旦那様は、パーフェクト高校生

ぱるゆう

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助っ人(サッカー部) 1

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インターハイの東京都支部予選が始まる。

本当ならサッカー部のみんなだけで大会に出て、例え1回戦で負けたとしても、みんな精一杯やったなら、それで満足して、3年生は次のステップである受験に向かうことが僕は望ましいと思っている。

しかし、現実は、僕が助っ人として呼び出された。僕が今立っているのは、ゴールマウスの前、そうゴールキーパーが僕に与えられたポジションだ。



我が校にはスポーツ推薦はない。運動部を強くして有名になり、受験者数を増やすという一部の高校で行われていることについて、校長は意味が分からない、教育の放棄だとアチコチで言っている。

結局、学校側が、そういう考えなのだ。運動部でない生徒は、自分の成長のために高校に来ているわけではない、と思えてしまう。もちろん校長は、そういう人間は我が校を受験するな、とも言っている。

だから、サッカーや野球等のスポーツで一生過ごしていきたいと考える生徒は、我が校には来ない。進学、その中でも有名大学への入学を希望している生徒ばかりだ。

我が校の特徴でもある大手予備校を凌駕する受験に特化した授業は、放課後に予備校に通う必要がない。

他の学校で有名大学への進学を希望する生徒、特に3年生は、放課後に予備校に通う人も多いだろう。

では、学校には何をしに来てるのか?高校卒業という受験のための資格を得るためだけに、一日の多くの時間を費やしている。全てが無駄だとは思わない。しかし、そういう生徒が高校にいる目的は大学なのだ。

だったら、それを希望する生徒には、学校でその需要に応えることこそが、その生徒の生活を勉強漬けにしない、勉強以外のことができる時間を与えることにならないか?高校3年間という貴重な時期を有意義に過ごし、結果的に、勉強しかやらなかった人間を作らないことになる、という校長の考えには、僕は大賛成だ。

だから、我が校の生徒は、部活やバイト、趣味等に時間を使うことができる。そっちに熱心になり過ぎて、受験がダメになる、そんな生徒はいない。そのために、新入生の時に、責任というものを徹底して叩き込まれる。

しかし、そっちに本格的に取り組む、それで生きていくと決意を固めることは良いことだと思う。大学ばかりが人生ではない。それを知るのことができる時間を得ることができ、自分で選択する能力を得られる我が校は、唯一無二だと感じている。


文化部、運動部に関わらず、熱心な部活には、校長は、色んなツテを使って有名な元選手や、その世界では有名な人を臨時で呼んだりする。だからといって、急に高度なことができるようになるわけではない。良くて中の上に変わるだけだが、成功した人に触れ合うことは、部活以外にも絶対に役に立つと言うのが、校長の持論だ。




話はそれたが、
僕が助っ人に入ると、サッカー部の練習の大半は、PK練習に費やされる。なぜなら、まともにやって勝てるわけがないからだ。

前半、後半の規定の時間内は、僕がゴールを守りきり、運が良けれは1点を取って勝つ。得点を取れなくても、スコアレスでPK戦に持ち込んで勝つ。我が校が勝ち残るためには、そういう試合しかないと、みんな分かっている。

他の部のメンバーには、なんとか3本決めて欲しいと伝えている。でも、僕を相手に練習をしていて、キーパーの立場から、どうシュートを打てば嫌なのかもアドバイスしている。

PK戦に持ち込みさえすれば勝てる。それが、みんなの自信となっている。





そうして真正高校の大会が始まった。1回戦目は運良く得点を取ることができ、予定通り無失点で抑えたので、勝ち上がることができた。

2回戦目は、スコアレスでPK戦に持ち込んだ。我が校は後攻となり、初めは決められてしまったが、その後、立て続けに3本を止めた。我がチームは全て決め、2人が蹴る前に勝利となった。

そして3回戦。2年連続でここでPK戦の末敗退していた。今年もスコアレスのPK戦となった。しかし、相手に恵まれたのか、勝つことができた。そして、我が校初の都大会に出場が決まった。



しかし、都大会の一回戦の相手は、第一シード校で、2年連続で全国へ行って、ベスト4.準優勝となっている全国でも有名な強豪である。

半ば諦めムードもあるが、こんな相手と試合ができることは、逆にラッキーだと、みんな楽しそうにしている。もちろんPK戦に持ち込めば、勝てるという自信を持っているからだ。

僕は、その期待に応えなくてはならない。

詩織は、今までは会場に来なかった。もちろん、去年も一昨年も来ていないからだ。優一がいきなり女子バスケの試合に行くという、怪しい行動をしてしまったために、尚更、詩織は来れなくなってしまった。

しかし、・・・
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