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第一章
束の間の遊戯-03-
やがて、綾音さんが俺をきっと睨む。
「ふ、二見。お、お前……麻耶さんに何を……ま、また何かいかがわしいことでもしたのか!?」
この状況下でなぜ俺に疑いを向けるのだと、思わず言いたかった。
俺はつい先程まで、麻耶さんから魔法を直撃させられそうになったというのに……。
と、愚痴の一つも言いたかったが、綾音さんが俺を見る目は、明らかに不審の色しかない。
ここで文句を言ってもますます信用を無くすだけだろう。
それよりも気になることがあった。
麻耶さんの肉体からは明らかに魔力の痕跡があった。
俺は、未だに座り込んでいる麻耶さんをあらためてじっと見る。
麻耶さんをハイヒールを投げ出して床にペタリと足をつけて、いわゆる「女の子」座りをしている。
あのプライドの高い麻耶さんが人のいる前……しかも俺の目の前でこんな格好をしている時点で、どうにも彼女の様子がおかしいことがよくわかる。
そして、なによりもその下腹部から漏れ出ている魔力……。
麻耶さんはしばしの間の後、ようやくヨロヨロと立ち上がり、
「うう……ああ……この感覚……それに嫌なはずなのになんでこんな気持ちに……」
と、俺から離れるように壁に寄りかかるが、その足には力が入っておらずそのまま座りこんでしまう。
「ふ、二見……い、いえ……旦那様……ああ……あなたはまたわたしに精神操作を……」
そして、麻耶さんは、その艶やかな長い黒髪を振り乱しながら、俺の方を見る。
「麻耶さん……信じてもらえないかと思いますが、精神操作などはしていません。ただ……少し確認したいことが……」
「う、嘘よ……わ、わたしがあなたに対してこんな気持ちになる訳ないわ……違う……わたしの気持ちはあの人だけの……」
「麻耶さんの身に何が起きているか確認できるかもしれません。ただそのためには少し協力を……」
「な、何を……これ以上何をしろと言うの……」
と、麻耶さんは大分動揺しているのか、かなり弱気な様子で言う。
「いえ……別にたいしたことでは……少しその麻耶さんの体を見させていただければ……」
「か、体ですって……な、何をするつもり?」
と、麻耶さんは自らの体を守るように抱きかかえて俺を上目遣いで睨む。
とはいえ、その目つきはいつもの眼光鋭いものではなく、若干涙目にすらなっていた。
俺は不謹慎ながらも、麻耶さんの今の姿から目が離せなかった。
元々大胆に胸を開けたドレス姿だったが、麻耶さんは今床に座り込んでいるために、その豊満過ぎる胸が否が応でも目に入ってくる。
しかも、麻耶さんの頬は朱色に染まっていて、濡れた目を俺に向けている。
いつもの麻耶さんと違ってあまりにも弱々しく、女性らしい姿はそのギャップもあいまってとても妖しくて美しい。
俺がそんな感じで、麻耶さんのことを見ていると、綾音さんが咳払いをして、俺のことを牽制するかのようにジロリと見る。
「二見……何か変な気を起こそうというんじゃないよな?」
俺はそんなに信用がないのか、はたまた気づかぬうちに俺の目がそんなに好色を帯びていたものになっていたのか、いずれにせよ俺はあわてて麻耶さんの体から目を逸らす。
「ごほん……えっとあの麻耶さんの体から魔力の痕跡があるのです。それを確認すれば麻耶さんの体の不調もわかるかと思います。ですから、その部分を直接見させていだければ……」
と、俺がそう言うと、麻耶さんは半信半疑……いや8割方疑いを帯びた顔つきで俺を見る。
綾音さんにいたってははなから信用していないといった様子だ。
「つ、つまり……ま、またあなたの前で肌を晒せというの?」
まあ……麻耶さんが言いたいことはわかる。
見ず知らず……という訳ではないが大した関係でもない男に肌を晒すのには抵抗があるだろう。
「ま、まあ……そういうことになりますね。ただ、別に全てを見る必要はないので、特定の部分だけ——」
と、俺はフォローを入れたつもりだったのだが、
「あ、当たり前でしょう! あなたの前でなんでまたわたしが全てを晒さないといけないのよ!」
と、麻耶さんはさらに顔を真っ赤にして、怒りだす。
どうやら麻耶さんの地雷に触れてしまったようだ。
これ以上何かを言うとますます状況が悪化しそうであったから、俺はただ黙って目をそらすしかなかった。
「ふ、二見。お、お前……麻耶さんに何を……ま、また何かいかがわしいことでもしたのか!?」
この状況下でなぜ俺に疑いを向けるのだと、思わず言いたかった。
俺はつい先程まで、麻耶さんから魔法を直撃させられそうになったというのに……。
と、愚痴の一つも言いたかったが、綾音さんが俺を見る目は、明らかに不審の色しかない。
ここで文句を言ってもますます信用を無くすだけだろう。
それよりも気になることがあった。
麻耶さんの肉体からは明らかに魔力の痕跡があった。
俺は、未だに座り込んでいる麻耶さんをあらためてじっと見る。
麻耶さんをハイヒールを投げ出して床にペタリと足をつけて、いわゆる「女の子」座りをしている。
あのプライドの高い麻耶さんが人のいる前……しかも俺の目の前でこんな格好をしている時点で、どうにも彼女の様子がおかしいことがよくわかる。
そして、なによりもその下腹部から漏れ出ている魔力……。
麻耶さんはしばしの間の後、ようやくヨロヨロと立ち上がり、
「うう……ああ……この感覚……それに嫌なはずなのになんでこんな気持ちに……」
と、俺から離れるように壁に寄りかかるが、その足には力が入っておらずそのまま座りこんでしまう。
「ふ、二見……い、いえ……旦那様……ああ……あなたはまたわたしに精神操作を……」
そして、麻耶さんは、その艶やかな長い黒髪を振り乱しながら、俺の方を見る。
「麻耶さん……信じてもらえないかと思いますが、精神操作などはしていません。ただ……少し確認したいことが……」
「う、嘘よ……わ、わたしがあなたに対してこんな気持ちになる訳ないわ……違う……わたしの気持ちはあの人だけの……」
「麻耶さんの身に何が起きているか確認できるかもしれません。ただそのためには少し協力を……」
「な、何を……これ以上何をしろと言うの……」
と、麻耶さんは大分動揺しているのか、かなり弱気な様子で言う。
「いえ……別にたいしたことでは……少しその麻耶さんの体を見させていただければ……」
「か、体ですって……な、何をするつもり?」
と、麻耶さんは自らの体を守るように抱きかかえて俺を上目遣いで睨む。
とはいえ、その目つきはいつもの眼光鋭いものではなく、若干涙目にすらなっていた。
俺は不謹慎ながらも、麻耶さんの今の姿から目が離せなかった。
元々大胆に胸を開けたドレス姿だったが、麻耶さんは今床に座り込んでいるために、その豊満過ぎる胸が否が応でも目に入ってくる。
しかも、麻耶さんの頬は朱色に染まっていて、濡れた目を俺に向けている。
いつもの麻耶さんと違ってあまりにも弱々しく、女性らしい姿はそのギャップもあいまってとても妖しくて美しい。
俺がそんな感じで、麻耶さんのことを見ていると、綾音さんが咳払いをして、俺のことを牽制するかのようにジロリと見る。
「二見……何か変な気を起こそうというんじゃないよな?」
俺はそんなに信用がないのか、はたまた気づかぬうちに俺の目がそんなに好色を帯びていたものになっていたのか、いずれにせよ俺はあわてて麻耶さんの体から目を逸らす。
「ごほん……えっとあの麻耶さんの体から魔力の痕跡があるのです。それを確認すれば麻耶さんの体の不調もわかるかと思います。ですから、その部分を直接見させていだければ……」
と、俺がそう言うと、麻耶さんは半信半疑……いや8割方疑いを帯びた顔つきで俺を見る。
綾音さんにいたってははなから信用していないといった様子だ。
「つ、つまり……ま、またあなたの前で肌を晒せというの?」
まあ……麻耶さんが言いたいことはわかる。
見ず知らず……という訳ではないが大した関係でもない男に肌を晒すのには抵抗があるだろう。
「ま、まあ……そういうことになりますね。ただ、別に全てを見る必要はないので、特定の部分だけ——」
と、俺はフォローを入れたつもりだったのだが、
「あ、当たり前でしょう! あなたの前でなんでまたわたしが全てを晒さないといけないのよ!」
と、麻耶さんはさらに顔を真っ赤にして、怒りだす。
どうやら麻耶さんの地雷に触れてしまったようだ。
これ以上何かを言うとますます状況が悪化しそうであったから、俺はただ黙って目をそらすしかなかった。
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