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Ⅰ.変わらぬ日々
変わらない風景
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「って…ここかよ!?」
お洒落な喫茶店の小さな椅子に座りながら言った。
「そうよ、何言ってるの。電話で言ったでしょ?」
「だとしてもさぁ…、ならなんで集合場所レイの家にしたんだよ…。こっちの方が家からちけぇってのに…。」
ぶつぶつと文句を言うねこみーに
「ねこみーがここまで遅れるとは思ってなかったしね。約束の時間に来てたらここまだ開いてなかったし…。」
と、まさが淡々とした様子で答えた。
店員にメニューを頼み、店内を見回す。何度も見た景色の中に、一つ、見慣れないものがあった。
「ん?」
「ねこみー、どうしたの?」
一点を見つめ眉間に皺を寄せるねこみーに、まさが声をかける。
「わ!」
ねこみーにつられその視線の先を見た彼女もまた、驚いたような表情をした。
視線の先、3つほど先の机の上には、薄汚れた古いたくさんの本が積まれてあった。多分、昔客用に置かれていた本だろう。前に流行った漫画や小説、雑誌などがあった。
「わ、『ねこまりあ』じゃーん!昔読んでたわー、なっつ!!!」
「こらねこみー、勝手に触っちゃだめよ!」
駆け寄って手に取るねこみーに、レイが注意をする。席を立ちかけてたまさが、レイをちらっと見てまた椅子に座った。
店内が騒がしくなり、店員がこちらの様子を窺う。
「店員さーん!ちょっとここにある本見ていい?」
OKの返事を貰い、レイにドヤ顔をする。軽く睨まれたが気にせずまさを呼んだ。まさはレイの顔色を窺いながら小走りでねこみーの傍へ行く。
「あ、『黒の天使』。前読んでた。これ読んで黒髪に憧れたんだよね~。まぁ、三巻だけ見当たらなくなって結局捨てちゃったんだけど。」
「あ、三巻あるぜ。」
「もう他の巻捨てちゃったんだって!」
ねこみーとまさが楽しげに話しているのを見て、イスに座ってこちらを見ていたレイも来た。
「ほんとに古いのばかりね…。あ、『赤い死神』。覚えてる?昔親に脅し文句として使われたの。言うこと聞かないと赤い死神が来るよ、って。」
「あー、言われたー!昔はすごく怖かったけど、今となってはあんなに怖がってたのがばかみたい。」
「赤い死神ってあれだろ、スカーフが剣に変わって刺してくるとかのだろ。そんで返り血で真っ赤に染まったとか。」
「え?マフラーでぐるぐる巻にして破裂させてその返り血じゃなかった?」
「そんなにグロテスクだったの?私聞いたの血のように赤い瞳を見ると空から血の雨が降ってくるって言われたんだけど。だからしばらく自分の目見るの怖かったんだよね。」
「お前のとこもなかなかグロテスクだよ。ていうか確か自分に刃向かったものを家族だろうと関係なく殺したやつだったよな?」
「普通に無差別殺人やってて止めようとした天使の片翼をもいだって話も聞いた気がするわ。」
「結局味方だった人たちも殺しちゃったんだっけ?たしかちょっと止められたから、とか。それで言うこと聞かないと来るよって言われてたんだよね?」
「そんな話だったっけなぁ。まぁ、こういう話って尾ひれはひれついて意味わかんなくなってっからな、でも確かこの話が出来たの私たちが生まれるちょっと前だよな、確か。」
「確かね。というかなんか別名あったわよね、それを元に描いた漫画とかすごい流行ってた。」
「あ、赤鬼じゃなかった?漫画から映画化したよね。あの時の鬼役が怖かったー!」
「えー、まさヒビりすぎかよ。」
しばらくの間、そんな話で盛り上がった。
