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Ⅱ.王
王
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「ただいま戻りました。」
セオが、奥にいた背の高い青年に向かって言う。
「…来たか。」
青年が振り向く。碧い瞳と少しくすんだ金髪。少し古い革ジャンの中には【King】と描かれたTシャツを着ていた。
「二人は?」
その問いかけに、セオはチルへ目配せした。
「ちょっと、離せよ!」
「ねー服伸びるんだけどー?」
騒がしい声と共に、二人が姿を現す。ねこみーとたいたーである。二人は王の前へと雑に投げられた。
「へー、お前がリーダー?」
ねこみーの問いかけに対し、青年はゆっくりと、そして鋭く睨みつけた。
「ふーん。思ったより人数は少ないみたいだな。こんなんで世界を征服出来んの?」
「お前っ!レオウ様になんて無礼なことを!!」
叫ぶセオを、チルが慌てて止める。
「レオウって言うのね。あのガキんちょ二人と、お前と、服屋で暴れてたやつ。それと…。」
視線を青年の奥に向ける。
「奥にも誰か一人…いや二人、いるだろ?」
「…そうだな。」
「もっといるもんだと思ってた。意外と少ないもんなんだな。」
「俺たち猫科の動物は強い。一個体ずつにパワーがある。数よりも質だ。強さだ。少なかろうと戦力はある。」
「だったらなんで私達を連れてこようとしたんだ?今でもだいぶ戦力はあるだろ?」
王が目を泳がせた。
「…多くいた方が…まだ戦力になるだろ…。」
「人数いらないって言ってたのに?」
「………………必要最低限だ。」
王は頬に汗を伝わせながら答えた。
「もうやめてやれよ…。王はちょっと抜けてるんだよ…。」
というチルの呟きが微かに聞こえて、たいたーは吹き出しそうになるのを堪えた。
「この中にはパワー型と頭脳型がいる。その二人を組み合わせて行動させている。だからお互い護り護られの強いコンビが出来上がるんだ。その為には必要最低限の人数は必要だろう。」
レオウは真剣な眼差しで姉弟を見る。
「まぁ一理あるんだけどさ。」
ねこみーが一度深く頷き、顔を上げる。
「それって偶数じゃないといけなくないか?今奇数だし、私ら二人入っても奇数だけど。」
王の頭に一瞬たくさんのハテナが浮かんでいたが、すぐに理解したようで慌てふためく。
「いや、それは、その…あれだ。」
一度目を閉じ、再び開く。
「俺は、状況を報告される立場だから下手に動かない。待機、計画が進んだり悪化した場合の切り札だ。」
楽してんじゃねぇか、とも思ったが、まぁいいやと流した。
「え、てかもう帰っていい?」
少女の純粋な質問に、王たちはポカンとしていた。
「ダメだ。入ってもらうまで拘束は解かない。仮に入ったらしばらくはここでの生活だがな。」
「クソ野郎かよ。」
ねこみーが呆れ返る。
「入らないって言ってるのに…。僕らは別に今の生活でも充分満喫してるっての。」
たいたーが呟いた。だいぶ時間を気にしているようで、余程まひよに会いたいのか、と思った。
「もうサー、今日久しぶりに姉が帰ってきてるのー。あの人滅多に帰ってこないんだよー?もう帰らせろよー。」
駄々を捏ねても、どうしても帰してはくれないらしい。だんだんと日が落ちてきた。空が血のように赤く染まってきていた。
セオが、奥にいた背の高い青年に向かって言う。
「…来たか。」
青年が振り向く。碧い瞳と少しくすんだ金髪。少し古い革ジャンの中には【King】と描かれたTシャツを着ていた。
「二人は?」
その問いかけに、セオはチルへ目配せした。
「ちょっと、離せよ!」
「ねー服伸びるんだけどー?」
騒がしい声と共に、二人が姿を現す。ねこみーとたいたーである。二人は王の前へと雑に投げられた。
「へー、お前がリーダー?」
ねこみーの問いかけに対し、青年はゆっくりと、そして鋭く睨みつけた。
「ふーん。思ったより人数は少ないみたいだな。こんなんで世界を征服出来んの?」
「お前っ!レオウ様になんて無礼なことを!!」
叫ぶセオを、チルが慌てて止める。
「レオウって言うのね。あのガキんちょ二人と、お前と、服屋で暴れてたやつ。それと…。」
視線を青年の奥に向ける。
「奥にも誰か一人…いや二人、いるだろ?」
「…そうだな。」
「もっといるもんだと思ってた。意外と少ないもんなんだな。」
「俺たち猫科の動物は強い。一個体ずつにパワーがある。数よりも質だ。強さだ。少なかろうと戦力はある。」
「だったらなんで私達を連れてこようとしたんだ?今でもだいぶ戦力はあるだろ?」
王が目を泳がせた。
「…多くいた方が…まだ戦力になるだろ…。」
「人数いらないって言ってたのに?」
「………………必要最低限だ。」
王は頬に汗を伝わせながら答えた。
「もうやめてやれよ…。王はちょっと抜けてるんだよ…。」
というチルの呟きが微かに聞こえて、たいたーは吹き出しそうになるのを堪えた。
「この中にはパワー型と頭脳型がいる。その二人を組み合わせて行動させている。だからお互い護り護られの強いコンビが出来上がるんだ。その為には必要最低限の人数は必要だろう。」
レオウは真剣な眼差しで姉弟を見る。
「まぁ一理あるんだけどさ。」
ねこみーが一度深く頷き、顔を上げる。
「それって偶数じゃないといけなくないか?今奇数だし、私ら二人入っても奇数だけど。」
王の頭に一瞬たくさんのハテナが浮かんでいたが、すぐに理解したようで慌てふためく。
「いや、それは、その…あれだ。」
一度目を閉じ、再び開く。
「俺は、状況を報告される立場だから下手に動かない。待機、計画が進んだり悪化した場合の切り札だ。」
楽してんじゃねぇか、とも思ったが、まぁいいやと流した。
「え、てかもう帰っていい?」
少女の純粋な質問に、王たちはポカンとしていた。
「ダメだ。入ってもらうまで拘束は解かない。仮に入ったらしばらくはここでの生活だがな。」
「クソ野郎かよ。」
ねこみーが呆れ返る。
「入らないって言ってるのに…。僕らは別に今の生活でも充分満喫してるっての。」
たいたーが呟いた。だいぶ時間を気にしているようで、余程まひよに会いたいのか、と思った。
「もうサー、今日久しぶりに姉が帰ってきてるのー。あの人滅多に帰ってこないんだよー?もう帰らせろよー。」
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