38 / 310
第1章 魔の森編
第23話-2 公爵の面子
しおりを挟む勲章だって? アンビリバボー
しかし、オレの気持ちとは裏腹に、父上の話はどんどん重くなっていく。
「つまり、そなたはジャイアントビーの巣を魔法を使って持ち帰ってきた歴史上初めての人間となる。普通ならば勲章ものだ。それも上位のな」
「いえ、そのようなものなどいりませぬ」
マジでいらない。オレはのんびりしたいだけなのに。「お裾分け」マズかったかなぁ。でも、後でバレたら、絶対に叱られるしな~
気乗りしない表情がわかったのだろう。黙ってオレの貌を見つめた父上は、は~っとため息をついた。
「なるほど。帝国の上位勲章すら『そのようなもの』に過ぎないのであるか。相変わらずの傲慢ぶりだ。勲章よりも、嫡子交代が間違いであったと我に言わせたいのであるな?」
それって疑問文じゃないですよねー そりゃ怒るよね。自分の決めたことに抗議するよりもヒドいやり方の「仕返し」したことになるんだもん。
「だが、そなたの思い通りにするわけにはいかんぞ。陛下と協議の上、非嫡子ながら第二姫の婚約者として「筆頭」候補とした。いや、非嫡子であるからこそ、婚約者となれるわけであるがな。一代限りとは言え我が家から別の公爵家を立てることも可能となる」
「え!」
第二姫と言えば、確かに美形で品のある挙措と、膨大な魔力持ちなのは確かだ。オレが設定したんだし。
でも、あらゆるところで暗躍をしてくる「腹黒姫」なんて、絶対にいらないんですけどぉ。
チラッと父上が横を見た。それを引き取って母上が微笑を浮かべながら言った。
「本来ならエリザベスさんと婚約させるところよ。でも、こうなってしまった以上、あなたは帝国学園ではサマンサ様の婚約者候補としてお振る舞いなさい。大丈夫、エリザベスさん次第の部分はあるけれども、皇帝陛下は、それも含めてお認めになったことですからね」
正妻が第二姫で側妃がエリザベスって言う、見かけは豪勢だけど、胃が痛くなる組み合わせじゃないの?
それって罰ゲーム以外の何ものでもないわけで。
けれども、父上の貌を見ると「いりません」なんて、とてもではないが言えない状態だ。しかも、黙っているオレを見て言葉を被せてきた。
「そなたのことだ。分かっていると思うが念のために言う。陛下には、姫がお三人しかおらなんだ。第二姫の帝位継承順位は、そのまま第二位であるが、女性皇帝は立てないのが祖法である。すなわち、第二姫の夫とは、このアモーア帝国皇帝の可能性があるということ。そこをわきまえて身を慎むように」
ちょーいらないんですけど!
「まもなく、学園が始まる。くれぐれも、そなたの振る舞いを正すことを命じておく」
「はっ、しかと、承りました」
答えたものの、本音は違う。
そんなもん、承りたくないわい! のんびりする計画をどうしてくれるんだ!
その時のオレは甘かった。「オレの中のマルス」が発していた警告音を、本気で考えていなかったんだ。
29
あなたにおすすめの小説
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
悪役顔のモブに転生しました。特に影響が無いようなので好きに生きます
竹桜
ファンタジー
ある部屋の中で男が画面に向かいながら、ゲームをしていた。
そのゲームは主人公の勇者が魔王を倒し、ヒロインと結ばれるというものだ。
そして、ヒロインは4人いる。
ヒロイン達は聖女、剣士、武闘家、魔法使いだ。
エンドのルートしては六種類ある。
バットエンドを抜かすと、ハッピーエンドが五種類あり、ハッピーエンドの四種類、ヒロインの中の誰か1人と結ばれる。
残りのハッピーエンドはハーレムエンドである。
大好きなゲームの十回目のエンディングを迎えた主人公はお腹が空いたので、ご飯を食べようと思い、台所に行こうとして、足を滑らせ、頭を強く打ってしまった。
そして、主人公は不幸にも死んでしまった。
次に、主人公が目覚めると大好きなゲームの中に転生していた。
だが、主人公はゲームの中で名前しか出てこない悪役顔のモブに転生してしまった。
主人公は大好きなゲームの中に転生したことを心の底から喜んだ。
そして、折角転生したから、この世界を好きに生きようと考えた。
悪徳領主の息子に転生しました
アルト
ファンタジー
悪徳領主。その息子として現代っ子であった一人の青年が転生を果たす。
領民からは嫌われ、私腹を肥やす為にと過分過ぎる税を搾り取った結果、家の外に出た瞬間にその息子である『ナガレ』が領民にデカイ石を投げつけられ、意識不明の重体に。
そんな折に転生を果たすという不遇っぷり。
「ちょ、ま、死亡フラグ立ち過ぎだろおおおおお?!」
こんな状態ではいつ死ぬか分かったもんじゃない。
一刻も早い改善を……!と四苦八苦するも、転生前の人格からは末期過ぎる口調だけは受け継いでる始末。
これなんて無理ゲー??
