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第一章 無知な少女の成長記
ナイフは友達
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細胞の魔力浸食率100%になってからというもの私の身体能力、五感、魔力操作はポンコツになり、五感以外の能力は日常生活に支障をきたすレベルになってしまいました。もう半月くらいは師匠による介護生活を送っています。
え?お前3歳児なのに今までどうやってたんだって?そりゃ…浮いてましたからね魔法で。あと自分で魔法で綺麗に出来てたんで問題なかったんですよ!
その魔法が使えなくなって、おまけに破壊神になって今までの平穏な日常は奪われたのです。
くそぉ早く浄化魔法じゃなくてお風呂に入りたい…おい「ツルペタのチビッ子が何いっちょ前に人に見られるの恥ずかし~って言ってんだ」って?幼女には幼女なりのプライドと尊厳があんですよ。それと何でもかんでも人の助けがないとできない生活はかなりストレスで、少々グレ気味なのは大目に見てほしいです。
本当に屈辱なんです…この
おしめ!!!!
トイレにも行けない私はこうしておしめをして垂れ流しているわけです。最初は発狂していました。それも毎日おしめはキツイものがあります。唯一の救いは師匠が浄化魔法で全てを綺麗にしてくれること!
そして今私はこの状態で今日の訓練を受けます。
「これをやろう、ワシにはもう不要なものじゃからのぉ。今日から常にこれを持っていなさい。」
そう言って渡されたのは私の小さな片手で持てる太さの短剣でした。綺麗な紫色の宝石が埋め込まれて綺麗ですけど…えっと?これから暗殺者にでもなるんですか私。
「これを身体に慣らすんじゃ。ナイフは危険な物じゃが同時に自分を守る刃にもなる。使い慣らせばさらに多くの事が出来、きっとお前の役に立つじゃろうよ。」
「分かりました。目をつぶっても的に当てられるように使い慣らしてみせますね!」
ギュッと握り取り合えずペン回しの要領でクルクルと…『パスッ』
WOW!切れ味は抜群だぁ…骨がこんにちはしっちゃてますね。これは私のキレッキレの動きのお陰かな?肉が切れっ切れなだけに!ハハハハハ……いや笑えねえです。
「いや私腕力の調節はだいぶできるようになりましたよ!?それに物理耐性や防御力も!それなのにこの現状!何この切れ味怖いです!」
「ふぉっふぉっふぉ。凄いじゃろう?これは持ち主の魔力や大気中の魔素を吸って強く自由に変化する呪いの魔剣!《エクスカリバー》じゃ!」
「いやエクスカリバー呪われてんじゃないですか!?」
「ちなみに妻の手作りじゃぞ。ある時喧嘩した怒りのまま呪いかけたみたいで、解呪できんほど馴染んでしまってなぁ。もうこの剣の特性になってしもうたわい。」
おいおい奥様エクスカリバーって名前つけたなら最後まで貫きましょうよ。イライラして呪いかけます?そこは石にでもブッ刺しときましょうよぉ。というか…どう考えてもこの世界にアーサー王伝説があるなんて奇跡あるわけありません。ならば考えられるのは一つです。
「奥様も転生者だったんですか?」
「おー言い忘れとったがそうじゃぞ。これがこんな魔剣になってしまった時は何故か爆笑しておったな。そしてこれが鞘じゃよ」
なるほど、だから私が転生者だって言っても驚かず直ぐに信じてくれたんですね。
それにしても、あぁ…奥様師匠に余計な事教えてないですよね?聞いた感じ二人とも破天荒だからもう手遅れな気がしてますけど…。
手渡された鞘も形の変化が可能みたいです。デザインは黒色の皮のような生地に金?にしては『オリハルコンじゃよ』なるほど。そのオリハルコンがツタのように美しく絡みかつ持ちやすくてとても使い心地がいいですね。剣と同じ宝石が埋め込んであって対になっているのがわかります。これは…あれなのでしょうか…持っていたらどんな攻撃からも傷を受けないとか…
「いや防御系の効果はないぞ?」
ないんかい!とことんこちらの期待を裏切りますね奥様!
「じゃがその鞘には完璧な防御魔法を付与したみたいでな。ワシでも傷をつけることが出来んかったわい!この鞘を作るのに人生の大半をかけた力作だそうじゃぞ?」
いや傷を受けないのはそっちかよ!というか師匠、奥様が丹精込めた作品に傷つけようとしたんですか!?さっきの喧嘩って絶対それが原因ですよね。そりゃ剣を石にブッ刺すくらいじゃ収まらない怒りになりますよ!
