旦那様は、パーフェクト高校生

ぱるゆう

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詩織と優一の土曜日 4

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服を着て、キッチンで夕飯を作った。
作ると言っても、ほうれん草入りの卵焼き、サラダと漬物、冷奴と簡単なものばかりだ。

テーブルに並べて、ボールに氷を入れて、その中に日本酒を入れて、テーブルに置く。

「いただきます」2人は言い、詩織はゲラスに日本酒を入れた。

「第一関門突破に乾杯」と優一はウーロン茶の入ったグラスを前に出した。

「あっ、そうね。乾杯。よく頑張ったわね」

グラスを軽くぶつけて、鳴らせた。
小百合は一口飲み、
「うわぁ、フルーティーかと思ったら、そんなことない。本当に癖がないわ。これはマズイ、止まんないかもしれない」小百合はグラスの残りを飲み干して、また注いだ。

「ほどほどにね」

「だって来週だと味が変わっちゃう。勿体ない」

「まぁ、エロモードのし~ちゃんもいいけど」

「いや、これは動けなくなるわ」

「そんなの嫌だ!持って帰っていいから」

「あら?いいの?それなら、勿体ないから大切に飲もうっと」

「月曜日は仕事なんだからね」

「分かってますぅ」

「ホントにお酒好きだよね?」

「この一本を作るために、お米からこだわってるのよ。ワインもブドウから。ビールも何度も試して、味が決まる。そういう職人さん達の血と汗と賜物なのよ」

「はいはい。僕も飲める年になるのを楽しみにしてるよ」

「そうね。一緒に飲めるのかな?」

優一はドキッとしたが、
「そういうこと言わないの。楽しみにしてるんだから」

「フフフッ、そうね。野暮ってものね」

詩織は三分の一くらいを飲んで、冷蔵庫に戻した。

「もういいの?」

「美味しいと思えるうちに止めとくわ。お風呂も入んなきゃいけないし」

最後に焼き鳥をご飯に乗せて、タレを作ってネギを刻んだ焼き鳥丼を作った。優一は多目にして、詩織はかなり少な目にした。

食べ終えて、優一が皿を洗っている。

それを眺めていたら、詩織のスマホが震えた。見たら、フレッドからのメールだった。
『来週会いたい』と書かれていた。

やっぱりこうなるのよね。

『バーベキューまでは会わないわよ。たった2週間でしょ』と送る。

『そんなに待てない』とまた送られてくる。

『もう終わり。変えるつもりはないから』と送り、スマホの電源を切った。

「ねぇ、櫻井さんとはデートは続けるの?」と洗い物をしている優一に声をかけた。

「うん、今まで通りだね」

「再来週の日曜日、友達と会いたいから、土曜の夕方には帰るわ」

「うん、分かった」

短めの映画を見て、風呂に入った。
「明日は、ジム行くの?」

「今日行ったから、行かなくてもいいかな」

「じゃあ、部屋にいるとしたくなるから、買い物でも行こうか?」

「何買うの?」

「洋服」

「うん、分かった」

「別に買ってくれる必要ないからね。自分の服は自分で買うから」

「買わせてよ。し~ちゃんに何もお礼できてない」

「あのね。別にお礼されるようなことはしてないわよ」

「そんなことない。し~ちゃんがいてくれるお陰で・・・」

「そういうのは無し。私が身体を売ってるみたいじゃない」

「そんなことしてない!」

「お互い平等なの。私にお金がないなら分かるけど、私は働いてるの」

「分かったよぉ」

「飼うのは、ブランドものじゃないから、安い服よ」

風呂を出て、体を拭いた後、そのままベッドへと向かった。


優一は3回射精して、力尽きて眠った。詩織はこっそりとスマホの電源を入れた。メッセージセンターにメールが溜まっていた。

やっぱり・・・。

呼び出してみると、3通目で諦めたらしい。
『絶対にバーベキューに来てよ』と書かれていた。


フレッドの言う通り、もうほとんど華やかな舞台とは縁が無くなったのかもしれない。それでも私はフレッドのことが本当に嫌なのだろうか?

いや、違う。フレッドの隣にいる自分が嫌なのだ。ずっとフレッドは関係ないんだ。

大学時代、いや、中学生くらいから、アメリカの特に女子は、特別な存在になりたがる。

それは、学校で一番になることから始まる。もちろん勉強ではない。

そして、学校一番の男と付き合うことが加わる。

そして、田舎町を飛び出して、モデルや歌手、俳優なんかになることを願う。

最後に、アメリカ中で有名な男と結婚することを夢見る。

そう、何の因果か私はそれが手に入る立場にいた。

でも、中身の空っぽな自分が、その立場にいることを、自分で許せなかった。だから、私は逃げた。

どの面下げて、今更、その立場になれるのだろう?たくさんの人に迷惑をかけておいて。

しかし、日本に来て一人で暮らしてみて、私は何か変わったのだろうか?根本的に何も変わってないような気がする。6年も経って。

いや、たった6年だから?


このまま暮らしていて、何か変わるのか?今も年齢を理由にして、ゆうくんから逃げようとしている。

私は何を望んでいるのだろう?どうなりたいのだろう?

平凡な相手なら、結婚して幸せになれるのか?何も心配しなくていいような相手。

そんな相手は実在するだろうか?

ダメだ、止めよう。考えても無駄なことでしかない。

詩織は目を閉じた。


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