異世界帰りの底辺配信者のオッサンが、超人気配信者の美女達を助けたら、セレブ美女たちから大国の諜報機関まであらゆる人々から追われることになる話

kaizi

文字の大きさ
109 / 153
第一章

束の間の遊戯-03-

 やがて、綾音さんが俺をきっと睨む。



「ふ、二見。お、お前……麻耶さんに何を……ま、また何かいかがわしいことでもしたのか!?」

 

 この状況下でなぜ俺に疑いを向けるのだと、思わず言いたかった。



 俺はつい先程まで、麻耶さんから魔法を直撃させられそうになったというのに……。



 と、愚痴の一つも言いたかったが、綾音さんが俺を見る目は、明らかに不審の色しかない。



 ここで文句を言ってもますます信用を無くすだけだろう。



 それよりも気になることがあった。

 

 麻耶さんの肉体からは明らかに魔力の痕跡があった。

 

 俺は、未だに座り込んでいる麻耶さんをあらためてじっと見る。

 

 麻耶さんをハイヒールを投げ出して床にペタリと足をつけて、いわゆる「女の子」座りをしている。

 

 あのプライドの高い麻耶さんが人のいる前……しかも俺の目の前でこんな格好をしている時点で、どうにも彼女の様子がおかしいことがよくわかる。

 

 そして、なによりもその下腹部から漏れ出ている魔力……。

 

 麻耶さんはしばしの間の後、ようやくヨロヨロと立ち上がり、



「うう……ああ……この感覚……それに嫌なはずなのになんでこんな気持ちに……」

 

 と、俺から離れるように壁に寄りかかるが、その足には力が入っておらずそのまま座りこんでしまう。



「ふ、二見……い、いえ……旦那様……ああ……あなたはまたわたしに精神操作を……」

 

 そして、麻耶さんは、その艶やかな長い黒髪を振り乱しながら、俺の方を見る。



「麻耶さん……信じてもらえないかと思いますが、精神操作などはしていません。ただ……少し確認したいことが……」



「う、嘘よ……わ、わたしがあなたに対してこんな気持ちになる訳ないわ……違う……わたしの気持ちはあの人だけの……」



「麻耶さんの身に何が起きているか確認できるかもしれません。ただそのためには少し協力を……」



「な、何を……これ以上何をしろと言うの……」

 

 と、麻耶さんは大分動揺しているのか、かなり弱気な様子で言う。



「いえ……別にたいしたことでは……少しその麻耶さんの体を見させていただければ……」



「か、体ですって……な、何をするつもり?」

 

 と、麻耶さんは自らの体を守るように抱きかかえて俺を上目遣いで睨む。

 

 とはいえ、その目つきはいつもの眼光鋭いものではなく、若干涙目にすらなっていた。

 

 俺は不謹慎ながらも、麻耶さんの今の姿から目が離せなかった。

 

 元々大胆に胸を開けたドレス姿だったが、麻耶さんは今床に座り込んでいるために、その豊満過ぎる胸が否が応でも目に入ってくる。

 

 しかも、麻耶さんの頬は朱色に染まっていて、濡れた目を俺に向けている。

 

 いつもの麻耶さんと違ってあまりにも弱々しく、女性らしい姿はそのギャップもあいまってとても妖しくて美しい。

 

 俺がそんな感じで、麻耶さんのことを見ていると、綾音さんが咳払いをして、俺のことを牽制するかのようにジロリと見る。



「二見……何か変な気を起こそうというんじゃないよな?」

 

 俺はそんなに信用がないのか、はたまた気づかぬうちに俺の目がそんなに好色を帯びていたものになっていたのか、いずれにせよ俺はあわてて麻耶さんの体から目を逸らす。



「ごほん……えっとあの麻耶さんの体から魔力の痕跡があるのです。それを確認すれば麻耶さんの体の不調もわかるかと思います。ですから、その部分を直接見させていだければ……」



 と、俺がそう言うと、麻耶さんは半信半疑……いや8割方疑いを帯びた顔つきで俺を見る。



 綾音さんにいたってははなから信用していないといった様子だ。



「つ、つまり……ま、またあなたの前で肌を晒せというの?」



 まあ……麻耶さんが言いたいことはわかる。



 見ず知らず……という訳ではないが大した関係でもない男に肌を晒すのには抵抗があるだろう。



「ま、まあ……そういうことになりますね。ただ、別に全てを見る必要はないので、特定の部分だけ——」

 

 と、俺はフォローを入れたつもりだったのだが、



「あ、当たり前でしょう! あなたの前でなんでまたわたしが全てを晒さないといけないのよ!」

 

 と、麻耶さんはさらに顔を真っ赤にして、怒りだす。

 どうやら麻耶さんの地雷に触れてしまったようだ。

 

 これ以上何かを言うとますます状況が悪化しそうであったから、俺はただ黙って目をそらすしかなかった。
感想 23

あなたにおすすめの小説

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします

Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。 相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。 現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編

オッサン齢50過ぎにしてダンジョンデビューする【なろう100万PV、カクヨム20万PV突破】

山親爺大将
ファンタジー
剣崎鉄也、4年前にダンジョンが現れた現代日本で暮らす53歳のおっさんだ。 失われた20年世代で職を転々とし今は介護職に就いている。 そんな彼が交通事故にあった。 ファンタジーの世界ならここで転生出来るのだろうが、現実はそんなに甘く無い。 「どうしたものかな」 入院先の個室のベッドの上で、俺は途方に暮れていた。 今回の事故で腕に怪我をしてしまい、元の仕事には戻れなかった。 たまたま保険で個室代も出るというので個室にしてもらったけど、たいして蓄えもなく、退院したらすぐにでも働かないとならない。 そんな俺は交通事故で死を覚悟した時にひとつ強烈に後悔をした事があった。 『こんな事ならダンジョンに潜っておけばよかった』 である。 50過ぎのオッサンが何を言ってると思うかもしれないが、その年代はちょうど中学生くらいにファンタジーが流行り、高校生くらいにRPGやライトノベルが流行った世代である。 ファンタジー系ヲタクの先駆者のような年代だ。 俺もそちら側の人間だった。 年齢で完全に諦めていたが、今回のことで自分がどれくらい未練があったか理解した。 「冒険者、いや、探索者っていうんだっけ、やってみるか」 これは体力も衰え、知力も怪しくなってきて、ついでに運にも見放されたオッサンが無い知恵絞ってなんとか探索者としてやっていく物語である。 注意事項 50過ぎのオッサンが子供ほどに歳の離れた女の子に惚れたり、悶々としたりするシーンが出てきます。 あらかじめご了承の上読み進めてください。 注意事項2 作者はメンタル豆腐なので、耐えられないと思った感想の場合はブロック、削除等をして見ないという行動を起こします。お気を悪くする方もおるかと思います。予め謝罪しておきます。 注意事項3 お話と表紙はなんの関係もありません。

男:女=1:10000の世界に来た記憶が無いけど生きる俺

マオセン
ファンタジー
突然公園で目覚めた青年「優心」は身辺状況の記憶をすべて忘れていた。分かるのは自分の名前と剣道の経験、常識くらいだった。 その公園を通りすがった「七瀬 椿」に話しかけてからこの物語は幕を開ける。 彼は何も記憶が無い状態で男女比が圧倒的な世界を生き抜けることができるのか。 そして....彼の身体は大丈夫なのか!?

【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~

シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。 木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。 しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。 そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。 【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】

S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります

内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品] 冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた! 物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。 職人ギルドから追放された美少女ソフィア。 逃亡中の魔法使いノエル。 騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。 彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。 カクヨムにて完結済み。 ( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )

召喚されたリビングメイルは女騎士のものでした

think
ファンタジー
ざっくり紹介 バトル! いちゃいちゃラブコメ! ちょっとむふふ! 真面目に紹介 召喚獣を繰り出し闘わせる闘技場が盛んな国。 そして召喚師を育てる学園に入学したカイ・グラン。 ある日念願の召喚の儀式をクラスですることになった。 皆が、高ランクの召喚獣を選択していくなか、カイの召喚から出て来たのは リビングメイルだった。 薄汚れた女性用の鎧で、ランクもDという微妙なものだったので契約をせずに、聖霊界に戻そうとしたが マモリタイ、コンドコソ、オネガイ という言葉が聞こえた。 カイは迷ったが契約をする。

最強スライムはぺットであって従魔ではない。ご主人様に仇なす奴は万死に値する。

棚から現ナマ
ファンタジー
スーはペットとして飼われているレベル2のスライムだ。この世界のスライムはレベル2までしか存在しない。それなのにスーは偶然にもワイバーンを食べてレベルアップをしてしまう。スーはこの世界で唯一のレベル2を超えた存在となり、スライムではあり得ない能力を身に付けてしまう。体力や攻撃力は勿論、知能も高くなった。だから自我やプライドも出てきたのだが、自分がペットだということを嫌がるどころか誇りとしている。なんならご主人様LOVEが加速してしまった。そんなスーを飼っているティナは、ひょんなことから王立魔法学園に入学することになってしまう。『違いますっ。私は学園に入学するために来たんじゃありません。下働きとして働くために来たんです!』『はぁ? 俺が従魔だってぇ、馬鹿にするなっ! 俺はご主人様に愛されているペットなんだっ。そこいらの野良と一緒にするんじゃねぇ!』最高レベルのテイマーだと勘違いされてしまうティナと、自分の持てる全ての能力をもって、大好きなご主人様のために頑張る最強スライムスーの物語。他サイトにも投稿しています。