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Ⅱ.王
瞳
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何度も帰ろうと駄々を捏ねたものの集団の意志は強いらしく、とりあえずそのまま取り残されることとなった。
「ねー、拘束とってー!」
「お風呂はーー?!」
「ちょっとトイレ行きたいんだけどー!!」
「もー帰りたーい!」
息を吐くように我儘を言うねこみーに振り回す男たちを見ながら、たいたーは大きな溜め息を吐く。妹の居ない生活は何年ぶりだろう、と考えながら目を瞑った。昔、まだ彼らが幼かった頃、行事で妹と離れなければならなかった時あまりにも嫌で暴れ回ったなぁ…としんみりしつつ、早く会いたいと顔を伏せた。
「おい。」
不意に声を掛けられた。声のした方へ顔を向けると、金髪の少年、チルがいた。
「何?」
不審に思って問うと、チルは困ったように一度目を逸らした。
「お前の姉ちゃん、元気だな…。」
「まあね。」
「いつもあんななのか?」
「まあ。」
「大変だな。」
「まあね。」
「………お前はまあねしか言えないのかよ…。」
チルが目を細めて不満そうにたいたーを見た。
「別に、仲間になったつもりはないしね。」
…酷いやつだな、と顔を背けてボソッと呟いた。
「無理矢理こんな所に連れてきた君とそんな君を蔑ろにする僕、果たしてどっちが酷いんだろうね。」
たいたーがじっとりとした瞳でチルを見つめる。
「…そっ、それは…」
「はーーーなーーーせーーー!!!!!!」
突然の大声に驚いて声の方に振り返る。恐らく逃げ出そうとしたのであろうねこみーがレオウとセオ、そしてもう一人の細い男に抑えられていたのだ。
「あいつは『よーま』ってんだ。いつもはあまり仲間のとこに来ないんだけど…。」
よーま、と呼ばれる彼を見ながら、チルが不思議そうに言った。
「あいつ頭が良くてな、いつもはるがと組まされてる。気が弱いだけに気の毒なやつだよ。」
笑いながら言うチルを横目にたいたーは早く帰りたい、と大きなため息をついた。
「ねー、拘束とってー!」
「お風呂はーー?!」
「ちょっとトイレ行きたいんだけどー!!」
「もー帰りたーい!」
息を吐くように我儘を言うねこみーに振り回す男たちを見ながら、たいたーは大きな溜め息を吐く。妹の居ない生活は何年ぶりだろう、と考えながら目を瞑った。昔、まだ彼らが幼かった頃、行事で妹と離れなければならなかった時あまりにも嫌で暴れ回ったなぁ…としんみりしつつ、早く会いたいと顔を伏せた。
「おい。」
不意に声を掛けられた。声のした方へ顔を向けると、金髪の少年、チルがいた。
「何?」
不審に思って問うと、チルは困ったように一度目を逸らした。
「お前の姉ちゃん、元気だな…。」
「まあね。」
「いつもあんななのか?」
「まあ。」
「大変だな。」
「まあね。」
「………お前はまあねしか言えないのかよ…。」
チルが目を細めて不満そうにたいたーを見た。
「別に、仲間になったつもりはないしね。」
…酷いやつだな、と顔を背けてボソッと呟いた。
「無理矢理こんな所に連れてきた君とそんな君を蔑ろにする僕、果たしてどっちが酷いんだろうね。」
たいたーがじっとりとした瞳でチルを見つめる。
「…そっ、それは…」
「はーーーなーーーせーーー!!!!!!」
突然の大声に驚いて声の方に振り返る。恐らく逃げ出そうとしたのであろうねこみーがレオウとセオ、そしてもう一人の細い男に抑えられていたのだ。
「あいつは『よーま』ってんだ。いつもはあまり仲間のとこに来ないんだけど…。」
よーま、と呼ばれる彼を見ながら、チルが不思議そうに言った。
「あいつ頭が良くてな、いつもはるがと組まされてる。気が弱いだけに気の毒なやつだよ。」
笑いながら言うチルを横目にたいたーは早く帰りたい、と大きなため息をついた。
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