おもむろに店員が、注文したものを運んできた。慌てて席に戻り、取り分ける。昔懐かしい本の話をしていたせいか、飲んだミルクココアは子供時代を思い出させる味がした。
お洒落な喫茶店の小さな椅子に座りながら言った。
「そうよ、何言ってるの。電話で言ったでしょ?」
「だとしてもさぁ…、ならなんで集合場所レイの家にしたんだよ…。こっちの方が家からちけぇってのに…。」
ぶつぶつと文句を言うねこみーに
「ねこみーがここまで遅れるとは思ってなかったしね。約束の時間に来てたらここまだ開いてなかったし…。」
と、まさが淡々とした様子で答えた。
店員にメニューを頼み、店内を見回す。何度も見た景色の中に、一つ、見慣れないものがあった。
「ん?」
「ねこみー、どうしたの?」
一点を見つめ眉間に皺を寄せるねこみーに、まさが声をかける。
「わ!」
ねこみーにつられその視線の先を見た彼女もまた、驚いたような表情をした。
視線の先、3つほど先の机の上には、薄汚れた古いたくさんの本が積まれてあった。多分、昔客用に置かれていた本だろう。前に流行った漫画や小説、雑誌などがあった。
「わ、『ねこまりあ』じゃーん!昔読んでたわー、なっつ!!!」
「こらねこみー、勝手に触っちゃだめよ!」
駆け寄って手に取るねこみーに、レイが注意をする。席を立ちかけてたまさが、レイをちらっと見てまた椅子に座った。
店内が騒がしくなり、店員がこちらの様子を窺う。
「店員さーん!ちょっとここにある本見ていい?」
OKの返事を貰い、レイにドヤ顔をする。軽く睨まれたが気にせずまさを呼んだ。まさはレイの顔色を窺いながら小走りでねこみーの傍へ行く。
「あ、『黒の天使』。前読んでた。これ読んで黒髪に憧れたんだよね~。まぁ、三巻だけ見当たらなくなって結局捨てちゃったんだけど。」
「あ、三巻あるぜ。」
「もう他の巻捨てちゃったんだって!」
ねこみーとまさが楽しげに話しているのを見て、イスに座ってこちらを見ていたレイも来た。
「ほんとに古いのばかりね…。あ、『赤い死神』。覚えてる?昔親に脅し文句として使われたの。言うこと聞かないと赤い死神が来るよ、って。」
「あー、言われたー!昔はすごく怖かったけど、今となってはあんなに怖がってたのがばかみたい。」
「赤い死神ってあれだろ、スカーフが剣に変わって刺してくるとかのだろ。そんで返り血で真っ赤に染まったとか。」
「え?マフラーでぐるぐる巻にして破裂させてその返り血じゃなかった?」
「そんなにグロテスクだったの?私聞いたの血のように赤い瞳を見ると空から血の雨が降ってくるって言われたんだけど。だからしばらく自分の目見るの怖かったんだよね。」
「お前のとこもなかなかグロテスクだよ。ていうか確か自分に刃向かったものを家族だろうと関係なく殺したやつだったよな?」
「普通に無差別殺人やってて止めようとした天使の片翼をもいだって話も聞いた気がするわ。」
「結局味方だった人たちも殺しちゃったんだっけ?たしかちょっと止められたから、とか。それで言うこと聞かないと来るよって言われてたんだよね?」
「そんな話だったっけなぁ。まぁ、こういう話って尾ひれはひれついて意味わかんなくなってっからな、でも確かこの話が出来たの私たちが生まれるちょっと前だよな、確か。」
「確かね。というかなんか別名あったわよね、それを元に描いた漫画とかすごい流行ってた。」
「あ、赤鬼じゃなかった?漫画から映画化したよね。あの時の鬼役が怖かったー!」
「えー、まさヒビりすぎかよ。」
しばらくの間、そんな話で盛り上がった。
おもむろに店員が、注文したものを運んできた。慌てて席に戻り、取り分ける。昔懐かしい本の話をしていたせいか、飲んだミルクココアは子供時代を思い出させる味がした。
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