[完結]前世引きこもりの私が異世界転生して異世界で新しく人生やり直します
mikadozero
ファンタジー
私は、鈴木凛21歳。自分で言うのはなんだが可愛い名前をしている。だがこんなに可愛い名前をしていても現実は甘くなかった。
中高と私はクラスの隅で一人ぼっちで生きてきた。だから、コミュニケーション家族以外とは話せない。
私は社会では生きていけないほどダメ人間になっていた。
そんな私はもう人生が嫌だと思い…私は命を絶った。
自分はこんな世界で良かったのだろうかと少し後悔したが遅かった。次に目が覚めた時は暗闇の世界だった。私は死後の世界かと思ったが違かった。
目の前に女神が現れて言う。
「あなたは命を絶ってしまった。まだ若いもう一度チャンスを与えましょう」
そう言われて私は首を傾げる。
「神様…私もう一回人生やり直してもまた同じですよ?」
そう言うが神は聞く耳を持たない。私は神に対して呆れた。
神は書類を提示させてきて言う。
「これに書いてくれ」と言われて私は書く。
「鈴木凛」と署名する。そして、神は書いた紙を見て言う。
「鈴木凛…次の名前はソフィとかどう?」
私は頷くと神は笑顔で言う。
「次の人生頑張ってください」とそう言われて私の視界は白い世界に包まれた。
ーーーーーーーーー
毎話1500文字程度目安に書きます。
たまに2000文字が出るかもです。
伯爵令息は後味の悪いハッピーエンドを回避したい
えながゆうき
ファンタジー
停戦中の隣国の暗殺者に殺されそうになったフェルナンド・ガジェゴス伯爵令息は、目を覚ますと同時に、前世の記憶の一部を取り戻した。
どうやらこの世界は前世で妹がやっていた恋愛ゲームの世界であり、自分がその中の攻略対象であることを思い出したフェルナンド。
だがしかし、同時にフェルナンドがヒロインとハッピーエンドを迎えると、クーデターエンドを迎えることも思い出した。
もしクーデターが起これば、停戦中の隣国が再び侵攻してくることは間違いない。そうなれば、祖国は簡単に蹂躙されてしまうだろう。
後味の悪いハッピーエンドを回避するため、フェルナンドの戦いが今始まる!
捨て子の僕が公爵家の跡取り⁉~喋る聖剣とモフモフに助けられて波乱の人生を生きてます~
伽羅
ファンタジー
物心がついた頃から孤児院で育った僕は高熱を出して寝込んだ後で自分が転生者だと思い出した。そして10歳の時に孤児院で火事に遭遇する。もう駄目だ! と思った時に助けてくれたのは、不思議な聖剣だった。その聖剣が言うにはどうやら僕は公爵家の跡取りらしい。孤児院を逃げ出した僕は聖剣とモフモフに助けられながら生家を目指す。
ヒロインですが、舞台にも上がれなかったので田舎暮らしをします
未羊
ファンタジー
レイチェル・ウィルソンは公爵令嬢
十二歳の時に王都にある魔法学園の入学試験を受けたものの、なんと不合格になってしまう
好きなヒロインとの交流を進める恋愛ゲームのヒロインの一人なのに、なんとその舞台に上がれることもできずに退場となってしまったのだ
傷つきはしたものの、公爵の治める領地へと移り住むことになったことをきっかけに、レイチェルは前世の夢を叶えることを計画する
今日もレイチェルは、公爵領の片隅で畑を耕したり、お店をしたりと気ままに暮らすのだった
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる