旦那様は、パーフェクト高校生

ぱるゆう

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大学時代 詩織とフレッド 10 了承

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「ちょっと待って。お願いだから、そんな事言わないで」フレッドは頼み込んだ。

「あなたは全米のスーパースターになるの。今日の比じゃない人が集まってくる。私には無理。あなたの隣にいるのが嬉しいって思う相手にして」

「シェリー、何度も言ってるけど、シェリーだから付き合いたいんだ。他の人と付き合うなんて考えられない。それに、シェリーがいないと、もう無理なんだ。試合にも怖くて出られなくなる」

「何度も言ってるでしょ。いい加減にして。どんな状況でも、あなたはベストを出す。私がいてもいなくても、やることは変わらない」

「君が待っていてくれると思うと、どんなに負けていても、自分のこともみんなのことも信じられるんだ。僕には君が必要なんだ」

「もうフレッドは分かってるんだし、私は必要ない」

「お願いだ。シェリーさえ良ければ、明日にでも結婚してもいい。絶対に後悔はさせない」

「今、丁度、後悔してるところなんだけど。私を巻き込まないで」

「あっ!」フレッドは悲しい顔をした。

「はぁ~、何でこうなるのよ。私は、ベンチに一人で座っていたあなたと話しただけなのに」

「運命の出会いだよ。神様が僕に与えてくれた希望。それがシェリーなんだ」

「私はただの人間」

「そう、僕が愛しやすいように、綺麗で、とても魅力的な姿にしてくれた。本当に感謝しかない」

「ねぇ、もし私が付き合わないって言ったら、どうするの?」

「えっ!そうだなぁ」フレッドは考え込んだ。

「いつも一緒にいる友達ってのは、どう?」

「はぁ?あなたの取り巻きは?」

「それはどうしようもないよ。僕が頼んでるわけじゃないんだ。シェリーとは、誕生日とか特別な日に2人で一晩中一緒にいる友達」

「それを世間では恋人と言うの」

「違うよ。あくまでも友達。でも、ベッドで裸で抱き合うけど」

「裸!」

「うん、友情の証だよ」

「分かった。フレッドは友達ともそういうことするんだ。絶対に付き合えないわ」

「そんな特別な友達は、シェリーだけだよ。他の人となんて絶対にしない。だから、お願いだよ」

「分かった。ややこしいから、付き合うわよ。今更、引くに引けないし。もし、私が、あのフレデリック・ベーカーを振ったなんてことになったら、何様!って、みんなから冷たい目で見られるわ」

「とにかく恋人ってことでいいんだよね?」

 詩織は頷いた。

「やった!」フレッドは無邪気に喜んでいる。なんて素直なんだ。私にはできない。

「パーティーに誘って正解だった。こんなに早くOKしてもらえるとは思わなかった」

「はいはい。そろろ戻りましょう。みんな心配してるわ」

「あぁ」2人は手を繋ぎながら会場に戻った。

フレッドはみんなの前に立った。
「シェリーは、僕が今まで出会った中で、特別で最高の女性です。彼女は、他にも魅力的な女性はたくさんいると言うのだけど、僕にはシェリーしか魅力的には映らない。これからの未来を含めて、彼女以上の女性には出会えないと思ってる。僕にとって、彼女は、そういう存在なんだ。でも、それは僕にとってだけで、他の皆には分からないと思う。だから、シェリーを宇宙人やモンスターのように思うのは止めて欲しい。僕以外には、きっと普通の女性だから」

 一人の拍手が起こると、全員に広がった。

「ありがとう」とフレッドは言って、シェリーを連れて隅の方に行った。

「ありがとう、フレッド。嬉しいわ。フレッドが本気だって、やっと分かった」

「今?」

「フフフッ、そうね」

「まぁ、良かった。伝わって」

「でも、フレッドのこと何も知らないわ」

「いいんだよ。これから何十年、そう80年も一緒にいるんだから、ゆっくりで」

「気が早い」

「日本の結婚式って、どういうの?」

「着物着て、頭に角隠しっていう大きな帽子をかぶって」

「角隠し?」

「花嫁は結婚すると鬼になる。それほど怖くなるってこと。結婚する前は、おしとやかな女性なのに」

「鬼ってモンスターだよね?」

「そう、角の生えたモンスター」

「日本の女性って、怖いんだね」

 詩織は自分を指さした。

「詩織もなるの?」

「フフフッ、そうね」

「エリーも、本当は怖いの?」

「フフフッ、冗談よ。角隠しって言うのは、角の生えた鬼にならないように、幸せな家庭を作りなさいってことよ。それに、日本でもウエディングドレスを着て、アメリカと同じようにやっているわ」

「でも着物を着た詩織も見てみたいな。もちろんウエディングドレスも着て欲しい」

「どっちも気が早い!」 



どんどん人が少なくなって行った。

「そろそろ行こうか」

「うん」

 フレッドの車に乗る。

 車がスタートした。



フレッドは楽しそうに鼻歌を歌っている。

詩織は窓の外を見た。
はぁ~、勢いで付き合うと言ってしまった。フレッドは、これまでと変わらずに他の女性には見向きもしないのだろう。

すると、いつかは・・・・。

別に大事に守ってきたつもりはない。男にも負けないように生きてきたから、私のことを好きになってくれる人なんていなかった。だから、フレッドが本気で私のことを好きだって言ってくれて、本当は嬉しかった。でも、同時に、その言葉を信じられなかった。

まぁ、フレッドが初めての相手なんて、それはそれでいい思い出になるかもしれない。



次のデートをどこにしようか話しながら、詩織の家に着いた。

 恵理が出てきた。父も兄も弟も。

「フレデリック・ベーカーです」フレッドは、父に手を出した。

「雅史です。マーシーと呼んでください」父は手を握った。

「本物だよ!」と弟は興奮したように言っている。

「君は?」フレッドは手を出した。

「希空《のあ》」と言いながら握手をした。

 最後に兄と握手をした。
「仗助、ショージと呼んでくれ」


「今日、シェリーが付き合うことをOKしてくれました。これからは、みんなさんとも家族になると思うと、嬉しいです」

「気が早い」詩織は赤くなりながら言った。

「シェリー、フレッドの家族とも早く会いなさいよ」恵理が言った。

「そんな先の話!」

「はいはい。いつまでも子供なんだから」恵理は呆れた。

「では、今日は、この辺で失礼します」フレッドは言った。

「次は、食事でもしていって下さい。エリーの料理は上手いですよ」雅史は言った。

「はい、楽しみにしてます」

 フレッドが車に乗り込むと、詩織は運転席に行った。

「気をつけてね」

「うん、シェリーを悲しませるようなことはしないよ」

車は走り去った。



「すげぇ、フレデリック・ベーカーと握手しちゃった!」希空は興奮していた。

「みんなに、俺の姉ちゃんの彼氏だって自慢していい?」希空は詩織に言った。

「誰も信じないから、嘘つきだって言われるぞ」仗助は諭すように言った。

「あぁ、そっかぁ」希空は残念そうだ。

本当にその通りだ。誰が信じるんだ?大学でも信じるのは、今日パーティーに参加していた人達くらいだろう。


「少しは進展したんだ?」恵理が近づいてきて、詩織の腕に自分の腕を組ませた。

「ほんの少しね」

「早く旅行にでも行きなさいよ」

はぁ~、やっぱり言ってきた。
「母さんは、フレッドを家族にしたいの?」

「もちろん!あんな好青年中々いないわよ」

「確かに、そうかもしれないけど」

「はぁ~、誰だったらいいのよ」

「そんなの分かんないよ」

「一生ウジウジしてるつもりなの?」

「そういう訳じゃないわわよ!ちゃんとそういう時が来たら、そうするわよ」

「だから、今が、そういう時だって言ってるの。あなただって分かってるんでしょ?」

「・・・」

「フレッドなら慣れてるだろうから、任せればいいの。あなたは体の力を抜くだけ。合気道やってきたんでしょ?相手を受け入れるの。フレッドの気持ちも身体も」

「分かったよぉ」

「まぁ、慣れてきたら、とっておきの技を教えてあげるから」

「技?」

「男を骨抜きにする技よ」

「合気道?」

「フフフッ、そんな訳ないでしょ」



    
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