死んでる場合じゃない 〜小学生とエリートスパイとの奇妙な共同作戦〜

ぱるゆう

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バスケットボール

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 学校の体育の授業、外は雨だったので、体育館でバスケとなった。

『おっ!バスケか。青龍、バスケは得意なんだ。今日だけ代わってくれないか?』

『えっ!う~ん・・・、分かった』青龍は目を瞑った。そして、少し釣り上がった目が開いた。

 チームを作り、試合をすることになった。うちのクラスには、バスケ部の生徒が2人いる。3チームのうち、2チームに一人ずつ入った。

 青龍のチームには、バスケ部のキャプテンが入った。一番背の低い青龍とバランスを取った形になった。

 そして、初めの相手は、もう一人のバスケ部の生徒、クラスで一番背が高い。部活ではポイントカードをやっている。

 しかし、授業では話は別だ。攻撃の中心として攻めてきた。

 そして、中央のスリーポイントライン付近にいた白虎にパスが来た。

 目の前には、ポイントカードがいる。

『デカいな。本当に小学生か?』と白虎は思った。まぁ、顔つきは子供だな。

 白虎はフェイントを入れながら、機敏に動き、真上にジャンプして、シュートを放った。

 多分、予想していなかったのだろう。ポイントカードのジャンプが遅れた。

 ボールはりリングへ向かった。

 しかし、バンとリングに弾かれた。
『くそ!ブランクがながすぎたか』

しかし、弾かれたボールをキャプテンがリングの中に押し込んだ。

『凄い!』青龍は頭の中で言った。

『美味しいところを持ってかれた』と白虎は悔しがった。

そして、一進一退の中、再び、中央スリーポイントライン付近の白虎にバスが来て、目の前にはポイントカードがいる場面となった。

『流石に油断してないな』と白虎は思った。

白虎は両足で屈んで、ポイントカードの右腕の下からパスを出す動きをした。ポイントカードは左足に体重を掛けた。

しかし、白虎は、そのまま上にジャンプした。慌ててポイントカードは手を出してきた。

『もう遅い』と白虎は思ったが、手が覆いかぶさってきた。

白虎は後ろに体重をかけて、手を逃れ、高くシュートを打った。ボールはリングに当たらず、すぽっと網の中に入った。

『よし!』と白虎はガッツポーズをした。

そして、3度目の対決。白虎は既に満足していたので、キャプテンに視線を送った。

そして、リングの少し離れた場所に大きくボールを投げた。

「そっちかよ!」キャプテンはジャンプして、飛んできたボールを片手で掴み、リングの中に押し込んだ。

「おっ、やるな!」白虎は両手を上げて拍手した。

試合は白虎のチームが勝利した。

そして、白虎のチームが2連勝して授業は終わった。白虎は満足して、青龍に代わった。

体育館から教室に帰る途中で、キャプテンが近づいてきて、
「青龍、いつの間に、プティダウェイとか、アリウープなんてできるようになったんだ?」

「フェっ、フェイダ?アリスープ?」青龍は少し狼狽えた。

「何だ?分かっててやったんじゃないのか?」

「あっ!この前、たまたまテレビでバスケの試合見てたら、そんなことをやってる選手がいて、イメージトレーニングしてたんだ・・・」

「イメージ?そんなんでできたの?アリウープなんて、ここしかないってくらいの所にボールが来たけど」

「あぁ、そうなんだ・・・」

「ねぇ、今からでもバスケ部に入らない?青龍とコンビ組めたら、もっとバスケが楽しくなりそうに思うんだ」

「えっ!あぁ~、有難い話なんだけど、勉強しなくちゃならないんだ」

「勉強?そんな邪魔になる部活じゃないよ」

「実は皆には内緒にしてたんだけど、中学受験するんだ」

「うそ!ホントに?」

青龍は頷いた。

「そうかぁ~、それじゃ流石に無理は言えないな。分かった。まぁ、気分転換したくなったら、いつでも来てよ」

「うん、ありがとう」

キャプテンは先に走って行った。

『あぁ~、嫌味なくらい爽やかすぎて、逆に申し訳ない』と青龍は頭の中で言った。

『やり過ぎたかな?』と白虎は言った。

『まぁ、楽しんだみたいだから、いいんじゃない?でも、次にバスケの授業あったら、僕はもう出れないよ。白虎、責任取ってよ』

『あぁ、任せとけ』

そして、体育の授業の後、休み時間、3人の女子が青龍の席に来た。
「ねぇ、星野くん」

「なっ、何?」青龍は慣れてないので、何かやらかしたのか?と思って狼狽した。

「今日のバスケの試合、かっこよかった」

「いやっ!あれはキャプテンが・・・」

「この前の球技大会のサッカーでも、凄いシュート決めちゃうし。足も速いし、凄いね」

「球技大会はマグレだよ。走るのは毎朝、走ってるからだと思う」

「毎朝?凄~い。それに中学受験するんだって?」

キャプテンは爽やかだが、口は軽いらしい。
「そっ、そうなんだ・・・」

そこでチャイムが鳴った。
「また話そうね」と言って女子達は席に戻った。

「ふぅ~」と青龍は息を吐き出した。

『モテモテじゃないか?』と白虎が言った。

『そんなんじゃない。それにバスケは白虎が』

『おいおい、そんなことは誰も知らないんだぞ』

『あっ!そうだった。他人のふんどしで相撲を取ってる気分だ』

『相変わらず変なこと知ってるな』



そして、放課後、青龍は先生を呼び止めた。他の生徒から聞く前に言っておいた方がいいと思ったからだ。

「先生、お話ししたいことがあるんです」

『抱きしめていいですか、と言え』と白虎は頭の中で言ってくるが、青龍は無視をした。

「何?」

「実は、中学受験をしようと思ってます」

「えっ!あぁ~、そうなんだぁ。最近急にテストの点が良くなったから、ビックリしてたのよ。なるほど、中学受験ねぇ」

『分からない所があったら、相談しに行ってもいいですか、と言え』と白虎がまた言う。

「もし分からない所があったら、相談してもいいですか?」と素直に青龍は言った。

「塾とかは行かないの?」

「えっ!あぁ~、そうですね。今のところは考えてません」

「そんなにたくさんじゃないなら、いいわよ」

「ありがとうございます」

「学校の授業もちゃんとやるのよ」

「それはもちろんやります」

『これから先生の部屋で2人きりで』と白虎は悪乗りしてくる。

「では、帰ります」

「気を付けてね」

ランドセルを背負って教室を出る。
『白虎!』

『いいなぁ、いい匂いするし』

『たまに、だからね。分かった?』

『分かってる。分かってる』

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