旦那様は、パーフェクト高校生

ぱるゆう

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助っ人(サッカー部) 3

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詩織がスタジアムに到着し、観客席に出る通路の近くに来ると、騒がしい声が聞こえた。

まさか生徒達が騒いでいるのかと思って、観客席に急いで出てみると、生徒達はフィールドで練習している選手達に声を掛けてはいるが、騒いでいる様子は全くない。

詩織が騒がしい方を見てみると、なんと原因は大人達だった。

大体が名の知れた企業のそれなりの役職の人達であるはずだ。顔なじみであっても何ら不思議はない。それにプライベートで会うことも、中々ないだろう。

完全に酒盛り状態になっている。
「えっ!」と詩織は目を疑った。酒盛りの中に校長がいた。

「はぁ~」と詩織は頭を振った。

来るなんて言ってなかったのに・・・。

詩織は生徒達の近くにいる同僚の所に行った。
「どういう状況なんですか!」詩織は言った。つい、強い口調になってしまった。

「どうもこうもないですよ。見たまんまです」と同僚の男性教諭は、当然呆れたように言った。

「そうですよね。すいません」詩織は強く言ってしまったことを反省した。

「いえ、僕も同じ気持ちですから」




一方、フィールドでは、

「全く、何しに来たんだ」と選手全員が呆れていた。

「まぁ、普段は僕達のために働いてくれてるんだし、たまには羽を伸ばさせてあげよう」とキャプテンは言った。

「働いてる?毎週、ゴルフだ、釣りだ、最近じゃバーベキューだって、遊んでいる方が多い気がするぞ」

「うちもそう」

「まぁまぁ、これも親孝行だよ」とキャプテン。

「絶対に点とって、新しいパソコンを買わせてやる」

「おっ!それいいね」

「そうだろ?」

幸か不幸か、全国レベルの強豪相手に緊張の欠片もなくなったようだ。

「みんな、少し騒がしいけど、僕達がやることは変わらない。いつも通り、自分ができることを精一杯やるだけだ」と優一は言った。

「分かってる。優一こそ、いつも通りに頼むぞ」

「あぁ、任せてくれ。絶対にゴールは守る」と優一。

「よし、それなら安心だ。みんな、優一に負けるなよ」とキャプテン。

「おう!優一以上に今日は僕が目立つ!」

「俺も、パソコンのために!」

「動機が不純じゃないか?」と誰かがツッコむ。

「ハッハッハッ」笑いが起こり、一度ベンチに集まった。




そして、再度、選手達がフィールドに散らばり、マイボールで試合開始のホイッスルが吹かれた。

しかし、少しパスを回している間に、あっさりとボールを奪われた。そして、ロングボールを蹴られ、そこに走り込んだきた選手達にパスを回され、ペナルティエリア内でシュートを打たれる。しかし、余裕で優一はキャッチした。

まだハーフライン付近に残っている味方に目掛けてボールを蹴る。味方は受け取ったが、パスを回しているうちに奪われた。そして、パスを回されてシュートを打たれる。これが繰り返されるが、優一は、驚異的な反射神経とジャンプ力で、ゴールを守り抜く。



そして、左サイドを相手がドリブルで駆け上がってきた。味方が一人付いている。

抜かれるなと優一は思い、ゴール前の状況を確認した。ゴールポストの右側付近に2人詰めていた。そこにも味方は付いている。

センタリングされたボールを空中でキャッチだなと考えていると、予想通り、左サイドは突破され、敵選手はペナルティエリアに入ってきてゴールラインに向かっている。

優一は、その相手の方を向いた。相手がボールを蹴った。

しかし、ボールは優一の予想した右側の奥ではなく、ゴールエリア左側の外側へ向かっている。

優一が目を向けると、一人の選手が物凄い勢いで走ってきていた。

やられた!でも、僕の方が早い。

上に飛ぼうとした脚の力を上体を低くして、前に向ける。

そして、ボール目掛けてスライディングした。

よし!クリアだ!と思った瞬間、相手がぐっと近づいて来て、先にボールをシュートした。

優一は、冷静に、そのシュートされたボールを胸で受け止め、両手で抱えた。そして、顔を守るために前腕を上げた。

相手の蹴り終わった足が、優一の両方の前腕を直撃した。

キャーッという叫び声が一瞬スタジアムに広がり、すぐに静寂となった。

もちろん、酒盛り中の大人達も。

詩織は目を見開き、息を止めて自分の体を両腕で掴んだ。小百合は立ち上がって息を呑んだ。

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