227 / 310
第3章 帝国学園 2年生編
第73話-2 オレはガイア 6
しおりを挟む
ソロプレイか~
まあ「フライ」が使える分だけ、マシはマシだよ。ヤバそうな魔物は空に浮かんで回避できるからね。
だけど、たとえ魔法の原理はナノマシンを使うことだって分かっていても、命令するためには魔力を消費するんだ。そして「フライ」の場合、空に浮かぶこと自体は簡単だけど、空中姿勢から飛ぶ方向、スピード、あらゆることを制御するのは難しい。
ナノマシンに色々な制御命令を伝達する「魔力」だって、猛烈な速度で消費し続けるわけで、すぐに動けなくなってしまう。でフライは「無意識に姿勢制御ができるくらいの練習が必要」という意味で、力任せに使える魔法じゃなかった。
そのうち、練習するにしても、今のオレにとっては苦労するだけのメリットはない。それなら身体強化の魔法で地上を走った方が1日に進める距離が長いことが分かったんだ。
フライ、使えねー
結局、高い木のてっぺんの方までフライで上がって、そこで身体を縛り付けて寝るっていう使い方に落ち着いた。
強い魔物は上がってこられないんで、簡単な防御壁《シールド》を下側に張るだけでゆっくり眠れるわけ……があるかあぁああ!
木に身体を縛り付けて枝の上で寝る?
寝られるか、そんなもん。ロッククライミングしてるんじゃないんだから。結局簡素な身長くらいの長さの木製の板を持ち歩いて、それを固定《ロック》魔法で動かないようにして、そこに寝る形に落ち着いた。
まあ、身体清浄魔法と水魔法、それに浄化の魔法のお陰で、なんとか最小限の荷物で動けているけど、もう限界に近い。
『あぁ、ベッドが恋しい。ちゃんと料理した肉が食いたい。甘いモノもいいな。あぁ、公爵家の料理人はみな腕利きだ。デザートのケーキも美味い。このシーズンだと桃のケーキあたりは出ているんだろうか?』
ふと公爵家の食卓を思い出してしまうと、猛烈に、この場所にいるのが嫌になってしまった。とにかく理由なんて必要な。ここにいたくないという強烈な感情だ。
『いったん帰るか。このまま無理してダンジョンにたどり着いても、コンプリートなんて不可能だもんな』
こうしてガイウスはダンジョンの入り口を見ることもなく「初めてのダンジョン踏破の旅」を終えることにしたのである。
この時のガイウスは病気にかかったのだ。よく知られているこの病気の名前は「ホームシック」と呼ぶ。
ライトノベル史上において、この病にかかってダンジョン踏破を断念したのはガイウスが最初だということには、気付かなかったのである。
幸せだね。
なお、帰路は猛烈な速度を出したお陰で1週間で到着した。
懐かしの公爵邸の自室。
柔らかで温かい、そして安全なベッドが待ち構えていた。極上の眠りに就こうとしたその前に、公爵家当主・マーラウェルに呼び出され、猛烈に叱られたのは言うまでもなかった。
既に7月に入ろうとしていた。
まあ「フライ」が使える分だけ、マシはマシだよ。ヤバそうな魔物は空に浮かんで回避できるからね。
だけど、たとえ魔法の原理はナノマシンを使うことだって分かっていても、命令するためには魔力を消費するんだ。そして「フライ」の場合、空に浮かぶこと自体は簡単だけど、空中姿勢から飛ぶ方向、スピード、あらゆることを制御するのは難しい。
ナノマシンに色々な制御命令を伝達する「魔力」だって、猛烈な速度で消費し続けるわけで、すぐに動けなくなってしまう。でフライは「無意識に姿勢制御ができるくらいの練習が必要」という意味で、力任せに使える魔法じゃなかった。
そのうち、練習するにしても、今のオレにとっては苦労するだけのメリットはない。それなら身体強化の魔法で地上を走った方が1日に進める距離が長いことが分かったんだ。
フライ、使えねー
結局、高い木のてっぺんの方までフライで上がって、そこで身体を縛り付けて寝るっていう使い方に落ち着いた。
強い魔物は上がってこられないんで、簡単な防御壁《シールド》を下側に張るだけでゆっくり眠れるわけ……があるかあぁああ!
木に身体を縛り付けて枝の上で寝る?
寝られるか、そんなもん。ロッククライミングしてるんじゃないんだから。結局簡素な身長くらいの長さの木製の板を持ち歩いて、それを固定《ロック》魔法で動かないようにして、そこに寝る形に落ち着いた。
まあ、身体清浄魔法と水魔法、それに浄化の魔法のお陰で、なんとか最小限の荷物で動けているけど、もう限界に近い。
『あぁ、ベッドが恋しい。ちゃんと料理した肉が食いたい。甘いモノもいいな。あぁ、公爵家の料理人はみな腕利きだ。デザートのケーキも美味い。このシーズンだと桃のケーキあたりは出ているんだろうか?』
ふと公爵家の食卓を思い出してしまうと、猛烈に、この場所にいるのが嫌になってしまった。とにかく理由なんて必要な。ここにいたくないという強烈な感情だ。
『いったん帰るか。このまま無理してダンジョンにたどり着いても、コンプリートなんて不可能だもんな』
こうしてガイウスはダンジョンの入り口を見ることもなく「初めてのダンジョン踏破の旅」を終えることにしたのである。
この時のガイウスは病気にかかったのだ。よく知られているこの病気の名前は「ホームシック」と呼ぶ。
ライトノベル史上において、この病にかかってダンジョン踏破を断念したのはガイウスが最初だということには、気付かなかったのである。
幸せだね。
なお、帰路は猛烈な速度を出したお陰で1週間で到着した。
懐かしの公爵邸の自室。
柔らかで温かい、そして安全なベッドが待ち構えていた。極上の眠りに就こうとしたその前に、公爵家当主・マーラウェルに呼び出され、猛烈に叱られたのは言うまでもなかった。
既に7月に入ろうとしていた。
6
あなたにおすすめの小説
転生したら最強種の竜人かよ~目立ちたくないので種族隠して学院へ通います~
ゆる弥
ファンタジー
強さをひた隠しにして学院の入学試験を受けるが、強すぎて隠し通せておらず、逆に目立ってしまう。
コイツは何かがおかしい。
本人は気が付かず隠しているが、周りは気付き始める。
目立ちたくないのに国の最高戦力に祭り上げられてしまう可哀想な男の話。
アワセワザ! ~異世界乳幼女と父は、二人で強く生きていく~
eggy
ファンタジー
もと魔狩人《まかりびと》ライナルトは大雪の中、乳飲み子を抱いて村に入った。
村では魔獣や獣に被害を受けることが多く、村人たちが生活と育児に協力する代わりとして、害獣狩りを依頼される。
ライナルトは村人たちの威力の低い攻撃魔法と協力して大剣を振るうことで、害獣狩りに挑む。
しかし年々増加、凶暴化してくる害獣に、低威力の魔法では対処しきれなくなってくる。
まだ赤ん坊の娘イェッタは何処からか降りてくる『知識』に従い、魔法の威力増加、複数合わせた使用法を工夫して、父親を援助しようと考えた。
幼い娘と父親が力を合わせて害獣や強敵に挑む、冒険ファンタジー。
「カクヨム」「小説家になろう」にも掲載しています。
悪役顔のモブに転生しました。特に影響が無いようなので好きに生きます
竹桜
ファンタジー
ある部屋の中で男が画面に向かいながら、ゲームをしていた。
そのゲームは主人公の勇者が魔王を倒し、ヒロインと結ばれるというものだ。
そして、ヒロインは4人いる。
ヒロイン達は聖女、剣士、武闘家、魔法使いだ。
エンドのルートしては六種類ある。
バットエンドを抜かすと、ハッピーエンドが五種類あり、ハッピーエンドの四種類、ヒロインの中の誰か1人と結ばれる。
残りのハッピーエンドはハーレムエンドである。
大好きなゲームの十回目のエンディングを迎えた主人公はお腹が空いたので、ご飯を食べようと思い、台所に行こうとして、足を滑らせ、頭を強く打ってしまった。
そして、主人公は不幸にも死んでしまった。
次に、主人公が目覚めると大好きなゲームの中に転生していた。
だが、主人公はゲームの中で名前しか出てこない悪役顔のモブに転生してしまった。
主人公は大好きなゲームの中に転生したことを心の底から喜んだ。
そして、折角転生したから、この世界を好きに生きようと考えた。
【完結】転生したら最強の魔法使いでした~元ブラック企業OLの異世界無双~
きゅちゃん
ファンタジー
過労死寸前のブラック企業OL・田中美咲(28歳)が、残業中に倒れて異世界に転生。転生先では「セリア・アルクライト」という名前で、なんと世界最強クラスの魔法使いとして生まれ変わる。
前世で我慢し続けた鬱憤を晴らすかのように、理不尽な権力者たちを魔法でバッサバッサと成敗し、困っている人々を助けていく。持ち前の社会人経験と常識、そして圧倒的な魔法力で、この世界の様々な問題を解決していく痛快ストーリー。
没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます
六山葵
ファンタジー
生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。
彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。
優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。
それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。
その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。
しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。
※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。
詳細は近況ボードをご覧ください。
捨て子の僕が公爵家の跡取り⁉~喋る聖剣とモフモフに助けられて波乱の人生を生きてます~
伽羅
ファンタジー
物心がついた頃から孤児院で育った僕は高熱を出して寝込んだ後で自分が転生者だと思い出した。そして10歳の時に孤児院で火事に遭遇する。もう駄目だ! と思った時に助けてくれたのは、不思議な聖剣だった。その聖剣が言うにはどうやら僕は公爵家の跡取りらしい。孤児院を逃げ出した僕は聖剣とモフモフに助けられながら生家を目指す。
神様、ちょっとチートがすぎませんか?
ななくさ ゆう
ファンタジー
【大きすぎるチートは呪いと紙一重だよっ!】
未熟な神さまの手違いで『常人の“200倍”』の力と魔力を持って産まれてしまった少年パド。
本当は『常人の“2倍”』くらいの力と魔力をもらって転生したはずなのにっ!!
おかげで、産まれたその日に家を壊しかけるわ、謎の『闇』が襲いかかってくるわ、教会に命を狙われるわ、王女様に勇者候補としてスカウトされるわ、もう大変!!
僕は『家族と楽しく平和に暮らせる普通の幸せ』を望んだだけなのに、どうしてこうなるの!?
◇◆◇◆◇◆◇◆◇
――前世で大人になれなかった少年は、新たな世界で幸せを求める。
しかし、『幸せになりたい』という夢をかなえるの難しさを、彼はまだ知らない。
自分自身の幸せを追い求める少年は、やがて世界に幸せをもたらす『勇者』となる――
◇◆◇◆◇◆◇◆◇
本文中&表紙のイラストはへるにゃー様よりご提供戴いたものです(掲載許可済)。
へるにゃー様のHP:http://syakewokuwaeta.bake-neko.net/
---------------
※カクヨムとなろうにも投稿しています
気づいたら美少女ゲーの悪役令息に転生していたのでサブヒロインを救うのに人生を賭けることにした
高坂ナツキ
ファンタジー
衝撃を受けた途端、俺は美少女ゲームの中ボス悪役令息に転生していた!?
これは、自分が制作にかかわっていた美少女ゲームの中ボス悪役令息に転生した主人公が、報われないサブヒロインを救うために人生を賭ける話。
日常あり、恋愛あり、ダンジョンあり、戦闘あり、料理ありの何でもありの話となっています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる