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昼休み
9話
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屋上はいつも通り空いていた。
フェンス際のいつもの場所に2人で座った。いつもなら楓が座る場所。
自分の弁当箱を開けた。鮭と、卵焼きと、ブロッコリー。隣の彼も同じものが入ってる。
なんて切り出したらいいかわからないので、お互い無言になりながらお弁当の中身を口の中へ入れる。
美味しいかどうかよくわからなかった。いつもなら楓が感想を言ってくれる。
隣を見ると、そこは楓ではなく、あまり話さないクラスメイト。
「うまい!美味しすぎるよこれ!自分で作ってんの?」
「まあ」
「すごすぎるだろ。もう店開けるよ」
「いいすぎだよ」
褒められると満更でもない。寂しさが溶けていく感覚。
うまいうまいと言われながら食べるご飯は、1人で食べるよりもずっと心を晴れやかにさせた。
悩み事もこのままクラスメイトに話してしまおうかな。
そう思った瞬間、スマホの画面が光る。バイト先だ。
「ごめん、バイト先から連絡が来たから気にせず食べてて」
「美味しすぎるからそのつもりだよ」
調子のいいやつだ。そう思い屋上から校舎の中に入って通話ボタンを押した。
どうやら昨日、雑誌を買った男の子が生徒手帳を店に忘れてしまったらしい。よく見たら私と同じ学校だったとかで、私に確認したかったらしい。
『生徒手帳じゃ携帯番号まで書いてないからね。学校に問い合わせようと思ったんだけど、冬華ちゃんと同じ学校みたいだったから念のため確認したの』
「もし知り合いだったら伝えておきましょうか?」
『そうねぇ、よかったらいいかしら。朝比奈楓くんっていうみたい』
「え!?」
まさか楓だと思わなかった。私が帰る準備をしてる間に雑誌を買ったのか?そういえばよく漫画雑誌を買っていた気がする。
『お友達?』
「え、ええ、まあ」
彼氏ですけど、とは言えなかった。昨日までだったら言えたかもしれないけど、お弁当を断られてしまった今、自信が持てなくなっていた。
「本人に伝えておきます」
『よろしくねぇ』
お礼を言って電話を切り、再び屋上に出ると、クラスメイトはいなくなっていた。
代わりにそこにいたのは。
「楓?」
「冬華」
相変わらず表情は明るくない。それどころか怒ってる……?
しかもなぜか彼は鮭を手で食べている。
「な、何してるの?」
「ご飯食べてる。冬華が作ったお弁当美味しいね」
断ったのになんで食べてるんだ……?そんな私の疑問に答える気はないのか、彼は箸を使わずお弁当を食べきった。
近くにはなぜかへし折られた割り箸が転がっていた。
フェンス際のいつもの場所に2人で座った。いつもなら楓が座る場所。
自分の弁当箱を開けた。鮭と、卵焼きと、ブロッコリー。隣の彼も同じものが入ってる。
なんて切り出したらいいかわからないので、お互い無言になりながらお弁当の中身を口の中へ入れる。
美味しいかどうかよくわからなかった。いつもなら楓が感想を言ってくれる。
隣を見ると、そこは楓ではなく、あまり話さないクラスメイト。
「うまい!美味しすぎるよこれ!自分で作ってんの?」
「まあ」
「すごすぎるだろ。もう店開けるよ」
「いいすぎだよ」
褒められると満更でもない。寂しさが溶けていく感覚。
うまいうまいと言われながら食べるご飯は、1人で食べるよりもずっと心を晴れやかにさせた。
悩み事もこのままクラスメイトに話してしまおうかな。
そう思った瞬間、スマホの画面が光る。バイト先だ。
「ごめん、バイト先から連絡が来たから気にせず食べてて」
「美味しすぎるからそのつもりだよ」
調子のいいやつだ。そう思い屋上から校舎の中に入って通話ボタンを押した。
どうやら昨日、雑誌を買った男の子が生徒手帳を店に忘れてしまったらしい。よく見たら私と同じ学校だったとかで、私に確認したかったらしい。
『生徒手帳じゃ携帯番号まで書いてないからね。学校に問い合わせようと思ったんだけど、冬華ちゃんと同じ学校みたいだったから念のため確認したの』
「もし知り合いだったら伝えておきましょうか?」
『そうねぇ、よかったらいいかしら。朝比奈楓くんっていうみたい』
「え!?」
まさか楓だと思わなかった。私が帰る準備をしてる間に雑誌を買ったのか?そういえばよく漫画雑誌を買っていた気がする。
『お友達?』
「え、ええ、まあ」
彼氏ですけど、とは言えなかった。昨日までだったら言えたかもしれないけど、お弁当を断られてしまった今、自信が持てなくなっていた。
「本人に伝えておきます」
『よろしくねぇ』
お礼を言って電話を切り、再び屋上に出ると、クラスメイトはいなくなっていた。
代わりにそこにいたのは。
「楓?」
「冬華」
相変わらず表情は明るくない。それどころか怒ってる……?
しかもなぜか彼は鮭を手で食べている。
「な、何してるの?」
「ご飯食べてる。冬華が作ったお弁当美味しいね」
断ったのになんで食べてるんだ……?そんな私の疑問に答える気はないのか、彼は箸を使わずお弁当を食べきった。
近くにはなぜかへし折られた割り箸が転がっていた。
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