その後鞘には剣の修復機能や剣にもなれるそうで二刀流ができるそうです!奥様…色々詰め込みましたね。武器以外の服とかにもなんでもなれるじゃないですかこれ。あと多分面倒臭がりなんでしょうね、剣の手入れしたくなかったんでしょ奥様…。
「気に入ったようで良かったが基本鞘には入れずに腰に持っておくんじゃぞ?刃に慣れるためとその魔剣の主として認められる必要があるからの。」
「認められるって…自我があるんですか?」
えー…奥様いったい何者なんですか…しゃべるんですかねこれ…どうしよう握り潰したら死んじゃうんですかね?だめです緊張したら余計にコントロールが!
「そうなんじゃが実はワシそいつに嫌われておるから、詳しいことはよくわからんのじゃよ。鞘を壊そうとした時以来、人型になったそやつに無視や嫌がらせをされるは、攻撃を仕掛けられるはでのぉ。主である妻が死んでからずっとこの短剣の状態じゃ。」
そりゃ相方を破壊されそうになれば嫌われますよ。なんだか師匠にツッコんだら脱力しちゃいました。
『安心してください、私は師匠のような暴れん坊将軍ではありません。これからよろしくお願いしますね』
そう心の中で《エクスカリバー》に語り掛けます。そこであることに気が付きました。
「鞘に自我と名前はないんですか?」
「自我はあるぞ。剣と共に人型で妻の世話をしておったからの。ただ『私たちは二人で一つ』って言っておったから鞘も《エクスカリバー》じゃな。妻が何度も名前を付けようとしておったが断っていたわ。」
奥様絶対《アヴァロン》って付けたかったですよね。ここまで来たら鞘の名前はそれしかないですもんね。
「ルークよ。こやつらは妻を失ってからずっとこのまま話すことも動くこともないただのモノになってしまった。もし…これからこやつらの真の主になることが出来たらー」
「はい!」
ゴルバチョフは嬉しそうに《エクスカリバー》に語り掛ける弟子の姿を見て微笑んだ。
ーーーーーーーーーーー
破天荒な奥さんでっす
次回 手足が短いんです
え?お前3歳児なのに今までどうやってたんだって?そりゃ…浮いてましたからね魔法で。あと自分で魔法で綺麗に出来てたんで問題なかったんですよ!
その魔法が使えなくなって、おまけに破壊神になって今までの平穏な日常は奪われたのです。
くそぉ早く浄化魔法じゃなくてお風呂に入りたい…おい「ツルペタのチビッ子が何いっちょ前に人に見られるの恥ずかし~って言ってんだ」って?幼女には幼女なりのプライドと尊厳があんですよ。それと何でもかんでも人の助けがないとできない生活はかなりストレスで、少々グレ気味なのは大目に見てほしいです。
本当に屈辱なんです…この
おしめ!!!!
トイレにも行けない私はこうしておしめをして垂れ流しているわけです。最初は発狂していました。それも毎日おしめはキツイものがあります。唯一の救いは師匠が浄化魔法で全てを綺麗にしてくれること!
そして今私はこの状態で今日の訓練を受けます。
「これをやろう、ワシにはもう不要なものじゃからのぉ。今日から常にこれを持っていなさい。」
そう言って渡されたのは私の小さな片手で持てる太さの短剣でした。綺麗な紫色の宝石が埋め込まれて綺麗ですけど…えっと?これから暗殺者にでもなるんですか私。
「これを身体に慣らすんじゃ。ナイフは危険な物じゃが同時に自分を守る刃にもなる。使い慣らせばさらに多くの事が出来、きっとお前の役に立つじゃろうよ。」
「分かりました。目をつぶっても的に当てられるように使い慣らしてみせますね!」
ギュッと握り取り合えずペン回しの要領でクルクルと…『パスッ』
WOW!切れ味は抜群だぁ…骨がこんにちはしっちゃてますね。これは私のキレッキレの動きのお陰かな?肉が切れっ切れなだけに!ハハハハハ……いや笑えねえです。
「いや私腕力の調節はだいぶできるようになりましたよ!?それに物理耐性や防御力も!それなのにこの現状!何この切れ味怖いです!」
「ふぉっふぉっふぉ。凄いじゃろう?これは持ち主の魔力や大気中の魔素を吸って強く自由に変化する呪いの魔剣!《エクスカリバー》じゃ!」
「いやエクスカリバー呪われてんじゃないですか!?」
「ちなみに妻の手作りじゃぞ。ある時喧嘩した怒りのまま呪いかけたみたいで、解呪できんほど馴染んでしまってなぁ。もうこの剣の特性になってしもうたわい。」
おいおい奥様エクスカリバーって名前つけたなら最後まで貫きましょうよ。イライラして呪いかけます?そこは石にでもブッ刺しときましょうよぉ。というか…どう考えてもこの世界にアーサー王伝説があるなんて奇跡あるわけありません。ならば考えられるのは一つです。
「奥様も転生者だったんですか?」
「おー言い忘れとったがそうじゃぞ。これがこんな魔剣になってしまった時は何故か爆笑しておったな。そしてこれが鞘じゃよ」
なるほど、だから私が転生者だって言っても驚かず直ぐに信じてくれたんですね。
それにしても、あぁ…奥様師匠に余計な事教えてないですよね?聞いた感じ二人とも破天荒だからもう手遅れな気がしてますけど…。
手渡された鞘も形の変化が可能みたいです。デザインは黒色の皮のような生地に金?にしては『オリハルコンじゃよ』なるほど。そのオリハルコンがツタのように美しく絡みかつ持ちやすくてとても使い心地がいいですね。剣と同じ宝石が埋め込んであって対になっているのがわかります。これは…あれなのでしょうか…持っていたらどんな攻撃からも傷を受けないとか…
「いや防御系の効果はないぞ?」
ないんかい!とことんこちらの期待を裏切りますね奥様!
「じゃがその鞘には完璧な防御魔法を付与したみたいでな。ワシでも傷をつけることが出来んかったわい!この鞘を作るのに人生の大半をかけた力作だそうじゃぞ?」
いや傷を受けないのはそっちかよ!というか師匠、奥様が丹精込めた作品に傷つけようとしたんですか!?さっきの喧嘩って絶対それが原因ですよね。そりゃ剣を石にブッ刺すくらいじゃ収まらない怒りになりますよ!
その後鞘には剣の修復機能や剣にもなれるそうで二刀流ができるそうです!奥様…色々詰め込みましたね。武器以外の服とかにもなんでもなれるじゃないですかこれ。あと多分面倒臭がりなんでしょうね、剣の手入れしたくなかったんでしょ奥様…。
「気に入ったようで良かったが基本鞘には入れずに腰に持っておくんじゃぞ?刃に慣れるためとその魔剣の主として認められる必要があるからの。」
「認められるって…自我があるんですか?」
えー…奥様いったい何者なんですか…しゃべるんですかねこれ…どうしよう握り潰したら死んじゃうんですかね?だめです緊張したら余計にコントロールが!
「そうなんじゃが実はワシそいつに嫌われておるから、詳しいことはよくわからんのじゃよ。鞘を壊そうとした時以来、人型になったそやつに無視や嫌がらせをされるは、攻撃を仕掛けられるはでのぉ。主である妻が死んでからずっとこの短剣の状態じゃ。」
そりゃ相方を破壊されそうになれば嫌われますよ。なんだか師匠にツッコんだら脱力しちゃいました。
『安心してください、私は師匠のような暴れん坊将軍ではありません。これからよろしくお願いしますね』
そう心の中で《エクスカリバー》に語り掛けます。そこであることに気が付きました。
「鞘に自我と名前はないんですか?」
「自我はあるぞ。剣と共に人型で妻の世話をしておったからの。ただ『私たちは二人で一つ』って言っておったから鞘も《エクスカリバー》じゃな。妻が何度も名前を付けようとしておったが断っていたわ。」
奥様絶対《アヴァロン》って付けたかったですよね。ここまで来たら鞘の名前はそれしかないですもんね。
「ルークよ。こやつらは妻を失ってからずっとこのまま話すことも動くこともないただのモノになってしまった。もし…これからこやつらの真の主になることが出来たらー」
「はい!」
ゴルバチョフは嬉しそうに《エクスカリバー》に語り掛ける弟子の姿を見て微笑んだ。
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破天荒な奥さんでっす
次回 手足が短いんです
応援ありがとうございます!
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