び込みをマトモに受けてしまう。

そして、その勢いのまま地面に倒れ込んでしまう。



「あいたた……」

 

 と、うめき声をあげて、目を開くと、そこには鈴羽さんの体があった。

 

 鈴羽さんも俺と一緒に倒れ込んでしまったようだ。

 

 が……問題はその位置であった。



 変な方向に倒れてしまったのか、鈴羽さんの両足……というかもっとあからさまに描写するならばYラインにあたる部分がちょうど俺の顔にきてしまっていた。



「……あ……も、申し訳ありません……ご、ご主人様……」



「むぐ……い、いえ……」

 

 俺は鈴羽さんの体に口元をふさがれていたので、変な声しか出せなかった。

 

 鈴羽さんはすぐ俺の上から離れると思っていたが、なぜか動く気配がない。

 

 それどころか、鈴羽さんはただ、



「あん……ご、ご主人様の……吐息が……」

 

 と、うめき声をあげているだけであった。



「す、鈴羽……何をしているんですの!?」

 

 と、さすがに見かねた様子の花蓮さんの声でようやく鈴羽さんは立ち上がる。



「か、花蓮様……申し訳ありません。ご主人様がご無事でついつい興奮してしまいまして……」



 俺がチラリと麻耶さんの方を見ると、案の定というか眉根を思いっきりよせて、不機嫌そうに俺の方を一瞥する。



 が、俺と目が合うとなぜか慌てたようにすぐに視線を外す。



 そして、鈴羽さんの方を見て、やや戸惑い気味に、



「す、鈴羽、あ、あなたねえ……そ、その言い方はどうにかならないの? ご、ご主人様って……。は、恥ずかしくないのかしら」

 

 と、言う。

 

 まずい……今までウヤムヤにされていたから、うまくごまかすことができたと思っていたが……。



 ついに鈴羽さんの異常な言動……いや行動を指摘されてしまったか。

 

 が、鈴羽さんはまるで怯むこともなく妙に堂々とした態度で、



「わたしは何も恥ずべきことは言っておりません」

 

 と、宣言する。

 

 そして、やや間を開けると、麻耶さんの方に向き直り、



「それに……それを言うなら、麻耶様、あなたの方が……どうなのでしょうか? 美月……様の前で、自身の感情を抑えることもなく、『旦那様』などと言うなんて。まあ……同じ女として、ご主人様に魅せられてしまうのは理解しますが」

 

 と、冷ややか気味に言う。



「な、何を馬鹿なことを言っているの!? あ、あれはこの男……二見に無理やり——」

 

 麻耶さんはそこで突如何かに気づいたようにはっとした顔を浮かべて、言葉が止まる。



「ふ、二見……二見……い、今は普通に言えるわ!」



 麻耶さんは何故か嬉しそうにオレの名前を連呼している。



 そして、ペンダント……あれは確かフォートペンダントか……を握り締めている。



 麻耶さんのその様子は傍目から見てもかなりおかしい。



 俺だけでなく、美月さんと花蓮さんも怪訝な顔で麻耶さんを見ている。



 鈴羽さんの言動が変なのは今に限った話しではないが……。



 まさか……記憶を失っている間に、俺は麻耶さんにも回復魔法を使ったのか。



 それが原因で——。



 と、花蓮さんが一言、



「ええっと……麻耶さん。話があるんでしたよね。とりあえず話しをしませんか?」



 と水を向ける。



「そ、そうね……。とりあえず関係者は全員集まったようだし、座って話しましょうか」



 と、麻耶さんはひとまず落ち着きを取り戻し、相変わらず俺の方を警戒気味に見ながら、窓際にある自身の椅子に座る。
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